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マトイ : コトシロさんは……
まだ来てない、か。
でも、大丈夫だよね、きっと。
: ……スクナヒメ、待っててね。
わたしたちも、すぐ行くから。
コトシロ : 白の王よ! 白の民よ! 聞け!
: 神子さまが黒の城へと向かわれた!
いよいよ、此度の戦にも決着がつこう!
: だが、その結末が白の民にとって
望ましいものとなる可能性は低い!
: 相手は、黒の民を喰らうほどの軍勢!
それに対し、こちらは神子さま一人!
多勢に無勢と腑抜けでもわかるはず!
: それでも、神子さまは向かわれた!
『禍津』を抑え、消耗されていてなお
一人であっても、向かわれたのだ!
: わかるか白の王! 白の民よ!
貴様たちを、守るためだ!
: 守られて当たり前? 何故だ!
守られて当然? 何故だ!
愛想を尽かされて当然だろう!
: それでも……神子さまはずっと
星を見守ってきて、今もまた
星を守るために、向かわれたのだ!
: 王よ! 白き王よ! 私は問う!
我々白の民は、伝承に何を学んだ!
: 神子さまの……ひとりぼっちの
灰の子の涙に、何を学んだのだ!
: 神と人は互いに助けあわねばならぬ。
ゆえに、守人がいるのだ。
……何故、それを忘れてしまった。
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スクナヒメ : かかっ……黒い軍勢如き
わらわの敵ではないと思っていたが
なかなかどうして、骨がある。
: しかも、こちらの嫌なことを
的確についてくる……
まっこと、腹が立つ相手よ。
: 本物でないとわかってはおるが
やはり、星の子たちと考えると
やりにくいの……
: 否、やりにくさ、ではないか……
この懐かしき寂しさは
わらわが死に、生まれたあの時だ。
: 全ての黒の民と、白の民に恨まれ
父上や母上にも拒まれた、あの時。
……懐かしいのう。
: ……ま、いかなる状況になろうとも
あの時よりは、マシじゃ。
すべてが敵となった、あの時よりは。
スクナヒメ : ○○……!
それに、マトイ!
阿呆どもが、何しに来た!
マトイ : 阿呆はこっちの台詞だよ!
友達を助けに来たに決まってるでしょ!
スクナヒメ : この……阿呆が!
そなたらの身体は限界が近い!
これ以上の負担は……!
>それもこっちの台詞だ
マトイ : ○○の
言うとおり。スクナヒメの消耗だって
人のこと言えないレベルでしょ。
>限界が近いのはどっちだ
マトイ : ○○の
言うとおり。スクナヒメの消耗だって
人のこと言えないレベルでしょ。
マトイ : 来るの、結構遅くなっちゃったのに
まだ、こんなところでまごまご
しているぐらいだもんね?
スクナヒメ : ……ちょっと見ぬ間に
言うようになったではないか、マトイ。
: な……!
灰の転移……だと!
コトシロ : ……何とか、間に合ったか。
スクナヒメ : コトシロ……
そなた、どうしてここに……
コトシロ : 白の王、秘伝の術です。
仰るとおり、臆病ではあるものの
術の腕は確かなようですね。
スクナヒメ : わらわがやつに伝授したんじゃ
そんなことは知っておる!
なぜ来たのか、と問うておるのだ!
コトシロ : 義母上を、助けに来たのです。
スクナヒメ : っ……! こ、こやつ……!
この時この場所で、その呼び方を……!
コトシロ : 義母上、白の王より伝言があります。
「我ら白の民、微力ながらも
神子様と共に在り」と。
スクナヒメ : ……あの、馬鹿王めが。
なるほど、先程から外に現れた
反応は、白の民の阿呆どもか。
コトシロ : はい。次々と送り込まれております。
戦線は、これで保たれるかと。
マトイ : じゃあ、あとは最奥にいる
【双子】を倒せば、終わりだね。
: コトシロさん。
スクナヒメを連れて、下がってて。
スクナヒメ : な、何を言うかマトイ!
わらわも行くぞ!
マトイ : そんな消耗状態でついてこられても
正直邪魔だよ?
スクナヒメ : ぐう……辛辣……!
さては置いていかれたことを
怒っておるな、そなたら……!
マトイ : それもあるけど
それだけじゃないよ。
: 【双子】は、アークスが……
○○と
わたしが倒さなきゃいけないから。
スクナヒメ : ……ええい、もう、好きにせよ!
ただし、死ぬことは許さん!
二人とも、必ず生還せよ! よいな!
