: 『オラクル』
: それは、惑星間を自由に旅する巨大な船団だ。
: その誕生と共に、外宇宙への進出が可能となり、
新たな歴史は始まった。
: そして今や、我々の活動範囲は数多の銀河に渡る。
: 行く先々で見つかった、未知の惑星には
『オラクル』内で編成された部隊……
: 『アークス』が、惑星に降下し、調査を行う。
: 『アークス』は、『オラクル』に存在する三種族からなる。
: バランスに秀でたヒューマン、
: フォトンの扱いに長けたニューマン
: 屈強な身体を持つキャスト。
: それぞれが補い合い、協力する事で、
我々『アークス』が成り立っているのだ。
: ……到着したようだな。
: これより向かう惑星はナベリウス。
: 文明は存在せず、原生生物は凶暴だ。
決して油断はするな。
: 新たに誕生する「アークス」よ。
: 今から諸君は、広大な宇宙へと第一歩を踏み出す。
: 覚悟を決め、各々のパーソナルデータを入力せよ。
: 我々は、諸君を歓迎する。
アフィン : はー、肩の凝るアリガタイお言葉だこと
みんな承知の上で来てるってのによ。
: ん、あ、おれはアフィンって言うんだ。
よろしくな、相棒!
: 何キョロキョロしてるんだよ?
相棒ってのはおまえのことだよ、相棒。
: たまたまとはいえ、同じ組になったんだ
仲良くしていこうぜ。
: それにしたって、ずいぶんと聞き心地の
いいことしか言わないんだな。
うそとまでは言わないけどよ……
>そうだな
アフィン : 十年前のアレで、ずいぶんとアークス
減っちゃったみたいだし、人材確保に
必死ってことなんだろうな。
: ま、おれはおれでやりたいことあるし
どーでもいいんだけどさ。
>何が?
アフィン : 何がって、おいおい、忘れたのか
十年前にあったアレを。
: いや……そうか。
あのことを忘れたいんだろ?
: うん、わかる。すっげーよくわかるよ
おれも忘れたいって何度も思ったし。
: よーし、わかった。
これ以上のことは何も聞かないでおく!
細かいことは気にせずに、がんばろーぜ。
ブリギッタ : 転送座標の設定終了。
アークスは順次、出撃して下さい。
アフィン : お、準備が出来たみたいだな。
初陣らしく、ぬるーい地域みたいだぜ?
まあ、気楽に行こうぜ。
A.P.238/2/20/10:30
アフィン : すげーなー、あっち向いても
こっち向いても緑だらけ。
へへ、なんだかワクワクしてきたぜ。
: とと、焦りすぎても駄目だよな。うん。
: あ、そうそう。おれたち戦闘は
初めてだし、基本的な動きとか
練習させてもらえるみたいだぜ?
アフィン : おっ、ありゃ原生種か? 元気だな。
……って、なんかこっちに来てねえ?
: ど、どう見ても、仲良くしましょうって
雰囲気じゃねえよなこれ!
相棒、やるしかないみたいだぞ!
アフィン : ふー、なんとかなったな……
とはいえ、ここから先に進んでも
同じようなコトが待ってるんだろうな。
: おれ、戦いたいってわけじゃないのに
……言ってもしゃあねえか。
指令も来てるし、先に進もうぜ。
A.P.238/2/20/11:00
アフィン : はー……一段落ってところか?
人間、慣れるもんだな。
: おまえはどうよ? 慣れた?
つっても、おれよりうまく動けてるし、
心配するだけ野暮か。
: ……おれはさ、人を探すために
アークスになったんだ。
: だから戦いのうまさとか
試験の結果とか、どーでもいいんだよな。
: ……なあ、相棒。
おまえはどうして
アークスになろうって思ったんだ?
: な、なんだあ!?
ブリギッタ : 管制よりアークス各員へ緊急連絡!
惑星ナベリウスにてコードD発令!
フォトン係数が危険域に達しています!
: 繰り返します、
惑星ナベリウスにてコードDが発令!
空間侵食を観測、出現します!
アフィン : お、おい相棒! あれ!
