Sponsor





Radical   Discovery 



       シオン
                   CV:緒方恵美
  母なる海、知識そのもの。
  フォトナーたちは、惑星である彼女を
  包んで移動する船団オラクルを作った。
  全知を利用せんとするルーサーを阻止
  するため、プレイヤーを中枢に導き、
  データをシャオへ移すことに成功。
  自らは消えて清算することを選んだ。



001-012. EP1
013. 違えた道の行き先は
014. 動き出す明日への意志
015. 忘却の彼方に在り
016. 淵にきらめく光は希望
017. 未来を迎えるため
018. 清算




 違えた道の行き先は  
 A.P.238/5/1
 シオン : ……よく、来てくれた。
       今、この時軸上で起こっている
       改変事象について話が……
 ルーサー : ……僕の分析によると
        このあたりかな。
      : 聞こえているかな、シオン。
        ようやく僕もここまで理解できたよ。
      : いろいろと動いてるみたいだね。
        デューマンなんて新種族
        僕の予定にはなかったよ。
      : 歴史への介入、なのかな?
        ……面白いことをするね。
      : まあ、だからといって僕は
        怒ったりなんかしないよ?
        君に嫌われたくないからね。
      : ……ははっ、流石にまだ
        君の姿を見るには至らないか。
      : 僕は君の理解者で
        ありたいんだけど……
        君はまだ、そうでもないようだ。
      : あまり君の機嫌を
        損ねたくもないからね。
        今日はこれで失礼するよ。
      : どうだろうか?
        彼女は聞いていてくれたかな?
      : 君にも感謝しなければならないね。
        君のおかげで、僕は彼女を
        ここまで理解できたんだから。
      : なぜ彼女がそんなことをするのか
        それまではわからないが……
        一つになったときの楽しみにしよう。
      : 僕の名はルーサー。
        君たちに研究室と呼ばれている。
        ……虚空機関の総長さ。
      : それでは、また会おう。
 シオン : 彼にわたしの姿は見えていない。
       私の声すら、届いてはいない。
       しかし、彼はわたしを認識している。
     : あれの存在こそが
       わたしが貴方に全てを託す理由だ。
     : 彼との因縁に
       けりをつけなければならない。
     : ……しかし
       彼が歪んでしまったのも
       また、わたしが存在したからだ。
     : 原初の好奇を、わたしは後悔する。
       そして、貴方に依存しなければ
       ならないことも……

 クーナ : あれが、ルーサー
       ……フォトナーの、長。
 カスラ : 正しくフォトナーと呼べるのは
       もう彼だけでしょうから
       まあ、間違ってはいませんね。
     : 他のは全て、フォトナーになりたいと
       願う研究者が、背伸びして
       そう言っているだけにすぎない……
     : 巨躯の封印解除に、造龍の離反。
       目論見のズレが目立って苛立ったか
       とうとう姿を見せてきましたね。
     : しかし、最初の接触相手が
       あの人とは……
       どういう因果なのでしょうね。
 クーナ : ……そんなのどうでもいい。
       わたしは、わたしとハドレッドの
       運命を狂わせた相手を討つだけ。
 カスラ : クーナさん。
       ○○さんが
       鍵です。わかっていますね。
 クーナ : わたしはわたしのやり方で、戦います。
       貴方と馴れ合うつもりはありませんよ。
       六芒均衡……いえ、三英雄カスラ。
     : それより、貴方の方こそ
       わかっているんでしょうね。
 カスラ : ええ、わかっていますよクーナさん。
       全てが終わったら、この首、この命
       好きなように扱ってください。
     : そういう契約ですからね。
       貴方にもそれだけのリスクを
       背負わせていますし、約束は守ります。
 クーナ : ……気に入らない。
       全てを受け入れているようなその顔。
       貴方の目的は、何なんですか。
 カスラ : 今のところは、貴方と同じですよ。
 クーナ : ……ふん、

 カスラ : 従順なのはここまでです。
       ルーサー、貴様だけは……


 動き出す明日への意志  
 A.P.238/5/11
 シオン : ……ついに、来たようだ。
 マトイ : ○○……
       ごめん、驚かせちゃって。
     : 最近のあなた
       深刻そうな顔をしてたから
       気になって……
     : ……そちらの人は、誰?

    >見えるの?
     : うん、
       えっと……
       見えちゃいけない人、だった?
    >……誰もいないよ
     : そういわれても……
       白衣を着たひと、いるよ?

 シオン : 彼女が私を認識できることは
       問題ない。
       彼女は、ルーサーとは違う。
     : 貴方と同じように
       彼女もわたしとの縁を持つ存在。
       わたしが見えるのも当然だ。
 マトイ : ……なんだろう
       貴方のこと、知らないはずなのに
       すごく懐かしい感じが、する。
 シオン : 今はまだ、考えなくていい。
       時期が来れば、自ずと導かれる。
 マトイ : ……そう、なの?
       でも、きっと貴方がそういうのなら
       そうなんだよね、うん。
 シオン : また、私を信じてくれるか?
       ……まだ、わたしを信じてくれるか?
 マトイ : ……うん。信じるよ。
       ○○が
       信じているひとだもんね。
 シオン : 貴方に、感謝を
       あの時、あの場所で彼女を
       救い出したからこそ、今がある。
     : そしてその行為は、時を経て
       未来をつなぐ鍵となる。
       あとは、かの創世器のみ……
     : だが、それよりも
       そんなことよりも……
     : 感謝する。
       彼女を、助けてくれたことを。
 マトイ : そこにいるような、いないような
       ……とっても、不思議なひと。
     : でも、あったかい感じだった。
       あなたに初めて会ったときみたい。
     : きっと貴方は今、大変なことをしてて
       これからも大変なんだと思う。
     : でも、忘れないでね。
       わたしは、貴方を信じているし
       どんなことがあっても一緒にいるから。


