A.P.228/8/7/12:00
【若人】 : ふん、アークスの本拠といっても
所詮はこんなものなのねぇ?
ルーサー : よく言えたものだね。
ここまで侵入ってこれたのは
誰のおかげだと思っているんだい?
【若人】 : 恩の押し売りは嫌われるわよぉ。
: ……それで、あの小娘は
いったいどこなのかしらぁ?
ルーサー : 何、君がそうして暴れていれば
そのうやってくるさ。
: それじゃ、僕は失礼するよ。
ここまでのお膳立てをしたんだから
せいぜい頑張るといいよ、ウジ虫?
【若人】 : ……ふん。負け犬が
高みの見物に洒落込むとは
いらいらさせてくれるじゃなぁい。
女の子 : ぐすっ……どこぉ……
みんな、どこぉ……!
【若人】 : どうしたのかしらぁ?
こんなところに迷い込んじゃったのぉ?
女の子 : ひ……
【若人】 : その目……あの小娘に似てるわねぇ。
ナマイキな、あの小娘にぃっ!
女の子 : う……あ……
【若人】 : あらあら、もう死んじゃうのぉ?
残念だったわねぇ、お嬢ちゃん。
恨むのなら、あの小娘を恨みなさい?
: ……来たわねぇ、小娘!
クラリスクレイス : クラリッサ、どう?
クラリッサ : ……各部位の損傷以上に
未熟なため、侵食状況が深刻だ。
救う手段は皆無と判断。
クラリスクレイス : あなたとリンクして
浄化と修復を行えば、どう?
クラリッサ : ……生存可能と判断。
だが、推奨しない。
貴方の戦闘能力に支障が……
クラリスクレイス : でも、お願い。
この子とリンクして、浄化修復。
それと、行動補助による撤退よ。
クラリッサ : ……最終確認。
それは、貴方たちの命令か?
クラリスクレイス : ……違う。
これはわたしからのお願いだよ
クラリッサ。
: 大丈夫?
: よし、いい子だね。
: 闇を消し去る白錫、クラリッサ。
この子を持っていれば、安全だから
慌てずに、逃げて。
女の子 : でも……おねえちゃんは……
クラリスクレイス : ……大丈夫。
お姉ちゃんは、みんなを
守るためにいるんだから。
【若人】 : あんなゴミを守るために
武器を手放すなんて……ほんと
アークスはどうかしてるわねぇ。
: あの武器があなたの支えで
力の源だったんじゃないのぉ?
: それを手放した今
あなたは何をする気なのかしらぁ?
まさか、戦う気じゃないわよねぇ?
クラリスクレイス : みんなが泣いている、傷ついている
悲しんでいる、苦しんでいる……
: わたしがあの時
あなたにとどめを刺していれば
こんなことには、ならなかった。
: だから、今度こそ間違えずに殺す。
絶対に殺す。必ず殺す。
間違いなく、殺す。
: そう、わたしは戦いに来たんじゃない。
わたしは、あなたを殺しにきたの。
【若人】 : ……抜かせェっ!
シャオ : ……これが、十年前にあったという
ダークファルスの襲撃。
: きっと奥に彼女はいる。
進もう○○
何があったのかを、知るために。
A.P.228/8/7/12:20
シャオ : あの子が持っている
あれは……クラリッサか!?
どうしてこんなところに……
女の子 : アークスさん……?
: おねえちゃんが……
わたしにこれを貸してくれて
おねえちゃんが、ひとりで……!
: わたしはもう、大丈夫だから……
アークスさん、おねがい!
これ、もっていってあげて!
: あのおねえちゃんを、たすけてあげて!
おねがい、おねがい……!
クラリッサ : わたしは貴方に願う。
最奥にて奮闘する彼女に、力を。
……わたしを、届けて欲しい。
ルーサー : 白錫クラリッサの時限譲渡……
その情報量と加護を受けた子、か。
……面白い。
: お嬢さん、もう身体は大丈夫なのかな?
女の子 : ……だれ?
ルーサー : アークスに与する者、だよ。
: それにしても、幸運なお嬢さんだ。
こんな状況で生き残れたのは
君ぐらいのものじゃないかな?
女の子 : あたしだけ……生き残った……?
