ダブルスポイラー 今どきの念写記者
彼女は新聞記者なのだが、外へ取材に出かける事は無かった。
何故なら彼女は念写で写真を撮り、その写真を元に記事を書いていたからである。
念写とは、はたての持っているカメラにキーワードを入れるとそれにちなんだ写真が見つかるという物だった。
はたてはそれを便利に思い、家から出る必要性を感じなくなってしまったのだ。
彼女の書く新聞、「花果子念報」は余り人気が出なかった。
それはそうだろう。彼女の書いている記事は既に何処かで聞いたことのある出来事ばかりだったのだ。
念写では情報のスピードと新鮮さに問題があったのだ。
そんな時、彼女は文の書いた「文々。新聞」に目を付けた。
「こんなに出鱈目の記事なのに、不思議と魅力があるのは何故だろう。
他の新聞とネタが被らないのは何故だろう」
彼女はその秘密を探りに文の後を付けたのだった。
彼女はそこで文の秘密を知った。
事件を記事にしているのではなく、文が事件を起こしているのだと。
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