A.P.239/3/3/12:00
アフィン : ……よ、相棒。
: どうしてここに、って?
ははっ、おれは別に誰かから
話を聞いたってわけじゃないぜ。
: ただ、ここにアイツが
来そうな感じがしたから
来てみただけ。
: 相棒が来てるってことは
どうやらその予想も
当たりみたいだな。
: 来るんだろ、ここにアイツが
あの、【若人】が……
: ここを守り通していれば
アイツに会えるはず、だろ。
メルフォンシーナ : ……それで、貴方様は
【若人】に会って
どうするおつもりですか?
アフィン : あんたは、あのおっかない先輩と
いつも一緒に居た……
メルフォンシーナ : ……シーナ、とお呼びください。
それよりも、質問にお答えを。
: 【若人】と会って
貴方様は、どうするおつもりですか?
アフィン : そんなの、わかんねえよ。
わかんねえけど、会わなきゃ
ダメな気がするんだ。
: 会って、ちゃんと目を見て
言いたいことをぶつけ合って
……話をしないと、ダメなんだ。
メルフォンシーナ : ……そう、ですか。
: では、私もお供させてください。
私にも、見届けさせてください。
アフィン : ……わかった。
メルフォンシーナ : あの人は
以前の私の映し鏡のようです。
……放っておけません。
A.P.239/3/3/12:30
【若人】 : 削られたあたしの力は、どこ……?
: あっち……? それともこっち……?
……なぜ、このカラダは感じ取れない!
: 以前、力を砕かれたのは
間違いなく、この場のはずなのに!
: なぜ、あたしはあたしの力を
感じ取れないのよ……!
アフィン : ……いやがったな、ダークファルス。
いいや、ユク姉。
【若人】 : っ……! アークス……!
その不愉快な呼び方を止めなさい!
アフィン : ……止めねえよ、止めるもんか
姉ちゃんが思い出すまでは
おれは何度でも、呼び続ける!
【若人】 : ……ちっ!
アフィン : 待てよ!
: くそっ! じゃますんな!
メルフォンシーナ : 落ち着いて下さい。
あの人には、声が届いてる。
: 幻影を追い続けていた私とは、違う。
諦めなければ、きっと通じます。
アフィン : シーナさん……
>フーリエにも言われてたね
アフィン : 相棒……
へへっ、そうだな!
まだ諦めるには、早いもんな!
>諦めるなよ、相棒
アフィン : 相棒……
へへっ、そうだな!
まだ諦めるには、早いもんな!
アフィン : よっしゃ、こいつらしのいで
またユク姉を見つけ出してやる!
A.P.239/3/3/13:00
【若人】 : ……どうなってるの。
どうなってるのよ、このカラダ!
: どうして、あたしの力を感じ取れない!
このあたりに、あるはずなのに……!
アフィン : ユクリータ……姉ちゃん。
【若人】 : くどいッ!
あたしを、その名で呼ぶなッ!
: あたしは、あたしは……
十年前に、この身を奪い取った
ダークファルス【若人】だ!
アフィン : ……違う!
だったら、おれは諦めてた!
それなら諦めてたさ!
【若人】 : 何?
アフィン : 姉ちゃんは、乗っ取られも
喰われもしなかった!
真っ黒いのに、さらわれただけだ!
【若人】 : っ!?
アフィン : そうだよ、思い出せよユク姉……
……あの時、何があったのか!
A.P.228/8/7/14:10
アフィン : 姉ちゃん!
【若人】 : 力も……カラダも……足りない!
この娘を、乗っ取って……!
……はっ!?
【双子・男】 : ……ごちそうさま。
おいしかったよ、【若人】。
【双子・女】 : ダークファルスって
とってもおいしいんだね。
くせになりそう。
【双子・男】 : ……ねえ、この子、どうしようか
残りカスを引き継いでるようだけど
喰べちゃおうか?
