カトリ : ……すごいですわね。
お噂はかねがね伺っておりましたが
直に見ると、迫力が違います。
: そんな、とてもお強い
○○様に
お勧めしたいクラスがあるのです!
: 少しお話、聞いていただけません?
サガ : ……カトリ。
押し売りみたいな真似はよせ。
我々の品位に関わる。
カトリ : ちょっとサガさん。
邪魔しないでいただけます?
: 今、私は
○○様と
お話ししていますの。
サガ : ……お前の好き勝手を許すと
任務に支障が出ることは
統計的にも明らかだ。
: 同じバウンサーの試験運用役として
看過するわけにはいかん。
カトリ : はいはいわかりました。
まったく、うちのお父様のように
細かいことにうるさいんですから。
サガ : 私はサガ、彼女はカトリ。
アークスに認可された新クラス
『バウンサー』の試験運用対象だ。
カトリ : それと『バウンサー』というクラスの
広報宣伝も担当しております。
サガ : そこで、カトリは
実力者であるお前に目を付け
宣伝に利用しようと考えたようだ。
カトリ : サガさん、誤解を生む
言い方はやめていただけます?
: そんなの関係なく、私は純粋に
○○様の
実力にベタボレなだけですわ。
: ……そのままバウンサーになって
私と肩を並べて戦ってくれたら、と
考えはしましたけどね。
サガ : 『バウンサー』とは
簡単に言えば、近接戦闘を行う支援役。
: 最大の特徴は、その武装だ。
私の使う『ジェットブーツ』か……
カトリ : 私の持つ『デュアルブレード』を
主戦武装としていますわ。
サガ : クラス確立こそしたものの
データが足りないということで
我々が実戦訓練を行っている。
カトリ : ふむ、きちんと説明するということは
サガさんも、なんだかんだで
協力してほしいと思ってるのでは?
サガ : 私は試験運用役としての責務を
果たしているにすぎん。
……行くぞ、カトリ。
カトリ : はぁーい。
では○○様。
またお会いしましょうね。
|
カトリ : ○○様。
ご機嫌うるわしゅう。
: こんなところでお会いするなんて
偶然……いえ、これはもはや運命と
言っても過言ではありませんね!
サガ : ……補足をさせてもらおう。
カトリはお前を捜し回っていた。
任務に支障をきたすレベルでだ。
カトリ : さーて、こうして会えたのも何かの縁。
是非この『デュアルブレード』について
説明させてくださいな。
: 私の愛用する『デュアルブレード』は
その名の通り、二刀流の武装です。
……ツインダガーではありませんよ?
: デュアルブレードの最大の特徴は
その扱いやすさにあると思いますわ。
未熟な私でも、容易に扱えますからね。
サガ : ……自分の未熟を認識しているのは
いいことだが、宣伝に利用するな。
: デュアルブレードは
上手く立ち回りさえすれば
絶えず攻撃を出し続ける事も可能だ。
: 扱いは簡単だが、それだけではない。
慣れれば非常に強力な武装となる。
カトリ : 是非是非、貴方様も
デュアルブレードを
使ってみてくださいね。
: それで、ゆくゆくは
未熟な私をご指導いただければと
思いますわ。
サガ : ……それほどまでに
未熟を痛感しているのなら話は早い。
カトリ、今から特訓を始めるぞ。
カトリ : え? あ、いえっ、私は
特訓したいと言ったわけでは……
: ちょ、ちょっとサガさん?
冗談って言葉、ご存知ですか?
目が本気すぎやしませんか?
|
カトリ : ……こ、こんな特訓続けてたら
私、いずれ死んでしまいますわ……
: あっ○○様
すばらしいタイミングです!
どうぞちょっとこちらへ……
サガ : ……カトリ。
特訓はまだ終わっていないぞ。
カトリ : サガさん、サガさん。
特訓なんかしてる場合じゃないですよ。
: ○○様が
『ジェットブーツ』の性能について
お聞きしたいとのことですわ。
サガ : ……ずいぶんと都合のいい
タイミングだな、カトリ?
: ……まあいい。
無下にしては、任務に反する。
説明させてもらおう。
: 『ジェットブーツ』は
脚部に装備する、独特な武器だ。
: 最大の特徴は、武装自体に
テクニックをチャージすることで
属性変化や威力増加を起こせる点だ。
: ……つまり、こう見えて
ジェットブーツは法撃武器に属する。
テクニックに依存する武装だ。
: それゆえ、本来この武装については
キャストの私より、ニューマンである
カトリのほうが向いているのだが……
カトリ : ただでさえ露出多めの格好なのに
その上さらに脚を振り回すなんて
……はしたないですわ。きゃっ!
サガ : カトリは未熟が過ぎるため
とても任せられん。
カトリ : 忌憚ないご意見
ありがとうございます!
サガ : ……さて、説明はそんなところか。
試験運用役としての責務も果たした。
ではカトリ、特訓を再開するぞ。
カトリ : えっ! あ、いえ、その
ちょっと私、気分が悪くて……
サガ : 体調不良か?
