星蓮船 毘沙門天の弟子
縁起が良い妖怪。
古くから、白蓮は毘沙門天を信仰していた。
だから、お寺に毘沙門天を召喚しようと思った。
しかし毘沙門天も忙しく、殆ど寺にいる事はなかった。
白蓮は寺の近くに昔からいた妖怪達が、怯えている事に気付く。
どうやら、毘沙門天を畏れているようだ。
やっぱり退治されてしまうのかと思っているのだろう。
毘沙門天は忙しくて寺に来られないし、妖怪達は怯えて近づかない。
そこで、白蓮は妙案を思いつく。
山で最も人格のある「まともな」妖怪を毘沙門天に紹介し、代わりに信仰を集めて貰おうと。
そこで選ばれたのが星だった。
彼女は虎の姿をした妖怪で、寺のある山では最も信頼された妖怪だった。
忙しい毘沙門天は、半ば黙認の形で彼女を弟子にした。
しかし、完全に信頼した訳ではなかった。
だから毘沙門天の手下である鼠、ナズーリンを監視役として付けた。
そんな毘沙門天の心配を余所に、彼女は何も問題を起こさなかった。
とても優秀だったのだ。しかし、彼女は優秀すぎた。
白蓮が封印された時も特に取り乱したりはせず、毘沙門天としての業務をこなしていた。
人間には自分が妖怪である事は内緒だったのだ。
後悔の念もあれど、正体を明かす事は自殺行為に等しかった。
白蓮がいなくなってから数百年経って、お寺は荒れに荒れた。
そんな彼女の元に、地底に封印された白蓮の仲間達が戻ってきたのである。
もう、後悔したくない。逃げやしない。
ムラサ達に封印を解く方法を教えた。自分は妖怪である。
白蓮を復活させる為に力を尽そうと。
「封印を解く為には、白蓮の弟様、命蓮の力が必要です。
それが残っているのは、空を飛ぶ倉、飛宝だけ……。
ムラサ、船を出して探しましょう!」
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