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ジグ : ……なんじゃ、お主は。
わしを笑いにでも来たのか?
: ふん、好きに笑え。
この刀匠ジグ、齢七十五にして
すでに枯れたようだ。
: 燃えんのだ……
かつては泉のように湧いてきていた
創造心というものが、奮い立たん。
: 四十年前の決戦時は心震えた……
十年前の死闘もそうだ!
大規模な戦いは情熱をかき立てる!
: だが、戦線の鎮静化を受けて
わしの情熱も冷めていった……
: 武器を手掛けたい気持ちはあるが
中途半端なものは作りたくない。
これは、職人の矜持じゃ。
: ……すまんな、愚痴に付き合わせた。
お主には、何故か話しやすくてな。
: ……愚痴ついでに、ひとついいか?
もし、わしの情熱を滾らせるような
何かを見つけたら、持ってきてほしい。
: インスピレーションを刺激するような
そう、刺激的な何かを……
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A.P.238/3/2
ジグ : なんだ、お主か。
何か見せようとでもいうのか?
わしの情熱を呼び覚ますような?
: 無駄だ、無駄無駄。
冷め切ったわしの情熱は
そんじょそこらの武器……では……
: なんだ、これは…………!
無駄しかないようなフォルムで
その実、全てがかみ合っている……
: この形状、どうやって作って……
いや、それよりもこれだけのものを
どうやって練成したというのだ……!
: お、おい……お主、これをどこで!
: 氷の中……じゃと?
そんな……しかしこれは……
っ、ええい! 悩むより行動じゃ!
: お主、この壊れた武器の一部を
貸してはくれまいか?
わしなら、修復できるやもしれん。
: 心配せんでも
見返りを要求したりはせん!
: むしろ逆じゃ、タダでとも言わん!
必要なら、お主のために武器も作ろう!
: 武器の一部、それも破損状態……
だのに、これほどの魅力をかもしだす
その真の姿……見てみたい!
: わしの中でくすぶり
消えかかっていた情熱が
再び燃え上がってきたのだ!
: ふふ……ふふふ!
楽しみだ、楽しみだぞ!
: おまえさんの真の姿は
一体どんなものなのか!
わくわくが止まらぬ!
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A.P.238/3/13
ジグ : ああ、○○
ちょうどいいところに来てくれた。
: 先日預かったあの壊れた武器だが……
調べてみると、あれでもまだ
一部分のようなのだ。
: つまり、同じような破損武器が
どこかにあるはず……
おそらくは……あと2個じゃな。
: 修復形を予測して、代用品での
修繕も可能だとは思うんじゃが……
あの武器の輝きが消えてしまいそうでの。
: そこで、折り入っての頼みがある。
残り2個の破損部分を見つけたら
持ってきてはくれまいか?
: よろしく頼むぞ!
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A.P.238/3/24
ジグ : おお、おお!
まさしく、これはあの武器の
一部に間違いない!
: こうしてはおれん
早速修繕作業に入らねば……
あと一つもよろしく頼む!
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A.P.238/3/25
ジグ : 見つかったのか!
おお、おお! まさしく!
これで元の状態に修繕できる!
: ありがとうよ!
○○!
あとはわしの仕事だ!
: 一体どれほどの輝きを
見せてくれるのか……
手をつける前から楽しみじゃ!
: それに、新たな武器のイメージも
ふつふつと湧いてきよるのだ!
: これほどのインスピレーション
いまだかつてあっただろうか……
いや、ない!
: あれも作りたい、これもやりたい……
修繕にも取りかかりたい……
ええい、くそっ!
: こうしちゃおれん!
わしは百二十八番艦『テミス』の
工房に戻らせてもらう!
: 破損武器の修繕が終わり次第
お主にはすぐに連絡をする。
それまでしばし、時間をくれ!
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A.P.238/3/31
ジグ : すまんな、わざわざ足労願って。
話というのはほかでもない
修繕中だった、かの破損武器のことだ。
: 結論から言おう。
アレが、アレだけが何者かに盗まれた。
そしてまだ犯人は見つかっていない。
: ……先日、工房に侵入者が入った。
おそらく、先日あったダーカー強襲の
ドタバタにつけ込んだ侵入だ。
: だが、侵入者は完成品や設計図
データ等には目もくれず
アレだけを、盗み出していった。
: ……いまだ、修繕は完璧ではない。
形こそ整っているが、アレはまだ
壊れていて、使用は不可能じゃ。
: それは一目瞭然のハズなのに
何故、わざわざアレを盗んだのか、
わしにはわからん……
: だが、だがな……
少し嫌な予感がするんじゃ。
: アレを直している時にも感じていた。
うごめくような何かの気配が
強まっている気がしてな……
: 話がそれてしまったな。
: とにかく、すまなかった。
わしを信じて預けてくれたのに
この体たらくとは……
: しかし……
あの破損武器は、一体何なのか。
侵入者はなぜあれを盗んだのか。
: ……わしには何一つわからぬ。
ただ、不気味じゃよ。
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