: 嘘だろ……何もないところから、
真っ黒い奴らが現れた……?
: それになんだよ……
この禍々しいフォトンは
: くそ……なんなんだよこいつら!
ブリギッタ : ダーカー出現を観測!
空間許容限界を超えています!
: 全アークスへ通達!
最優先命令コードによる
ダーカーへの戒厳令が下されました!
アフィン : こいつらが……ダーカー?
アークスの敵で、宇宙の敵で……
すべてを喰らい尽くすもの。
: なんでだよ! どうしてだよ!
ナベリウスにはいないはずだろ!
: 突破? 突破って……正気か相棒!
こんなにダーカーがいるってのに……
: ああもう、くそっ! わかってるよ!
それしか道がないって、おれでもわかる!
: どっか、他のチームに合流できれば、
なんとかなるかもしれねえしな……
: ええいっ! どうにでもなれっ!
アフィン : はっ……はっ……な、なんとか上手くいったな。
ここまで来れば追ってこないだろ……
: ま、まだ湧いて来やがるのかよ!
: くそっ、もうやるしかねえ!
A.P.238/2/20/11:30
アフィン : 見ろ、相棒! あそこ!
おれたちと同じ、試験生がいるぞ!
: おい、おーい、無事かー!
よかった、こっちは二人で……
: あ……ああ…………
そ、そんな……冗談だろ……
あんなにあっけなく……人が……
: はっ……はあっ……
なんでこんなにたくさん来るんだよ……
何が目的なんだよ、おまえらはっ!
ゼノ : ……いや、恐ろしいぐらいドンピシャ。
悠長なエコー置いてきて正解だったぜ。
: おい、おまえら、大丈夫か!
アフィン : せ、正規のアークス?
: 救援に来てくれたんですね!
よかった、助かった……
ゼノ : あー……うーん、なんつーか、
思ったより数がいるな、これ。
: 正直すっげえ予想外。
アフィン : え、あの……?
ちょっと、先輩、
助けに来てくれたんじゃ……?
ゼノ : おう、だから今、助けの助けを呼んどいた。
合流地点はこの先だ、突っ切るぞ。
アフィン : ちょ、ちょっ!
おれたちも戦うんですか?
ゼノ : アークスなんだから当然だろ?
ほら、お前と違って
そっちのやつはしっかり準備してるぜ?
アフィン : お、おい、相棒……
……はぁ、わかったよ、わかりました。
やるしかない、って言いたいんだろ?
ゼノ : お前、初陣にしては胆が座ってるな。
なかなか見所あるぜ……
って、んん? いや、ちょっと失礼。
: その顔、どっかで見たことあるような……
どこだったかな。
: ま、考えるのはあとでいいか。
それじゃ行くぜ、ルーキーども。
きちんとついてこいよ!
アフィン : うう……なんで初陣からこんなことに……
ゼノ : そう悲観するなよルーキー。
安心しとけって、
二人とも、俺が守ってやるからよ。
A.P.238/2/20/12:00
アフィン : うわあっ、ここにもこんなにいっぱい!
ど、どうするんすか、先輩!
ゼノ : いちいちうっせーなぁ。
道中含めりゃもっといただろうが
いい加減慣れろっての。
: さて、頃合い的にはそろそろなんだが
……あいつ、また遅刻か?
: いやあ、すまんなルーキー。
助けを呼んでおいたはずなんだが
どうもそいつが遅刻してるみたいだ。
エコー : ちょっとゼノ!
新人にいきなりマイナスイメージを
吹き込まないでよ!
ゼノ : おっ、来た来た。
おせえのが悪いんだよエコー。
それより、状況はどうなってる?
エコー : ……まだだめ。
ダーカーの数が多すぎて撹乱されてる。
本格的な帰還転送ができないみたい。
ゼノ : なるほどな。
要するに、このあたりのダーカーを
やっちまえば、脱出できるってわけか。
エコー : あたしも行こうか?
ゼノ : 大丈夫だ。
このルーキー達、結構なウデだぜ。
ともすりゃお前より強いかもな?
エコー : ……もう! 勝手にしなよ!