 忘却の彼方に在り  
 A.P.238/5/27
 マトイ : あ、○○。
       あなたも来たんだね。
       うん、わたしもちょっと会いたくて。
     : ……でも、ちょっと
       シオンさんの様子がヘンなの。
       辛そうというか……苦しそう。
 シオン : ……わたしは、時に思うことがある。
       何もせずに、流れのままに任せた方が
       あるいは良かったのではないか、と。
     : 貴方や彼女に対し、辛苦をかけ続ける
       この行為の意味は何なのか。
     : 原初の邂逅まで遡り、それ自体を
       なかったことにするのが
       最良の解決なのではないか。
     : ……わたしたちは観ている。
       その解決は間違いであることを。
       しかしそれでも、思わずにはいられない。
     : もし、全てをなかったことにしていれば
       あるいは皆、何事に怯えることもなく
       自然のままに生きられたのでは、と……
 マトイ : ……それは、違うよ。
     : だって、あなたが導いてくれなければ
       わたしは助からなかったんでしょう?
     : ○○と
       出会うことができなかったんでしょ?
     : わたしは感謝しているよ。
       わたしとこの人を巡り合わせて
       くれたのは、あなたなんだから。
     : そこまでに、辛いことや苦しいことが
       いっぱいあったのかもしれないけど……
       それでも、感謝してる。
     : だから、苦しまないで……
       あなたの選んだ道はきっと
       みんなの幸せにつながってるから。
 シオン : ……ありがとう。


 淵にきらめく光は希望  
 A.P.238/6/12
 ルーサー : いい加減やめないか、シオン。
        無駄な行為は君に似合わないよ。
      : オラクルも、アークスもすべて
        僕の手の内にあるんだし
        それに君自身だって……
 シオン : この世に無駄なことなどないと
       わたしに説いたのはひとだ。
       そこからわたしたちは、始まった。
 ルーサー : まあ、いいけどね。
        イレギュラーはあればあるほど
        おもしろい。
      : 過程を楽しむ。
        それこそ、長い時を生きるものの
        楽しみであり、特権だからさ。
      : いろいろ動いているみたいだね。
        方々から報告は聞いているよ。
      : 邪魔はしないさ、好きにするといい。
        そのほうが退屈しないし、面白い。
      : 長い永い人生には、刺激が必要だ。
        ねえ、きみたちもそう思うだろう?
 シオン : ルーサーはすでに人ではない。
       しかし、人であることを
       忘れてもいない。
     : ……物事を、楽しみすぎる。
       元々は人であったが故に
       退屈を何よりも恐れている。
     : それが強さでもあり、弱さでもある。
       つけ込むべきは、そこだろう。
     : わたしならば、そう動くはず。
       わたしたちも、そう考えている。
       だから、間違いはないはずだ。
     : あなたは、信じて進むといい。
       目指した先に道は生まれる。
       皆が望んだ、新しい道が。


 未来を迎えるため  
 A.P.238/6/29
 シオン : ……ひとつ、昔話を聞いて欲しい。
       おろかな『もの』と
       おろかな『ひと』の話だ。
     : 全てを識っている存在だった『もの』と
       全てに興味を持つ存在だった『ひと』が
       出会ってしまったことが、始まりだ。
     : 『もの』は、『ひと』の望むがままに
       知恵と知識を与えた。
     : それは『もの』にとっては
       些末な知識であったが
       『ひと』はそれを礎に進化を遂げた。
     : 『ひと』は『もの』の
       好奇心を刺激した。
     : 全てを識ってなお、理解できない
       『ひと』の心に、『もの』は惹かれた。
     : そうして、『もの』と『ひと』は
       隣人となった。
     : 相互に望む物を与え続ける存在として
       長い永い繁栄を続けていた。
     : 『ひと』は貪欲でありながら怠惰だ。
       楽をするために、全ての力を注ぐ。
       ありとあらゆる知恵を絞りつくす。
     : その思考の動きはユニークであり
       観るには楽しくもある、が……
       甘く観すぎた。
     : その怠惰が作りあげた物が
       やがて崩壊をまねくと識りながら
       『もの』は、『ひと』に伝えなかった。
     : その結果が、『ひと』をどう変えるか。
       それを観たいと思ったがために……
     : おろかなのは『ひと』ではない。
       識りながらそれを伝えなかった
       わたしこそが、おろかなのだ。
     : ……心配はいらない。
       出会ったことは、嬉しいこと。
       それは、かけがえのないことだ。
     : でなければ、わたしは今こうして
       貴方たちと話すこともできなかった。
       今のこの場は存在し得なかった。
     : かつての人たちはこう言っていた。
       「未来はわからないから楽しい」と。
       わたしも今ならばそう思う。


 清算  
 A.P.238/7/7
 シオン : ……○○。
       聞こえているか、わたしだ。
     : ついにこの時が来た。
       過去を清算するべき時が。
     : 彼女……マトイのところへ。
     : ……待っている。
       わたしとわたしたちは
       貴方たちによる清算を。






(C)SEGA PHANTASY STAR ONLINE 2