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シャオ : ○○
……待っていた。
: ははっ、どうかな?
今の話し方、シオンみたいだったろう?
: ま、ぼくは彼女のコピーだから
似てて当然なんだけどね。
: でも、かたっくるしいのはなしだ。
気楽に話しかけて欲しいかな。
ぼくも、君を気軽に頼るから。
: ああっとそれより、本題だね。
君を呼び出した理由。
直接話したいこと。
: 彼女……
マトイのことについてさ。
: 単刀直入に言うと
彼女が何者なのか、わからない。
どこにも、データが存在しないんだ。
: あれだけの力を持っているのに
その存在すら記録されていない。
……これはおかしい。
: アークスのデータベースにも
シオンの記録の中にも、どこにも……
まるで、故意に消されたように、ね。
: ルーサーが抹消していたのなら
まだ納得がいったんだけど……
あいつも、彼女のことは知らなかった。
: となると、そんなことができるのは
もう1人しかいない……
: そう、シオンが消したんだ。
彼女の記録を、全て。
: 消されていたのはそれだけじゃない。
今からちょうど十年前の記録が
すべて、完全に抹消されている。
: 記録だけじゃない。
アークス全員の記憶も、消されてる。
誰も、まともに覚えていないんだ。
: サルベージも追跡調査も不可能。
不自然なほどに、完全にね。
: 十年前……皆が忘れたその時間に
きっと、何かがあるはず。
でも、消された記録は辿れない……
: だったら、見に行けばいい。
何があったのかを、直接ね。
: ○○なら
それができる。
: ……これはなにも好奇心だけで
言っているわけじゃないんだ。
: シオンはいなくなり
ルーサーは滅んだ。
これから、アークスは生まれ変わる。
: つまり、ルーサーの持っていた管制も
シオンの司っていた演算も
全て、ぼくがやらなければならない。
: これからはじまる新たなアークスの
管理と保全のために、ぼくは
可能な限り、知らなければならない。
: それがどんなに都合の悪いこと
だったとしても。
: とはいえ、好奇心があるのも事実。
ぼく自身、ぼくが生まれる前の歴史を
見てみたいって思ってるしね。
: だから、どうするかの判断は
君に任せるよ。
知らない方がいいことも、きっとある。
: それでも、協力してくれるなら
いつでも話しかけて欲しい。
ぼくはここで、君を待ってるからさ。
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シャオ : ありがとう。君ならきっと
協力してくれると思ってたよ。
: さて、そうと決まったら
さっさと動き出さないとね。
: 完全に抹消された記録の日時。
その空白の日時を見に行けば
きっと何かがわかるはずだ。
: 今までやってきた時間遡航の
応用みたいな感じだよ。
: でも、君ならきっとできる。
これまで何度も、跳んできた
君になら。
: ……もしかしたらシオンは、ここまで
見越していたのかもしれないね。
……だから、君を選んだのか。
: バックアップはぼくに任せて
君は現地へ向かって。
: 何があったのか
しっかり見届けよう。
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シャオ : ん? 十年前の時軸にいる時
どうしてあんまり喋らないのか、って?
: 理由は二つある。
……まず、一つ目は
シオンを怒らせないため。
: 十年前の記録抹消はシオンによるもの。
もしかしたら彼女にとって不都合だから
隠しているのかもしれないだろ?
: だとすると、それを暴こうとする
ぼくたちを排除にかかるかもしれない。
だから、ばれないように黙ってるのさ。
: たぶん君のことも
クラリッサからじっと見ているよ。
今は静観してくれているだけだ。
: いや、興味がないというべきかな?
ま、なんにせよ、ぼくが出ていったら
何されるかわからないよ。
: 彼女はぼくの母みたいな存在だ。
干渉しようものなら
すぐにばれちゃうだろうしね。
: あと、もう一つの理由だけど……
: んー、なんて言えばいいのかな。
……気まずいんだよ。
: 悪いことしているのを
じーっと見られているような感じで
居心地が悪いっていうかなんていうか。
: べつに悪いことしてるんじゃ
ないんだけど……
やりにくいんだよね。
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シャオ : や、○○。
慌ただしくしててすまないね。
: フォトナーの……ルーサーのせいで
アークス内の組織はがったがた。
立て直しに大忙しだよ。
: ウルクはそんなぼくの手伝いってわけ。
こっちの事情も知ってるし……
なにより驚いたり慌てたりしないから。
ウルク : まー、わたしのまわりは、ここ最近
ショッキングなことばかり起きてて
慣れたというか、なんというか……
: ……でもさー、シャオくん。
これ公表しちゃっていいの?
