イオ : あっ、センパイ。
こうして二人で会うのは久々だな。
: ここのところ、アークス自体が
ずっとバタバタしてたから……
こうして会えると、ほっとする。
: ……センパイ。
今更だけど言わせてくれ。
ありがとう、って。
: アークスは、センパイの力で
救ってもらったようなものだろ?
きちんとお礼言わないと。
: それと……ごめん。
センパイのこと、何も手伝えなかった。
: センパイの前に立ちはだかることが
なかったのが、救いだけど……
ごめんなさい。
: でも、アークス全員が敵に回って……
それでも諦めなかったセンパイは
……ほんと、すごいと思う。
: おれも、センパイと一緒に戦えるよう
もっと頑張るからさ……
これからも、よろしくな。
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イオ : あ、センパイ。
: なんだかこうして二人きりで
会うのは久しぶりだな。
……なんかちょっと、嬉しいかも。
: 最近、色々な人に声かけてもらっててさ
一緒に動くことが多くなってきたんだ。
もちろん、それも悪くないんだけど……
: やっぱり、こういう一人の時間も
重要だなって、おれは思うんだ。
こうしてセンパイにも、会えるしな。
: あ……べ、別にみんなのことが
嫌いってわけじゃないぞ。
: ……まあ、時々無茶な注文に
付き合わされたりもして、大変だけど
それも含めて、楽しんでるよ。
: なんでそんなことを言うのかって?
……だってセンパイ、おれをいつも
心配そうに見てるじゃんか。
: 大丈夫だよ、センパイ。
おれはまあ、不器用だけど
それなりに上手くやってるから。
: だから、心配するだけじゃなくて
もっと頼りにしてほしい、かな。
おれだって、アークスなんだし……
: ……なんて、な。
センパイからしてみたら
おれはまだまだヒヨッコだもんな。
: そんなに頼りにしなくてもいいけど
……何か困ったら、相談してくれよ。
話ぐらいは、おれでも聞けるからさ。
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イオ : ああ、噂をすればなんとやら。
センパイも来たんだな。
マトイ : あ、○○。
今ね、イオちゃんにデューマンのことを
いろいろ聞いてたんだ。
イオ : といっても、おれから
教えられる事なんてほとんどないから
ただの雑談になっちゃってたけどな。
マトイ : ううん、それでいいの。
そういう話が聞きたかったんだもん。
: デューマンの生まれた経緯とかは
調べれば出てくることだけど
それはあくまで情報でしかないもの。
: わたしはデューマンじゃないから
自分と何が違うのか、想像はできても
体験することはできない。
: イオちゃんの経験談は
全部、わたしの知らないこと。
どんな些細なことでも、面白いよ。
イオ : ……センパイも大概変わり者だけど
一緒にいるマトイさんも
やっぱり変わってるな。
マトイ : え、そうかな?
イオ : ま、おれも変わり者だし
そういうほうが好きだから
全然構わないんだけどさ。
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イオ : センパイ……
……だいたいの話は聞いてるよ。
: マトイさんがいなくなった理由も
それまでの経緯も、さ。
: ……なあセンパイ。
誰かのために戦う、って
どういう気持ちなんだろうな。
: 前に、マトイさんと話した時
口癖みたいによく言ってたんだ。
みんなのために、って。
: そのときのおれには
よく、わからなかったし
……今でも、わからないままだ。
: ……でも、センパイの顔を見て
わかったこともある。
: そうやって残される側って
とっても、腹が立つんだな。
: 当時者でないおれですら
一言言ってやりたい気分なんだ。
センパイならなおさら、だろ?
: だからさ、がつんと
言ってやろうぜ、センパイ。
マトイさんを怒ってやらないと。
: 勝手にいなくなるな
勝手に満足するな、って。
こんな結末、認めないって……
: おれはイヤだよ、こんな結末。
……おれは、イヤだ。
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