マトイ : 行こう○○。
【双子】を倒すのは
わたしたち、アークスの役目だよ。
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【双子・男】 : 来たね、アークス。
【双子・女】 : 来たね、バケモノ。
【双子・男】 : まさか、脱出してくるとは
思いもしなかったよ。
【双子・女】 : うん。おかげでお腹の中
ぐっちゃぐちゃだよ。
気持ち悪くて、げーげーしそう。
【双子・男】 : あんなに苦しいのは、はじめて。
【双子・女】 : こんなに悔しいのも、はじめて。
: ……どうしたの?
なんだか静かだね。
【双子・男】 : そうだね、静かだね。
怯えさせちゃったのかな?
【双子・女】 : 戦意喪失しちゃったのかな?
戦う気が、なくなっちゃったのかな?
マトイ : なんでだろう……
わたし、こういう状況を
知っているような気がする。
: こういうときになんて言ったか
覚えてる気がする……不思議だな。
: わたしに戦う気はない。
……わたしはあなたを
殺しに来たの。
【双子・女】 : うん。おもしろいね。
その言葉、とっても面白い。
【双子・男】 : そうだね、待っててよかったね。
生まれてからここまでで
一番面白い言葉が聞けたよ。
【双子・女】 : それじゃあ。
【双子・男】 : そろそろ。
【双子】 : どっちが勝っても恨みっこなし!
バケモノ同士の殺し合い!
はじめようか、ねえっ!
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【双子】 : ふふ……はは……あははは……!
なんだ、なんだなんだ
そういうことなんだ……!
マトイ : ……何が、おかしいの。
【双子】 : これが、笑わずにいられるものか。
だって、きみたちは
アークスのつもりなんだろう?
: アークスに……ははっ
ただのアークスなんかに……
そこまでの闇が抱え込めるものか。
マトイ : うるさい……
【双子】 : 戦ってみて、やっとわかった。
【巨躯】の力や【敗者】の力が
吸われていたのも、本当なんだね。
: だから……あいつら喰べても
【深遠なる闇】に、至ることが
できなかったんだ。
: 納得納得、すごく納得だ。
それじゃ、ぼくからもごほうび。
: ……ぼくを、あげよう。
マトイ : ○○ッ!?
【双子】 : ……そっちが、来るんだ?
まあ、どっちでもいいけどね。
: そう、どっちでもよかったんだ。
きみたちが死のうが
ぼくたちが死のうが、結果は同じ。
: なんにせよ、これで完成。
これで、出来上がり……
ふふ、ふふふ、ふふふふふ……
: おめでとう、おめでとう。
おかえりなさい……
: 【深遠なる闇】
マトイ : ○○!
シャオくんの言ってた限界……!?
: だめ、だめだよ!
○○!
それは、あなたの役目じゃない!
: それは……そういうのは……
わたしが引き受けるもの!
だから……!
: ……白錫クラリッサ!
わたしに力を貸して!
: わたしの……一番大切で……
大好きなひとを、守るために!
: ○○……
: もう大丈夫、大丈夫だよ。
疲れたでしょ、ゆっくり休んで。
: ……ごめんなさい。
サラ : ○○!
マトイ!
マトイ : ああ、サラ……
○○を
よろしくお願い、できるかな?
サラ : マトイ……!
マトイ : ごめん……
シャオくんの言うとおりだった。
シャオくんが、正しかったよ。
: わたし、もうダメだと思う。
どうしようも、ないと思う。
: ……でも、いいんだ。
やりたいこと、やりたかったこと
たくさんいっぱい、できたから。
サラ : あなた、記憶が……戻って……
: ……おねえちゃん!
マトイ : ……! ああ、なあんだ。
サラ、あの時の女の子なんだね。
: ふふ、よかった……
ちゃんと、きれいになってて……
あなたのこと、心残りだったんだよ?
サラ : そんなのどうでもいいでしょ!
それより、おねえちゃんを
助けないと……!
: そのために、あたしはずっと
頑張ってきたのに……
二度も、こんなことに……!
マトイ : ……そうだね。
二回目っていうのも
辛いけど、大丈夫。
: お姉ちゃんは、あなたたちを
守るためにいるんだから。
: ○○。
ありがとう。
: ○○からは
いろいろたくさんいっぱい
大切なもの、もらったよね。
: わたしはもう十分。
十分だから……
: さようなら。
A.P.239/3/23/10:00
シャオ : ○○……
>……マトイはどこに
(セリフなし)
>……どうなったんだ
(セリフなし)
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