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断金の交わり

                      ── 『易経』 繋辞上伝

  「同志を得る、先には泣き、後には笑う。
    良き関係を得ればこそ、心から笑えるのよ」




 天子 「なかなか良い場所ね。ちょっと埃っぽいけど」
 パチェ 「……貴方も、ここでは天気を変えられない」
 天子 「ふふふ。それはどうかしら」
 パチェ 「冗談よ。今日は少し喘息の調子が悪いの。
       うちの門番は、桃狩りも出来ないのかしらね」
 天子 「クランベリーの狩り方なら、私も知ってるわよ」
 パチェ 「貴方を取り巻くは、水天の黒。
       貴方を潰すなら、炒った豆よりも玄米が適している」
 天子 「調子が悪いんじゃなかったの?
      まあいいや。新しい魔法とやらを見せてもらうわよ」

 天子 「桃狩りは秋の象徴。金が水に勝てると思うな」
 パチェ 「むきゅー」
 天子 「それにしても、これだけの大図書館を自由に使えるなんて、
      貴方と館主は、余程の信頼で結ばれているのね」
 パチェ 「悪魔と魔女の契約は、海より深いから」
 天子断金の交わりとはこのことね。
      一人往く道は、しばしば周囲からの誤解を招くが、
      二人心を同じくすれば、その力は金をも断ち、
      その言葉は蘭のごとく香りを放つ。良き主従よ」
 パチェ 「で、貴方はその金に凝結する水と」
 天子 「金は水を潰すのではなく、生み出すの。
      ここは面白そうだし、ちょくちょく寄らせてもらうわよ」



ふたり心を同じくすれば、その力は金をも断つ。
その言葉は、蘭のごとく香りを放つ。

                    ── 『易経』 繋辞上伝


孫策と周瑜(シュウユ)は、兄弟の契りを交わし、
信義を同じくして、金をも断ちきるほどだった。

                    ── 『呉書』 江表伝