【双子・女】 : ううん、もうお腹いっぱいだよ。
それよりこれは、面白くなると思う。
こういうのは、持って帰ろう。
【双子・男】 : そうだね、持って帰ろう。
それにしても、お腹がふくれて
暴れたくなっちゃったね。
【双子・女】 : うん、暴れたくなったね。
それじゃあちょっと
遊んでいこうか?
【双子・男】 : いいね、遊んでいこう。
腹ごなしに、もっといっぱい
たくさん殺してあげないと。
A.P.239/3/3/13:00
【若人】 : ぐ、うううっ、うううううっ、!
うるさい、うるさい黙れ!
: あたしを、惑わすなァッ!
アフィン : 待てっ、逃げんなユク姉!
おれはまだ、文句の一つも
言えてないんだぞ……!
A.P.239/3/3/13:30
【若人】 : 頭の中に響き渡る、不快な声。
これのせいで、何もわからない……
: あぁ、そうか……
あんたがいるから、あたしは惑う。
あんたさえ、いなければ……!
アフィン : なら、おれを消してみろよ。
【若人】 : 何?
アフィン : ダークファルスなら
おれをためらいなく消せるはずだろ。
: でも、あんたがユク姉なら……
そんなことは、できない。
: むやみやたらにお節介やきで
そのくせ短気で向こう見ずで
……優しかった、姉ちゃんなら。
【若人】 : ふざける……な……!
あたしは、ダークファルスだ!
ダークファルス【若人】だ!
: あんたみたいな、脆弱なアークスの
一人や二人、消し飛ばして……!
消し飛ばせる……!
: ……はず、なのに!
なんで、どうして……この手は
力を紡ごうとしないのよッ!
【双子・男】 : そりゃあそうさ、だってきみは
ニセモノなんだから。
【双子・女】 : ニセモノには、なにもできない。
探すことも、壊すことも、なにもかも。
ダーカーを操るのが、関の山。
【双子・男】 : ……あーあ、つまらないね。
しょせんは残りカスだったんだね。
【双子・女】 : うん。がっかりしちゃった。
しょせんは出来損ないだね。
【双子・男】 : 興ざめ、興ざめだよ。
だからせめて、散り際ぐらいは。
【双子・女】 : 美しく見せてほしいな。
まがいものの【若人】。
メルフォンシーナ : ……貴方は。
: ダークファルス【巨躯】……
ゼノ : ……シャオに頼まれて
押っ取り刀で駆けつけてみれば
こりゃあ、どういう状況だよ?
: ダークファルス同士の喧嘩とは
一世一代の見世物だな、おい。
【双子・男】 : ……どういうつもり、【巨躯】?
【双子・女】 : アークスに見方するつもり?
裏切るつもり?
【巨躯】 : 逆に問おう、【双子】よ。
貴様は何故、【若人】や【敗者】を
使役している?
: 否、問うだけ無駄だな。
元より我らに仲間という意識など皆無。
……故に。
: アークスもダークファルスも関係ない。
我の求める闘争、その本能に従うのみ。
我の動く理由は、それだけよ。
: そしてなによりも
我が内が、我が本能が!
貴様を殺せと、訴える!
【双子・男】 : ほんと……ダークファルスが
聞いて呆れるよ。
【双子・女】 : うん、聞いて呆れる。
きみたちみたいな混ざりもの
ダークファルスなんかじゃない。
【双子・男】 : ぼくたちの目的を忘れたの?
【深遠なる闇】の復活だよ?
【双子・女】 : わたしたちの目的を忘れたの?
【深遠なる闇】になることだよ?
【双子・男】 : そんなこともわからない
きみたちは、ダークファルスじゃない。
【双子・女】 : そんなこともわからない
きみたちは、ニセモノだ。
【双子・男】 : きみたちみたいなニセモノなんて
最初から喰べてしまえばよかったんだ。
【双子・女】 : だから、すべて死んでしまえ。
【双子・男】 : だから、すべて消えてしまえ。
ゼノ : おうおうおう、コピーどもが
ぞろぞろ出てきやがったな。
【巨躯】 : ……邪魔をするなよ、アークス。
此度の我の目標は、奴等だ。
ゼノ : はっ、笑わせんなよ【巨躯】。
そいつはアークスの仕事だぜ?
