A.P.238/4/2
クーナ : ん? ……え、あれ、えっ?
もしかして、あたしに
話しかけてきてる?
: え、あわっ、いやっ
ちょ、ちょっと待って待って!
: なんで、あっれぇー?
: ……まあ、見つかっちゃったら
仕方がないわね。
: で、何にサインして欲しいの?
: ……は? サインが目的じゃない?
じゃあなんで、このあたしに
話しかけてきたのよ!
: 泣く子も大喜び、話題沸騰のアイドル!
クーナとは……
: ……って、まさか知らないの!?
: はー……知ってるような
知らないような的な反応は
逆に傷つくからやめてよねー?
: まっ、あなた以外は気付いてないし
あたしは暫くお忍びで楽しみたいし
このことは内緒でヨロシクね!
: そのかわり、いつでも好きな時に
サインを書いてあげる権利を
プレゼント! 一度だけね!
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クーナ : あ、こんちわ。
何、どれにサインしてほしいの?
: 違うの? じゃあそんな気安く
話しかけてこないでよ。
: ……あっ、いや、ご、ごめん!
嫌いとかそういうワケじゃないの!
バレやすくなっちゃうから!
: ……何言ってんだこいつって顔すんな。
: 周りにバレてないんじゃなくて
周りにバレないようにしてるの!
: そうしないと、このあたりに
サイン求める大行列が
出来上がっちゃうでしょ?
: ということで、話しかける時は
気をつけるように!
はい、さよなら!
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A.P.238/4/3
クーナ : ……あなたさー、シティにいるのを
よく見かけるけど、アークスとして
どのくらい活動してるの?
: ヒマ、ってわけでもなさそーだけど
よかったらあたしからの
依頼とか受けてみない?
: 心配しなくても、そんな難しいコトを
頼んだりはしないって!
: ただ純粋に、アークスとしての
あなたの力を見てみたいって
そーゆー好奇心からだし!
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A.P.238/4/4
クーナ : あーっ、もう、いらいらするー!
: ……大声あげて大丈夫なのかって?
大丈夫よ、あなた以外の誰にも
見つからないし、わかりゃしないから。
: それよりも、あー、もう!
いらいらいするのよ! まったく!
: 具体的なことを言えないのが
ことさらいらいらするー!
: あなたはさー、ストレスが
たまっちゃった時ってどうするの?
どうやって発散してる?
>任務に集中
: うわぁ……アークス精神に
満ち満ちてるんだねー。
: 戦闘だけしているってのも
なんだか味気ない感じがしない?
それが好きなことなら、いいけどさ。
>趣味に没頭
: 趣味! いいねいいね、そーゆーの!
やりたいことをやってこそ、だね!
: 一番好きなことをやるってのは
やっぱりいいことなんだよね!
: あたし? あたしはね
こーゆーときは歌うの!
声のあらん限りでね!
: ……いやいやここで
歌い始めたりはしないよ?
それぐらいの常識はあるって!
: ん、でも、それも面白いかな?
予告なしの突発ライブとか
そういうのやっちゃおうかなー。
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クーナ : やっ、こんにちは!
元気にやってるかな?
最近の調子はどう? どう?
: ……お忍びで来てるアイドルが
そんな気軽に話しかけてきていいのか
って顔すんな。口で言え。
: ふん! 別に用もなしに話しかけた
わけじゃないんだからね!
: あなたが、あたしにかまけて
アークスとしての責務を放棄してないか
チェックするための依頼をしにきたの!
: ……かまけるもなにも
勝手に話しかけられてるだけじゃん
みたいな顔すんな。
: きちんと報酬だって用意してるし
ちょーっとあなたの実力
あたしに示してみせてよね!
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A.P.238/4/10
クーナ : やっ、こんにわ。
無事に帰還したようでなにより。
: ……ははっ、いいよ。
言いたいこと、わかってるから。
気を遣う必要もない。
: お察しの通り。
『あたし』は『わたし』。
龍を追っているのは、わたしだよ。
: 休憩がてらに歌っていたら
それを見られてバレちゃうなんて……
: アイドル失格? 隠密業失格?
: まあ、どっちでもいっか!
