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スクナヒメ : よく来てくれたな、二人とも。
マトイ : スクナヒメにコトシロさん!
なにが起きてるの?
コトシロ : ……黒の民が再び攻めてきた。
白の王は要撃を指示し、自らは
城の中にこもったという状況だ。
スクナヒメ : ま、逃げ出さなかっただけましじゃな。
今代の白の王は筋金入りのふぬけだ。
臆病すぎて、からかい甲斐がない。
: 白の民どもは、ただ黒の民が
攻めてきているだけと思っているが
状況はそれよりも、ちとまずい。
: 封印強化の陣を強いている最中ゆえに
このままだと『禍津』にも影響が出る。
: ……あの不気味な童としては
おそらくそれが狙いなのだろうよ。
ゆえに、思い通りにはさせん。
>手伝うよ
スクナヒメ : かかっ。
阿吽の呼吸とは、このことじゃな。
>……頑張って!
マトイ : 何言ってんの!
○○!
: ダークファルスも関係してるんだし
なにより、友達のピンチなんだよ?
わたしたちも手伝わないと!
スクナヒメ : マトイ、マトイ、わからぬか?
○○は
冗談を言っただけじゃぞ?
マトイ : え……?
…………もう!
スクナヒメ : さて、封印強化の六芒点。
陣を敷く場所はあと二つ。
一つ一つ回っている余裕はない。
: ゆえに、手分けして回りたい。
片方はわらわとコトシロ。
もう片方は、そなたらじゃ。
マトイ : えっ、でも、わたしたち
その陣の敷き方とかわからないよ?
スクナヒメ : 案ずるな、手は考えてある。
: それは、術で作ったわらわの分け身。
タマヒメ、とでも呼ぶといい。
タマヒメ : 分け身とはいえ、思考は独立しておる。
二人とも、よろしくなのじゃ。
スクナヒメ : 何かあったら、タマヒメに伝えよ。
それでわらわにも伝わっておる。
……では、行くとしよう。
タマヒメ : では、こちらも行こうかの。
我らの目的地は、こっちじゃ。
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マトイ : ねえ、タマヒメちゃん。
タマヒメ : ちゃん付けするでない。
わらわはスクナヒメと同一の存在だ。
きちんと呼び捨てにせよ。
マトイ : あっ、うん、そうだよね
ごめん、タマヒメちゃん。
タマヒメ : ……もう、よい。
して、マトイの聞きたいことは
『禍津』のことで、よいか?
マトイ : ……わ!
よくわかったね、タマヒメちゃん。
さすが、スクナヒメの分け身だね。
タマヒメ : (……悪意がないのはわかるのだが
こう立て続けだと、からかわれている
ようにも思えるのう)
: ……さて、『禍津』とは
星を滅ぼす災厄のこと。
: 嘆きと慟哭より産まれた災厄。
生の反対の意味を持つ、禍津神。
白と黒を滅ぼし、星を滅ぼすもの。
: それを鎮めるために、わらわがいる。
灰の神子、スクナヒメがな。
マトイ : 星を滅ぼす災厄。
なんだか、それだけ聞くと……
>ダークファルスみたいだ
マトイ : ……だよね。
星に封印されているっていうのも
なんだか、ダークファルスみたい。
>迷惑な神様もいたものだ
マトイ : それもそうだけど……
ダークファルスみたいって
思わない?
タマヒメ : 「だあくふぁるす」というのは
あの黒い童を指しているのか?
案ずるな、奴と『禍津』は別物だ。
: ……ただし、本質的には
似ているのかもしれんがな。
マトイ : 本質的?
タマヒメ : 規模の違いこそあれ、嘆きや悲しみなど
負の感情より生まれ出でしものは
きまって、人に牙をむく。
: 人から生まれたものであろうとも
人を滅ぼしたくなるほどに……
醜いのだろうな、負の感情とは。
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タマヒメ : ふむ、幸いにして
先乗りできたようじゃの。
マトイ : ……違う。
何か、来る!
タマヒメ : ちっ、分け身では
感知にも限度があったか!
: ○○!
マトイ! わらわの本体が来るまで
持ちこたえてくれるか!
>任せて!
マトイ : ○○の
言うとおり、わたしたちに任せて!
>自信はない
マトイ : ○○!
大丈夫、わたしも頑張るから
一緒に頑張ろう!
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マトイ : はっ……はっ……
まだ来る? きりがないね。
: ……タマヒメちゃん?
ダメ、危ないっ!
スクナヒメ : ……やれやれ、間一髪じゃ。
なんとか、間に合ったのう。
マトイ : スクナヒメ!
コトシロさんのほうは
大丈夫なの?
スクナヒメ : あちらはほぼ敵もおらなんだ。
陣を敷くのも容易だった。
: その分、こちらに敵戦力が
集中していたようじゃが……
二人のおかげで守り通せた。
: ○○
マトイ、感謝するぞ。
マトイ : そんな、いいよ。
それより、早く儀式を。
スクナヒメ : ああ、わかっておる。
【双子・女】 : 待ってたよ、このときを。
【双子・男】 : きみが来るのを、待ってたよ。
スクナヒメ : な、なんじゃっ!
何が降ってきた!?
【双子・男】 : あれ、避けられちゃった。
【双子・女】 : あら、避けられちゃった。
【双子・男】 : でも、まだまだだよね。
【双子・女】 : うん。まだまだ、逃さないよね。
シャオ : ○○!
どうなってるんだ!
君の目の前にある、この反応は……
: 十年前の……【若人】だぞ!
【若人】 : 小娘……小娘ェ……!
アタシを……馬鹿にしてェ!
マトイ : わたしのことを、知ってる……?
わたしも、この人を知ってる……?
……ぐ、うう、頭が……っ!
スクナヒメ : ……調子に乗るなよ、黒い童。
わらわの邪魔だけでなく
わらわの友を苦しめるか!
: わらわは灰の神子スクナヒメ!
この星の、神子であるぞ!
……舐めるな小童ッ!
: ……この身を代わりの楔とし
負を祓う結界、結灰陣は発動せん!
: わらわは認めぬ、拒絶する……
灰よ集え、安寧をかたどれ!
いざ万物よ、ことごとく祓われん!
スクナヒメ : ……二人とも、無事であるか?
マトイ : う、うん、おかげさまで。
ありがとう、スクナヒメ。
……でも。
スクナヒメ : そうか、わかるかマトイ。
半端な状態で封印を行ったがゆえ
『禍津』の一部が漏れ出てしまった。
: やれやれ、ここからが難儀じゃな。
久々の重労働となりそうだ。
マトイ : ごめんなさい……
わたしを、助けるために。
スクナヒメ : 友を助けるためだ。
わらわにためらいはなかったぞ。
……だから、気にするでない。
【双子・男】 : ううん、なんだかおかしかったね?
【双子・女】 : おかしいね?
アレはどうして、神子を
狙わなかったんだろう?
【双子・男】 : あの子に恨みでもあったのかな?
ちょっと面白いかも?
【双子・女】 : あの子に因縁でもあったのかな?
ちょっと面白そうかも?
【双子・男】 : でも、まあ。
今はまだいいかな。
【双子・女】 : そうだね。まだいいね。
目的は達成したし。
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