Radical   Discovery 



  
宮人とよむ里人もゆめ


  「みやひとの あゆひのこすず おちにきと
          みやひととよむ さとひともゆめ」

                    ── 『古事記』 下巻



  「ごめんくださいな」
 小鈴 「いらっしゃ……あれ?」
  「ふ〜ん、煙々羅ねぇ」
 小鈴 「いつの間に店内に──」
  「幻想郷には不都合な妖怪だわ。何故だか貴方に判るかしら?」
 小鈴 「え、いえ、その」
  「私たちは本来の意味での妖怪では無いから。
    実体を手に入れ、不思議性を除去された生物に過ぎない。
    実体をもたない妖怪は幻想郷の均衡を脅かす」
 小鈴 「私たちって──、貴方、まさか!」
  「でも、だからこそ好都合。
    そうね。次はこれの封印でも解いてもらおうかしら」
 小鈴 「『目目連』……?」
  「さて、何の不思議も無い幻想の生き物が居ます。
    貴方は恐怖に怯える? それとも滑稽に感じて笑い出す?
    巫女よりも里の人間の方が、ずっとしたたかね」

 小鈴 「ちょ、ちょっと待って!
     ……き、消えた──。
     ──やっぱり妖怪だよね。だって怪しかったし……
     ……大変! 霊夢さんに報告しないと!」



宮人の 足結の小鈴 落ちにきと 宮人とよむ 里人もゆめ
  (宮人は小さな出来事ですぐに騒ぎ出すが、
     かと言って里人もそれに釣られてはならない)

                            ── 大前小前宿禰