みんな、死んじゃったの……?
ルーサー : おそらくは、ね。
: お嬢さん、力が欲しくはないかい?
女の子 : ちか……ら……?
ルーサー : そう、力さ。
あのお姉ちゃんや、みんなを救うための
圧倒的な力が、欲しくないかい?
女の子 : ……ほしい。
ルーサー : 勇敢なお嬢さん。
君の名前を教えてもらえるかな?
女の子 : サラ。
A.P.228/8/7/12:40
【若人】 : そんな武装でよく粘る!
往生際が悪いわねぇ、小娘!
クラリスクレイス : ……ほんと、自分にがっかり。
: ……ほら、また失敗。
もろくて使い慣れない武器だけど
ここまでなんて……ひどいな。
【若人】 : この、小娘……
一体どれだけのポテンシャルを……
クラリスクレイス : どうしたの? チャンスなんでしょ?
もっといっぱいダーカー出しなよ。
全部殺してあげるから。
【若人】 : くっ……!
クラリスクレイス : ……ッ!
: アークスが……なんで……?
【若人】 : ふふっ……うふふっ、あはははっ!
いいわねぇ、その顔!
そういう顔が見たかったのよぉ!
: アタシの演技もなかなかでしょう?
隠してたかいがあったわぁ。
: どうかしらぁ、小娘?
これがアタシの、【若人】の能力!
魅了、って言えばわかるかしら?
: さぁて、小娘。
第二ラウンドと行きましょうか?
: ダーカー殺しのあなたは
アークスを相手に、どう立ち回るのぉ?
A.P.228/8/7/13:00
クラリスクレイス : くっ……!
【若人】 : どうしたのぉ、小娘?
攻撃しなきゃ、アタシは
殺せないわよぉ?
クラリスクレイス : うるさいっ!
アークス : うう……あうう……
【若人】 : あらあら、ひどいわねぇ。
お仲間に攻撃しちゃうなんて
ほーんと、ひとでなしなんだからぁ。
: ねぇ、あなたたちも
そう思わなぁい?
アークス : 敵だ……敵だ……
アークス : 敵から……守らないと……
クラリスクレイス : や、やめて……!
あたしはアークスを守るために……!
: うあっ!
【若人】 : ……ナマイキな目。
まだ、殺すには相応しくない目ねぇ。
: もっともっと、絶望してもらわないと
アタシが楽しくないじゃない!
クラリスクレイス : ……だめ、殺しちゃだめ。
それだけは、だめ……!
: わたしは、アークスを……
みんなを守るために……!
みんなを……!
: みんなを守る……のは、何で?
みんなって……誰?
: こんなに傷つけられて……
それなのに、わたしが守ろうとしている
みんなって……何なんだろう?
: みんなを守る……
それって、わたしの意志なのかな?
……○○。
【若人】 : なっ……!
クラリスクレイス : え……!?
: はああああああああっ!!
: はーっ、はーっ、はーっ……
……やった……!
: ○○……
……ありがとう。
A.P.228/8/7/13:20
クラリスクレイス : ……え?
>マトイ!
クラリスクレイス : ○○……?
どうして、わたしの名前を……
それに、クラリッサも……?
: それじゃあ、こっちは……?
シャオ : 君と、同じ顔……?
同じ、パラメータ……?
……そして、時間遡航の、痕跡。
: どうなってるんだ、これは……!
このダークファルスは、何なんだ!
クラリスクレイス : はは……なあんだ……
……わたし、ばかだなあ。
こんな手に、騙されちゃうなんて……
【仮面】 : ここで死ねば
安らかなる終焉を迎えられる。
……ゆっくりと、眠れ。
クラリスクレイス : ううう……ああ……
あああああーーッ!!
シャオ : 様子がおかしい……
○○!
クラリスクレイス : ……○○
あの……女の子は……?
: そっか……よかった……
う、ぐっ、ううううっ……!
シャオ : この反応は……ダーカー……
ダークファルス……?
いや、それよりもはるかに強い……!
【仮面】 : ……邪魔をするな。
彼女は、ここで死ぬべきだ。
死ぬべきなんだ……!
A.P.228/8/7/13:30
クラリスクレイス : ぐっ……う、ううっ……!