なあ○○!
: アフィン、お前は
そのねーちゃん連れて下がってな。
メルフォンシーナは……
メルフォンシーナ : ……私は、戦います。
戦わせてください、今度こそ!
【巨躯】 : ……同じ事は二度言わん。
邪魔は、するな。
メルフォンシーナ : ……っ! はい!
A.P.239/3/3/14:00
【双子・男】 : いっぱいコピーを作ってあげたら
お腹がぐーぐー減っちゃった。
【双子・女】 : うん、だからひとりぐらい
喰べちゃおう。ぱっくんと。
メルフォンシーナ : あ……っ。
【巨躯】 : ちいいっ……!
【双子・女】 : あれ、あれあれあれ?
アークスを狙ったら【巨躯】が
入ってきてくれたよ?
【双子・男】 : もうけものだね、もうけもの。
そのまま、喰っちゃおう。
【巨躯】 : 調子に乗るなよ【双子】……!
貴様の思惑ごと、消してくれるわ!
【双子・女】 : うわっ、うわわわっ!
力尽くで、空間を潰すつもり?
馬鹿なの? 馬鹿なの?
【双子・男】 : ぼくたちごと、どこかに跳ぶ気?
さっすが馬鹿だね、図抜けた馬鹿だね。
死ぬ気なの? 死ぬ気なの?
メルフォンシーナ : げ、ゲッテムハルト様っ!
【巨躯】 : 否! 断じて否!
我が名はダークファルス【巨躯】!
そのような、弱き名ではない!
: 貴様もアークスの端くれであるならば
その手に……未来を求めよ!
諦観を捨てろ! 過去に縛られるな!
: その結末を、お前は見たはずだ!
なぁ、そうだろうがよォ!
: だから、俺のようには
なるんじゃねえぞ……ディア。
メルランディア : ……はい、ゲッテムハルト様。
ゼノ : あいつ、最後に名前を呼んでたよな。
もしかして……あいつにもまだ……
メルランディア : ……いいんです、ゼノ様。
○○様。
もう、いいんです。
: ……あの方が呼んでくれた通り
私は、メルランディアです。
だからもう、いいんです。
ゼノ : ……そうか。
アフィン : ちょっ、姉ちゃん……!
【若人】 : ……触るな!
あたしは……そんなのじゃない!
: でも、あたしは……!
ダークファルスでもないのなら……
あたしは……一体、何なの?
アフィン : ユク姉ッ!
: ……はは、また逃げられちまった。
: でも、大丈夫。
おれは諦めねえよ。
いつか必ず、通じ合える。
: どこに行ってても、探し出してやるさ。
姉ちゃんは忘れてるのかもしれないけど
おれは、探し物が得意だからな。
: なにせ、いつも姉ちゃんのものを
探してやってたんだ。
: 今回も、同じ。
必ず……見つけ出してやる。
A.P.239/3/4/10:00
シャオ : 結局、リリーパに現れていた【若人】は
本物の【若人】ではなかった。
: 彼女はアフィンの姉、ユクリータ。
彼女が十年前に、死にかけた
【若人】の残滓を受け取っただけ。
: 本物の【若人】は十年前に
【双子】に喰われていた、ってわけだ。
: ……それで、アフィン。
きみはユクリータを探して
どうするつもり?
: 彼女は本物の【若人】でないとはいえ
ダークファルスの力を受け継いでいる。
アークスにとっての、敵だよ?
アフィン : 敵かどうか決めるのは
アークスじゃない。
……おれと、ユク姉だよ。
シャオ : ……そうだね。わかった。
アフィン、好きなようにやるといい。
アークスはきみの好き勝手を支えよう。
: だから、いざというときには
ちゃんとぼくたちの力を借りるように。
アフィン : わかった。
じゃあまたな、相棒。
シャオ : ダークファルスとの、対話か。
さて、どうなることやら……
マトイ : でも、わたしは信じてあげたい。
あの二人なら、きっと
わかりあえるって……
シャオ : ……そうだね。
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