ゼノ : さてルーキー、最後の仕上げだ。
ここいらの奴らをブチ倒して
おしまいにするぞ。
A.P.238/2/20/12:30
??? : ……助けて。
エコー : はい、お帰りなさい。
あなたたちも大丈夫?
怪我とかしてない?
ゼノ : おいおい、俺がついてたんだぜ?
そんなヘマさせっかっての。
エコー : だから心配なんじゃない。
ごめんね、無茶ばっかさせられたと
思うけど、もう大丈夫だから。
ゼノ : ……お前な。
アフィン : あ、あの……先輩。
こちら、どなたですか?
: ていうか、おれたちたぶん
先輩の名前も聞いてない……
エコー : ……ちょっとゼノ、どういうこと?
自己紹介もしてなかったの?
ゼノ : ああ、そういや忘れてた。
いやスマン、なんだか俺のことを
知っている気がしてな。
: 改めて、俺はゼノっていうんだ。
こっちのうるさいのがエコー。
エコー : よろしくね。
あと、うるさくないからね。
アフィン : あ、おれ、アフィンっていいます。
よろしくお願いします。
: こいつは
○○。
: おれたち、アークスになったばっかで
なにがなんだかわけがわからなくて……
ゼノ : いーんだよ、細かいことは考えなくて。
そういうのは上の仕事だ。
あるいは、自分で調べろ。
: さっき出てきたのがダーカーで
俺たちアークスの不倶戴天の敵。
俺から言えるのは、そのぐらいだ。
: まー、ヘンな夢抱いたままじゃなくて
いきなり現実を知ることが
できたってのは逆によかったと思うぜ。
エコー : ちょっとゼノ、少しは考えてよ!
この子達、いきなりの実戦で
ショックを受けてるのよ?
ゼノ : そんなん慮ったところで
ダーカーと戦うって現実は
かわらねーよ。
: だったら、早めに知っておいた方がいい。
そのほうが長生きできるからな。
: おらおら、そんな辛気くさい顔するな。
お前らは生きてる。生還したんだぞ?
修了任務達成、万々歳じゃねえか!
アフィン : でも……おれたち以外の試験生が
目の前で……
ゼノ : それこそアークスにはつきものだ。
いちいち悲しんでる暇もねえよ。
: ほら、胸を張れ!
志半ばで倒れたやつらのためにもな!
アフィン : ……はい。
ゼノ : そう、それでいいぜ、アフィン。
納得できなくても、頷く気力があれば
たいていのことはなんとかなるさ。
: その悔しさを忘れるな。諦めるな。
忘れず、諦めずにいれば
いつかきっと、なんとかなる。
エコー : ……かっこいいこと言ってるように
聞こえるかも知れないけど
今の、完全に受け売りだからね。
ゼノ : おいこらエコー、ばらすな!
いいんだよ、師匠の言葉は俺の言葉だ。
エコー : 格言を勝手に作らないの!
まったく、昔から勝手ばかりして
あたしの苦労も少しは考えてよね。
ゼノ : お前の遅刻癖は俺のせいじゃないだろ。
エコー : うっ、うるさいゼノ!
ほら、もうすぐアークスシップに着くわよ!
: こら、そこのルーキーくん二人組も
笑ってないで準備しなさい!
ゼノ : さて、無事に戻ってきたことだし
ロビーでのんびりすっか!
エコー : だめ! 報告が先!
ゼノ : はいはいわーってるよ
うっせえなぁ……
: ま、そんなわけでルーキーたち
俺がお守りしてやれるのはここまでだ。
: こうやって知り合ったのも縁だろ。
何かあったら声かけてくれ。
んじゃ、またな。
エコー : がんばってね。
アフィン : ……はぁ、嵐のような人だったな。
いや、嵐のような出来事って言うのか?
なにはともあれ、疲れた。
: ここってアークスのために
用意されたロビーってとこだろ。
: ショップなんかはもちろん
休憩するための施設なんかも
あるはずだからさ……
: おれ、ちょっとロビー回って
頭を冷やしてくるよ。
: いろいろありすぎて
頭がぐっちゃぐちゃでさ。
じゃあまたな、相棒。
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