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Radical   Discovery 



       ユクリータ
                   CV:伊瀬茉莉也
  元ダークファルス【若人】。
  美の女神、アウロラを身に宿す。
  行方不明になっていたアフィンの姉で、
  その記憶を失っているが、アフィンの
  必死の語りかけにより、人間に戻る。
  自分が何者なのかを見つけるため、
  アフィンとともに調査を続ける。



001. 原初の存在 (砂漠:マターボード)
002. 闇のはじまり (砂漠:マターボード)
003. フォトナーたちの所業 (地下坑道:マターボード)




 原初の存在  
 A.P.239/5/1
 アフィン : 相棒!
        こっちこっち!
      : 悪いな、わざわざ来てもらって。
        いや、ほんと、なんて説明したらいいか
        わかんなくて……
      : とにかく、見てくれよ。
        それでわかってくれるはずだから。
 ユクリータ : ……わざわざ貴方が来たの?
         まったく、どんどん話を大きくして……
 アフィン : だ、だってさあ……!
 アウロラ : あら、お客さん?
        わざわざアタシに
        会いに来てくれたのね。
      : アナタ、二人が話していた
        ○○ね。
      : はじめまして。
        アタシの名前はアウロラ。
        よろしくね。
      : ……といっても、この名前じゃ
        アナタもぴーんとこないわよね。
      : そうねえ、アナタにもわかるように
        言い直すとすれば……
      : アタシは、一番最初の【若人】。
        原初のアプレンティス、って
        ところかしら?
      : いったーい!
        何するのよ、ヤバン人!
 ユクリータ : 何が「原初のアプレンティス」よ。
         【若人】のときのことを
         ほとんど覚えてないくせに。
 アウロラ : ふん、中途半端なヤバン人に
        言われたくないわね。
 アフィン : ……な?
        わけわかんないことになってるだろ。
      : そばにいたおれはもちろん、当事者の
        ユク姉でもわけがわからないんだ。
      : 突然ユク姉の中から
        自分をアプレンティスとかいう
        生意気なちびが生まれてきて……
 ユクリータ : ……ちょっと、アフィン。
         生まれてきたとか言わないで。
         気分が悪いわ。
 アウロラ : それはこっちの台詞よ、ヤバン人。
        アナタが中途半端なせいで、アタシも
        こんな子供の状態になっちゃうし……
      : まあもっとも、若くありたいっていう
        アナタの願望は叶った形取りだし
        べつにいいんだけどね。
      : はじめに言っておくけど
        アタシにはアタシが復活した理由
        さっぱりわからないから。
      : わかっているのは、今のアタシは
        ユクちゃんと一体化しちゃってて
        切り離せない状態ってことぐらい。
 ユクリータ : ……ほんと、いい迷惑よ。
 アウロラ : またまたあ。
        悩み共有できる相手ができて
        嬉しいくせに。
      : この子たちに聞いても
        アタシ自身の記憶を辿ってもさっぱり。
        ……だから、アナタに聞きたいの。
      : アナタは、アタシがこんな風になって
        出てきちゃった理由、わからない?
      : 【若人】の中にあった
        残りかすのようなアタシが
        今このとき中途半端に形取った理由が。
    >【深遠なる闇】復活の影響?
 アウロラ : えぇー、【深遠なる闇】
        また出てきちゃってるのぉ?
    >惑星リリーパの壊世区域の影響?
 アウロラ : 壊世? なにそれ?
        【深遠なる闇】の影響?
      : えぇー、【深遠なる闇】
        また出てきちゃってるのぉ?

 ユクリータ : ……また、ってどういう意味?
 アウロラ : 言葉通りの意味よ、ユクちゃん。
        それ以上聞きたいなら、アタシの
        お願いも聞いてもらわないと。
      : ギブアンドテイクってわかる?
        今の人にはわからないかしら?
 ユクリータ : 何様のつもりよ、あんた。
 アウロラ : 昔は「女神様」って
        呼ばれたこともあるわよ?
      : せっかく復活したのだから
        この惑星を回ってみたいのよね。
      : もしかしたら
        アタシとユクちゃんと切り離す方法が
        見つかるかもしれないし。
 ユクリータ : ……ふん。
         約束は守りなさいよ。
 アフィン : ちょっとユク姉!
        シャオに報告……!
      : 相棒、報告しておいてくれるのか?
        ……何から何まで悪いな。頼む。
      : おーいユク姉、待てって!