はぁ、はぁっ……! っ、ぐっ!
: 喰らってきた、ダーカーの力が
あふれて、止まらない。
抑えが、きかない……ッ!
: ……ああ、これはもう、だめだね。
どうしようもないや……
: クラリッサ、ねえクラリッサ。
お願い、手伝って……
: あなたにならわかるでしょ。
このままじゃわたしが……
わたしじゃなくなっちゃうって。
: わたしは、ダーカーを滅ぼすため
みんなを守るために生まれてきた存在。
そのために、ここにいる……っぐっ!
: だから……
わたしがダーカーになっちゃうのなら
わたしは……わたしを……
: ……消去、する。
: でも……ああ、でも、残念だな。
ほんっと、残念だなぁ。
: もっと、あなたにいろいろ
教えてもらいたかった。
いろんな話、聞いてみたかった。
: おしとやかに、かわいらしく……
そういうのも、やってみたかった。
: ああ、ああ……やっぱりだ。
知らないこと、やりたいこと
いっぱいあったんだなあ、わたし。
: ねえ、○○
: わたし、『みんな』なんて
よくわからないもの……
守れなくてもいいから……
: あなたのとなりで……
あの場所で……
: ふつうの女の子に
なってみたかったなあ…………
シャオ : なんて力の奔流……
このままじゃ……戻れなくなる!
: ……なら、無理矢理だッ!
○○!
何があるかわからない! 備えて!
シオン : ……皆を救うためだった。
わたしは彼女をそのために作った。
: 彼女もわたしの縁者として
わたしの願いに応えてくれていた。
: すべてを正すつもりだった。
彼女の力によって、ダーカーを消し
安寧の世を手に入れるはずだった。
: しかし、わたしのしたことは
一人の子を不幸にしただけだった。
……わたしは、愚かだった。
: わたしは観測者でしかない。
わたしには、何も変えられない。
変えることは、できない。
: ……これ以上は伝えられない。
わたしは、伝えることを諦める。
: ルーサーにも、誰にも、この真意と
この顛末を理解させないために……
……わたしは、全てを消す。
: わたし自身も、わたしを閉ざす。
記憶も、言葉も、なにもかもを……
……貴方が、来るまでは。
: 彼女を救えるのは、貴方だけ。
だから、わたしは貴方を待つ。
: ○○……
貴方を、待っている……
A.P.228/8/7/14:00
シャオ : ……今、見てきたのが
十年前の真実。
: 【若人】の撃退。【仮面】の襲撃。
それを経た上で、彼女は、今まで
喰らってきた闇を解き放ちかけた……
: それを止めるために、自らの手で
自らを消し去ろうとした……か。
: それと、帰還中に聞こえてきた
シオンの想い……
: 十年前の記録が全て消されていたのは
彼女のことを調べさせない以上に
……シオンが忘れたかったんだ。
: そして、マトイが十年後……
今、この時代に来てしまったのは
ぼくたちのせいだろう。
: ぼくたちの帰還に巻き込まれ
記憶と力を失って、あそこに……
: ……○○
ぼくはこれから、客観的な話をする。
怒らずに、聞いて欲しい。
: 十年前の彼女が見せた反応……
あの、身体から噴き出していた闇は
これまでのものとは違っていた。
: ダークファルスすら、比じゃない。
圧倒的なまでの、禍々しさ。
深遠にすら至るほどの、闇だ。
: 彼女がそれになる可能性があって
今、この時点ではまだ
そうなっていないというのなら……
: 今のうちに、彼女を殺しておくのは
決して悪い手段じゃないよ。
マトイ : ○○?
それに、シャオくん?
どうしたの、そんな怖い顔して。
シャオ : マトイ……
マトイ : うん?
シャオ : いいや、なんでもない。
なんでもないよ、マトイ。
もう身体は大丈夫なのかい?
マトイ : うん、フィリアさんのお墨付き。
だから○○
: 久しぶりにいろいろお話ししよう?
: わたし、もっと、もーっと
いろんな話を聞いてみたいんだ。
A.P.228/8/7/14:00
アフィン : やめようよ、ねえちゃん。
あぶないって……
ユクリータ : もう、アフィンの弱虫!
ほうっておけないでしょ!
: ……大丈夫?
|