そんなもの、動いているうちに
忘れさせてやろう。
カトリ : それ全然
いたわってくれてませんよね!?
|
カトリ : 死んで……死んでしまいますわ……
あの特訓お馬鹿さん、どこまで
特訓がお好きなんですの……
: ……ああ
○○様!
どうか私をお助け下さい!
サガ : ○○
気遣いは無用だ。
これはカトリの任務でもある。
: 実地での戦闘や、訓練も含めて
試験運用対象の義務だ。
最初に説明を受けただろう?
カトリ : 確かに説明は受けましたが
ここまで厳しいという話では
ありませんでしたわよ……
サガ : それはお前が未熟だからだ。
現に私は呼吸一つ乱れていない。
カトリ : ……貴方のようなフィジカルエリートと
か弱い私を同列に考えないでくださる?
サガ : だが、それでも希望したのはお前だ。
辞めるのなら、私は止めはしない。
カトリ : ……あーもうわかりました。
やればいいのでしょう、やれば。
: ○○様!
私の頑張り、見ていてくださいね!
サガ : ……あいつは呼吸をするように
弱音を吐く。
付き合えばつけあがるぞ。
: ではな。
|
カトリ : ああ、ああ。
○○様では
ありませんか。
: 今日はあの特訓お馬鹿さんとは
一緒ではありませんわ。
実は、競争中なんです。
: デュアルブレード対ジェットブーツ。
ポイント制で決着をつける
武器性能比較試験というやつですわ。
: 負けた方は勝った方の言うことを
なんでも一つだけ聞く、ということで
私、必死に奮闘しております。
: ……もっとも、私とサガさんでは
まともな勝負になりませんけどね。
私が負けるという意味で!
: だったらなぜ勝負なんて挑むのか?
当然! 勝ちたいからですわ!
: 確かに99.9%は負ける戦いですけど
勝てる可能性はゼロじゃありません。
: サガさんが特訓に夢中になっていたり
突然サボり癖を発症したり
はたまた寝坊してしまったり……
: なんらか、不測の要素が重なれば
私は勝てるかもしれないのです。
: むしろ、挑まなければいつまで経っても
勝ったり見返したり出来ないのですから
機会があれば勝負、勝負ですわ!
: そしていつか、あの鉄仮面に
ぎゃふんといわせてやるのです。
: この、カトリのプライドにかけて!
……ふふふっ、見てらっしゃいな。
: って、いけませんわ!
こうしてる間にもポイント差は
つくばかりじゃないですか!
: ○○様との
会話、名残惜しくもありますが
……私、行かねばなりません。
: それでは、ごきげんよう。
: あ、○○様
もしサガさんにお会いになったら
精一杯足止めお願いしますわねー!
|
サガ : ……お前か。
こうして私が一人の時に
会うのは初めてだな。
: 今、カトリは別行動中だ。
定期的に行っている
武器性能の比較試験のためにな。
: せっかくだから勝負形式にしたいと
彼女の方から申し出があってな。
任務に支障もないので、承諾した。
: 結果は見えているというのに
……つくづく理解しがたい。
: 理解しがたいが……
あの、何度負けても挑んでくる
根性だけは、認めてやらねばなるまい。
: カトリは未熟であり、怠惰であり
傲慢であり、浅薄であり
社会不適合者そのものだが……
: 諦めずに挑み続ける根気、という
一点だけにおいては、他の追随を
許さないのではないかと思う。
: そしてその根気は、おそらく
私達のような試験運用対象には
最も必要な素養なのだろう。
: ……でなければ、あのような落第者が
試験運用対象に選ばれたことに
説明がつかない。
: ……さて、このぐらい話せば
お前も彼女に義理を通したと
言えるのではないか。
: あの半端者の事だ。
お前に私の足止めを依頼したことなど
透けて見えている。
: その策に乗った上で
完膚無きまで勝敗を決してくれよう。
|
カトリ : はあっ……はあっ……
し、死ぬ……このままだと死ぬ……
特訓フルコースは死ねます……
サガ : 恨むのなら、勝負に余計なルールを
付け足した過去の自分を恨め。
カトリ : 一気に見返すチャンスと考えた
昔の私の浅はかさに……乾杯……
: あ、ああ、見て下さいサガさん。
○○様です
ちょっと休憩して、お話でも……
サガ : 幻だ。
カトリ : 雑な嘘つかないでください!
もし、もしもーし!
○○様!
>幻だよ
カトリ : ○○様まで
示し合わせたように雑な嘘!?
幻は応答なんてしませんわ!
サガ : 鍛錬が足りないから
そのような幻を見るのだ。
さあ、続けるぞ。
>特訓、頑張って
カトリ : ○○様まで
サガさんに感化されてる!?
そんなご無体な!
サガ : 応援されたからには
今まで以上に頑張るといい。
さあ、続けるぞ。
カトリ : つ……次は会話で足止めだけでなく
数発殴って強制転送コースで
お願いいたしますわ……
|
カトリ : ○○様ー!
会いたかったですわー!
: ○○様!