 闇のはじまり  
 A.P.239/5/4
 アウロラ : あら、アナタ。
        また来てくれたのね、嬉しいわ。
      : ユクちゃんもそっちの坊やも
        ずっと仏頂面していてつまらないのよ。
      : この惑星もつまらなーい。
        見渡す限り、砂砂砂。さびしい惑星。
      : リリーパ、って言うんだっけ、ここ。
        んーんんんー? そんな惑星
        支配してたこと、あったかしら?
 ユクリータ : それより、答えなさい【若人】。
         さっき言ってた【深遠なる闇】が
         「また」現れたって、どういう意味よ。
 アウロラ : アプレンティスじゃない、アウロラよ。
        間違えないでよね、ユクちゃん。
      : 言葉通りの意味に決まっているじゃない。
        アタシたちフォトナーの時代に生まれた
        【深遠なる闇】のお話、知ってるわよね?
      : そう、【深遠なる闇】はアタシたち
        フォトナーが生み出したもの。
        あれが生まれた時は大変だったのよー。
      : あんなのが生まれてくるなんて想定外。
        みんなでてんやわんやして対策考えて
        なんとか封印に成功、と。
 アフィン : 封印って、あんなとんでもないのを
        どうやって封印したんだよ。
 アウロラ : んー? そうねー。
        確か、人伝に聞いた話だとー……
      : 【深遠なる闇】は
        フォトンを使う存在を敵とみなし
        どこまでも追いかけ、消そうとする。
      : だから、ある一人のひとに
        フォトンを全部押しつけて、封印した。
        【深遠なる闇】と一緒にね。
 アフィン : 一人に押しつけて、封印って……
        なんだよそれ、ほんとかよ。
 アウロラ : アタシは興味なかったし、経緯は
        よく知らないけど、懇意にしていた
        提督さんが言ってたから間違いないわ。
 ユクリータ : ……最低ね。
 アウロラ : 最低? どこが? 最良の策じゃない。
        たった一人を犠牲にするだけで
        それ以外を救えたのだから。
      : ずいぶん優等生なセリフを
        吐くじゃない、ユクちゃあん?
        元【若人】のく・せ・に。
 ユクリータ : 優等生……そうかもね。
         あたしが【若人】だったころなら
         何とも思わなかった。
       : それなのに、今は憤りすら覚える。
       : ……やっぱり、あたしは
         記憶だけじゃなく、心まで
         操られていたのね。
 アウロラ : …………
      : ……まあ封印したといっても
        その後ダークファルスにボロッボロに
        されたわけだから、説得力ないけどね。
 ユクリータ : ……まったくよ。
 アウロラ : このあたりはもう飽きちゃった。
        次の場所に行きましょ。


 フォトナーたちの所業  
 A.P.239/5/6
 アフィン : お、相棒、来てくれたんだな。
        こっちは相変わらず、あいつに
        振り回されっぱなしだよ。
      : でもまあ
        悪いことばっかりじゃないぜ。
      : ユク姉、昔のことを気にして
        みんなとの間に壁作って
        交流しようとしないからさ。
      : おれ以外の話し相手ができたことは
        いいことだと思うんだ。
      : ……まあ、なんか話というより
        口ゲンカみたいな感じだけどな。
      : そういや、おれは最近
        アークスシップに戻ってないんだけど
        そっちのほうは大丈夫なのか?
      : イオやフーリエさんから聞いたぜ。
        船の管理体制を変更するとかなんとか。
        相棒は手伝わなくていいのか?
 アウロラ : 管理体制の変更って、アタシたちの時にも
        同じようなことを言ってたわね。
      : ダメダメ。やめといた方がいいわよ。
        きっと大変なことになっちゃうから。
        これ、大先輩からの忠告。
      : そういえば、なんだかアナタからは
        シオンちゃんの香りがするわね。
      : シオンちゃん、どうしてる?
        元気?

    >シオンはもういない
 アウロラ : え、シオンちゃんいないの?
        いなくなっちゃったの?
      : コピーっぽい子がいる?
        けど、シオンちゃんはいないんでしょ。
        ……そうなんだ。
    >シャオならいる
 アウロラ : シャオ? だれそれ?
        シオンちゃんのコピー的存在?
        シオンちゃんはいなくなっちゃったの?

 アウロラ : そっか……シオンちゃん
        いなくなっちゃったんだ。
        ……そっかー。
      : シオンちゃんのコピー作っても
        それはシオンちゃんじゃないからね。
        シオンちゃんは、もういないのか……
      : あー、なんかいろいろ思い出してきた。
        アタシたちも、シオンちゃんのコピーを
        生み出そうとしてきたのよね。
      : そして、そのたびに失敗してきた。
      : これは、フォトナー文明末期の話よ。
      : フォトナーは、全宇宙に版図を広げ
        肥大化した組織の管理を任せるために
        シオンちゃんのコピーを作ろうとした。
      : 一番最初のなんか性能カンペキ。
        でも、全然制御できない失敗作で
        結局、亜空間に捨てちゃった。
 ユクリータ : 亜空間だか異次元だか知らないけど
         ゴミを捨てるかのように……
         やりたい放題すぎるわよ、あんたたち。
 アウロラ : そうね。
        アタシもそう思うわ。
      : だから罰が当たったのよ、きっと。
      : 何度も失敗を繰り返し
        ようやく制御できそうな成功作が
        できあがったと思ったら……
      : 当時のフォトナーの悪意やら
        欲望やらの影響を思いっきり
        受けちゃって……
 アフィン : ……【深遠なる闇】になった。
 アウロラ : そういうこと。
        人の欲望や悪意は、とても醜い。
        しょせん人なんて、そんなもんなのよ。
 ユクリータ : ……あんたはどうして
         そこまで知ってるの?
         全部あんたが指示したことなの?
 アウロラ : アタシが指示?
        ははっ、そんなわけないじゃない。
        アタシはそんなこと興味なかった。
      : アタシの頭にあったのはただ一つ。
        美しさを磨くことのみ。
      : 全宇宙のオトコを魅了した
        フォトナーでいちばんの美女。
        美の女神とまで言われたオンナ。
      : 軍人だって、政治家だって
        オトコなら、アタシの前では骨抜きよ。
      : アタシみたいな一夜の相手には
        愚痴や秘密をぼろぼろ漏らすの。
      : ほんと、色々聞かせてもらったわ。
        聞きたいことも、聞きたくないことも
        全部まとめてたっくさん、ね。
      : 耳を塞ぎたくなるような
        醜い権力闘争の話。
        悪意のみで構成された言葉の羅列。
      : 他人を蹴落とすことしか考えていない
        人の醜さったら……ほんと、ないわよ。
      : もっとも、アタシもアタシの
        ライバルになり得る女どもを
        蹴落とそうと必死だったんだけどね。






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