あたし、向いてないんだろうし。
: いろいろ言いたいことはあると思う。
でも、ひとつお願いがあるの。
: このことは、内緒にしておいて!
お願い、このとーり!
>わかった、内密にする
: ふふっ、ありがと。
口約束でも、約束は約束。
なんだかすこし、ほっとしたよ。
: 正体を広めようとしても
情報は広まらずに、握り潰される。
: そして情報源が絶たれてしまう……
: これは脅しじゃなくて、本気で。
: だから、黙っていてくれると
約束してくれて、ありがとう。
>無言を貫く
: 煮え切らない反応、って当然か……
今まで騙してたワケだしね。
: でもね、このことを広めようとしても
多分無駄だよ、どこかでもみ消される。
そういう風に、なってるから。
: だから、腹立たしいだろうけど
あなたのために黙っていてほしい。
そうすれば大丈夫だから。
: ……ま、アイドルにはアイドルで
いろいろ裏の部分をあるってこと!
: アイドルの裏の姿を知ることができて
ラッキーとでも思っておけばいいのよ!
ね、そうしなさい!
: ここからいなくなったりはしないから
これからもよろしくね!
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A.P.238/4/16
クーナ : え?
あたしがアイドルをやってる理由?
: はー……あのさー、あなた
答えわかってて聞いてるでしょ?
: わかりきった事を聞く人って
嫌われちゃうんだからね。
気をつけた方が良いよー。
: それじゃ、答え合わせね。
あたしは『アイドルになれ』と
命令を受けているからやってるの。
: 幸いにも見てくれはよかったからね。
アイドル相手ならって、油断して
情報も漏れてきたりするし。
: そこで重要情報を掴んだら
もう一つの顔の出番、ってワケ。
あなたも気をつけてね!
: って、まず……
明らかに機密情報だったよね、今の。
: ……んー、なんでだろう。
あなた相手だと喋り過ぎちゃうな。
: あんまり人と話すことが
なかったからかな?
ま、黙っててくれれば問題ないよー。
: でも、さ。
最初はそんな感じでアイドルも
命令だから演じてたけど……
: あたしの歌とかで
みんなが笑ってくれるのは
なんだか嬉しいんだよね。
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A.P.238/4/17
クーナ : そういえばさー。
あなたはあたしのステージとか
見たことあるんだよね?
: 中継画像を見ただけ?
まあいいや、それでも。
: せっかくだし、感想とか
そういうの聞かせてよ!
>歌がよかった
: あ、そ、そう?
……うん、ありがと。
>動きにキレがあった
: まーねー、それがウリだし?
アークスとしても活動してるし
動きにキレがないとねー!
>よかった
: あのさー、漠然としすぎてて
何が良かったのかわからないんだけど?
>悪かった
: えー、本当に?
どこー、どこが悪かったのかなぁ?
: ……でもさ、正直な話をしてしまうと
あたしはアイドル的な事って
あんまり好きじゃないんだ。
: 感想まで聞いておいてゴメンね。
でも、なんかこう、褒められても
実感がないというか……
: あたしじゃない誰かが
そこにいる気がしてさ。
: みんなは、誰を見ているんだろうって
時々思うことがある。
: みんなが歓声を送っている
アレは誰なんだって。
: でも、歌は……歌だけは、違うかな。
声はどうあっても、あたしの口から
出てきてるものだから。
: うん、そう。歌だけはあいつも
嬉しそうに聞いてくれたし……
: 本当のあたしがどんなあたしだったのか
もうわからないけど……
歌は好きだったと、思う。
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A.P.238/4/18
クーナ : んん? あっちの状態と
ずいぶん口調が違うって?
: 同じだったらバレちゃうじゃん!
一応ここにいるのだって
お忍びモードのあたしなんだよ?
: 役割を演じるって思えば
人格はいくらでも作り出せるの!
: アイドルを演じる『あたし』!
: 始末を遂行する『わたし』。
: 演じるってのは、そういうこと!
: じゃあ、本当のあたしは
どれなんだろうね?
: ……ううん、そうじゃないか。
: 本当のあたしは、どこにあるんだろう?
ははっ……もう、忘れちゃったな。
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