: アークスとフォトナーのこととか
隠されていた歴史や事実の公表とか
それこそ大混乱だと思うよ。
シャオ : 大混乱、上等じゃないか。
みんなに考えてもらうために
公表するんだからね。
: もともと、アークスは
フォトナーによって作られた
ダーカーと戦うための、駒だ。
: そこは否定しても変わらない事実だよ。
まあ、そんなことをいったら
ぼくだってシオンに作られてるしね。
: 出自は問題じゃない。
アークスに必要なのは、これからさ。
: 中のうみは出し切った。
そろそろ、アークスは本来の目的へ
目を向けないといけない。
ウルク : アークスの目的って
ダークファルスを倒すこと?
シャオ : それだけじゃ終わらない。
さらにその上、【深遠なる闇】と
呼ばれるものの、完全消滅。
: それこそが、アークスの……
フォトンを扱うものに課せられた
最大の目的だ。
ウルク : 深遠なる、闇?
それって、ダークファルスよりも
やばいやつなの?
シャオ : ダークファルスを作った存在って
言えば、わかるかな?
ウルク : ……一発でわかった。
シャオ : 【深遠なる闇】がいるかぎり
ダーカーは決して消えない。
: でも逆に言えば【深遠なる闇】さえ
なんとかすれば、ダーカーも
ダークファルスも……ってわけだ。
ウルク : じゃあ、さっさとその
【深遠なる闇】ってのを倒さないと!
で、そいつはどこにいるの?
シャオ : わからない。
ウルク : へ?
シャオ : いやいやぼくをにらまれても困るよ。
フォトナーが死力を尽くして封印した
という記録しかないんだ。
: どこにいて、どのような形をしていて
どうやったら倒せるのか。
それは目下調査中さ。
: フォトナーが堕落の果てに生み出した
破滅の意志を持つ負のフォトン。
それが【深遠なる闇】だ。
: 遥か昔に、フォトナーが死力を尽くし
その存在は封印したけど、残滓として
ダークファルスやダーカーは残った。
: そんな残滓との戦いで、これなんだ。
【深遠なる闇】そのものの力は
推して知るべし、ってところだろうね。
: すべてを終わらせるためには
そんな【深遠なる闇】そのものを
消し去るしか手はない。
ウルク : 【深遠なる闇】……
ダークファルスの上に
そんな、とんでもないのがいるんだね。
: だったら、わたしもみんなの力に
なれるよう、もっと、もーっと
がんばらないと! よーっし!
シャオ : あっ、ちょっとウルク。
まだ全部は話し終わってないよ!
……って、もう聞いてないな。
: ……まったくね。
彼女の底抜けな前向きさには
本当に救われてるよ。
: あんなふうに頑張っていれば
なんでも、なんとでもなりそうって
……理屈じゃなくて、思うんだ。
: ま、ウルクもいなくなっちゃったし
いったんここまでにしようか。
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シャオ : ああ、○○。
ちょうどいいところに。
ウルク : シャオくん、わたしたちだけで
悩んでても仕方がないよ。
他の人の意見も聞いてみない?
シャオ : ……そうだね。
今後のアークスの管理体制について
ちょっと意見を聞かせて欲しいんだ。
: ぶっちゃけると、三英雄とか
六芒均衡をどうするか、ってこと。
残すべきか、潰すべきかで迷ってる。
: 特別枠を潰してみんな横並び、って
聞こえは良いんだけど、ゆくゆくは
統制を失うんだよね。
: かといって、このままがいいと
思っているわけでもなくて……
正直、一長一短だから迷ってる。
>残した方がいい
ウルク : うーん、実はわたしも
残した方がいいって思ってる。
: だってさ、ただでさえ
いろんなことが判明したばっかりで
混乱中なわけでしょ?
: さらにその上、象徴でもあった
三英雄や六芒均衡も潰します。
なると、抑えがきかなくならない?
シャオ : アークスなら、割り切って
動いてほしいけれど……
人間的に考えれば、そうかもね。
>潰した方がいい
ウルク : うーん、潰すかぁ……
潰す、かぁ……当事者が言うなら
大丈夫なのかなあ。
シャオ : ウルクは反対?