聞いてください、聞いてください。
サガさんがとにかくひどいんです。
: 休憩なしでの特訓特訓また特訓に
私のか弱い身体は、悲鳴を通り越して
死臭すら出し始めていますわ。
サガ : ……そのわりに
飛びつくぐらいの元気はあるようだな。
カトリ : これはとっておきの体力ですわ。
ああ、このまま貴方様の胸の中で
しなだれ落ちてゆきたい……
サガ : 止せ。
○○の
戦闘行為の邪魔になる。
カトリ : ほんと情緒もクソもない意見ですわね!
: あーあ、サガさんではなくて
○○様が
私のパートナーだったらよかったのに。
サガ : ……そうか。
お前が望むのであれば、仕方がない。
ならば、そのようにしてみるか。
カトリ : ……へ?
サガ : 私も自分の指導能力に限界を
感じていたところだ。
: 報告は私の方からしておく。
任務内容の変更もない。
パートナーの変更を行うだけだ。
カトリ : あ、いえ……
ちょっと、サガさん?
サガ : ○○。
中途半端な形での引き継ぎとなり
申し訳ないが、後は頼む。
カトリ : ちょっ、ちょっとお待ちになって!
サガさん、サガさん、冗談ですわ!
冗・談! おわかりですよね!
サガ : ……無理をするな、カトリ。
度重なる特訓の連続に、お前の身体は
悲鳴を上げているのだろう?
: 今まで、私の無理に
つきあわせて、すまなかったな。
カトリ : いまだかつて聞いたことない
優しい言葉!?
ぐさぐさ胸に突き刺さりますわ!
: いえ、いえいえ、まだまだいけます!
私はまだやれますわ!
むしろ、物足りないぐらいです!
サガ : ……お前はまだ、私の元で
特訓をしたいと?
カトリ : もちろんですわ!
サガ : 死ぬほど辛いぞ?
弱音を吐いても、止めんぞ?
カトリ : 覚悟の上です!
サガ : その言葉に、二言はないな。
カトリ : くどいですわ!
サガ : そうか……
: ならば容赦なく行かせてもらおう。
今までのは小手調べのようなもの。
ここからが本番だ。
: その腑抜けた性根を根本から
正すような、厳しい特訓メニューだ。
: すでに準備も済ませてある。
さあ、行くぞ。
カトリ : ……あれ?
もしかして私、のせられました?
: あっ、あの、ちょっとサガさん
もう一度落ち着いて
話し合いません……?
サガ : 二言はない、と確認したぞ。
カトリ : 世の中にはもののはずみという
言葉もあってですね……!
|
カトリ : ○○様ー!
ご無沙汰しておりました!
: まさしく生き地獄であった
辛い特訓を乗り越え、ついに私
戦場へと舞い戻ってきましたわ!
サガ : ……落第レベルから
ぎりぎり及第に上がった程度だ。
まだ特訓は終わっていないぞ。
カトリ : サガさんいちいちうるさいですね。
言われなくてもわかってますー。
: そもそも、なんでついてくるんです?
たまの休みなんですから
私のことは放っておいてくださいよ。
サガ : そうはいかん。バウンサーの
普及に悪影響を及ぼさないよう
お前を監督する義務がある。
カトリ : 清々しいくらい私信用ゼロですね!
: あーん!
○○様ー!
私を慰めてくださいー!
: ……あれ?
○○様。
どこかお身体悪くされてます?
>そんなことはない
カトリ : そうですか?
……そうですか、なら私の
勘違いですね。すみません。
>どうしてそう思ったの?
カトリ : あっ、いえ、他意があるわけではなく
なんとなく、そう思っただけでして……
気を悪くされたら、すみません。
カトリ : 私の、直感恐怖レーダーに
反応があった気がしただけです。
: そもそも、私自身が
基本、ポンコツなので
気にしないで下さいね。
: では○○様
私はサガさんを撒くために
ちょっと散歩してまいりますね!
: 今度は二人きりでお会いしましょう!
ではっ!
サガ : ……カトリはいつでも怠惰で
基本的に信用はならない奴だが……
直感だけは、確かなものがある。
: 私には何も感じ取れないが
あいつがそう言うのなら
潜在的な問題があるのかもしれん。
: ……留意はしておくといい。
ではな。
|
カトリ : ○○様ー!
お話は伺いました!
: その心中の無念さ、残念さ。
私にも痛いほどよくわかります。
: ですが、どうか諦めることなく
己の思いのままに、なすべきことを
なさってください!
: そうすれば、必ず道は開かれます!
私の経験談です! 間違いありません!
: そのためなら、不肖私
粉骨砕身の覚悟で、貴方様のお力に
なることを、ここに誓いますわ!
サガ : ……暑苦しいだろうが
カトリの言っていることは
そう間違いでもない。
: やらねば、可能性はゼロのまま。
やってみれば、可能性は生まれる。
万事、そういうものだ。
: カトリがものの役に立つかは疑問だが
私達もアークスの一員として
協力は惜しまない。
カトリ : どーん、と、大船に乗ったつもりで
私達を頼って下さいね!
○○様!
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