ウルク : いや、潰した場合のメリットを
考えてみてるんだけど……
いまいちしっくりこなくてさ。
: 今、いきなり潰しちゃうと
みんなが混乱しちゃうかもなー
っていうところが、心配かな。
シャオ : まあ、確かに、ただでさえ色々と
秘密を公表していってるからね。
余計な混乱は避けるべき、か。
シャオ : そもそも、アークスという組織自体は
そこまで腐ってはいないんだよね。
トップが腐っていただけで。
: レギアスたちも、ルーサーに
脅されて従ってたようなものだし
立て直すことは、出来ると思う。
: もちろん、どういう形になるとしても
組織全体の命令系統は作り直すよ。
: とりあえずは、ぼくをトップにして
全部進めていくつもりだけど……
あんまりやりたくないんだよなぁ。
: 本当は○○
なんかがやってくれると
とっても楽なんだけどね?
: まあ、君が現場に
出られなくなっちゃうほうが
問題だから、ダメなんだよねぇ。
: あーあ、事務方に回せる非戦闘員で
こっちの事情がわかってて、ぼくに
意見できるような人材、いないかなぁ。
ウルク : シャオくん、高望みしすぎ。
最初からカンペキにこなせる人を
求めるなんて、ぜいたくすぎるよ。
: 何度も何度も失敗して、それでも
立ち上がって進むのが、わたしたち。
そうだよね?
: ど、どうしたの、二人とも。
わたし、どこかおかしい?
シャオ : ……いたね。
うってつけなのが。
: いやあ、参考になったよ
○○。
また相談に乗ってほしいな。
ウルク : え、あれ、ちょっとシャオくん?
なんで、全て解決したみたいな
スッキリ顔してるの?
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ウルク : うーん、シャオくんさあ
この前、アークスはフォトナーに
作られた存在だ、って言ったじゃない。
: フォトナーは、どうして
アークスを作ったの?
: フォトナーはフォトン使えたわけでしょ。
だったらわざわざアークスを作る必要
ないと思うんだけど。
シャオ : ……君は、雑談的なスタンスで
本質を突いてくるから怖いね。
ウルク : おやっ、珍しく褒められたのかな?
シャオ : 怖い物知らずなその発想に
呆れてるんだよ。
: まあ、答えは簡単。
フォトナーはフォトンを使えなくなり
代わりにアークスを作った、ってわけ。
ウルク : フォトンを、使えなくなった?
シャオ : そう、使えなくなったんだ。
フォトナーは【深遠なる闇】と戦い
なんとか封印することに成功した。
: ただし、その代償として
フォトナーはフォトンを扱う力を喪失。
ダーカーへの対抗策を失った。
: だから、アークスを作ったんだ。
ダーカーと代わりに戦わせるために。
: まあ、そこからアークス自体が
ルーサーに乗っ取られそうになったり
したけども、それも何とか撃破。
: そして今、てんやわんや、ってわけさ。
ご理解いただけたかな?
ウルク : ふうん……アークスがフォトナーに
作り出された人工生命体ってことは
わたしもクローンみたいなものなの?
シャオ : いいや、違うよ。
君たちには君たちの父や母がいる。
: フォトナーが試験管から作り出した
アークスは、最初の最初だけさ。
……もちろん、例外はあるけどね。
ウルク : うーん、わっかんないなぁ……
生産から何から全て管理した方が
手っ取り早いと思うんだけど?
シャオ : ……君、もしかしたらぼく以上に
リアリストなのかもしれないね。
ほんと、政治向きの思考してるよ。
: ……閑話休題。
フォトナーも、ルーサーも
突然変異に期待してたんだと思うよ。
ウルク : 突然変異?
シャオ : そう。稀に発生する才能の塊みたいな
アークスの誕生を待ってたんだ。
ヒューイやテオドールがいい例だね。
: もっとも、ニューマンなのに
フォトンを扱う才能がまったくない子も
生まれてきちゃったりするけどさ。
ウルク : あ、こっち見たでしょ。
ひっどい言われようだなあ。
シャオ : でも、それだって見ようによっては
突然変異と言えるんだよ。
: それは、コーディネートしたものからは
決して生まれてこない、自然の神秘さ。
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