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君子は器ならず

                       ── 『論語』 為政篇

  「物を入れるだけでは駄目。
    入ってきた物を、どう使うかなのよ」




 霊夢 「あんたも暇なのねぇ、最近入り浸りじゃない」
 天子 「暇なのが仕事なのよ。
      みんな忙しい方が良いから、私が暇な役を買ってるの」
 霊夢 「はあ、参拝客は来ないし、お寺の縁日は人気だし、
      来ると言ったらあんただし、どうしたもんかしら」
 天子 「神社の不人気は、貴方の資質に問題があるんじゃないの?
      たとえば、地に足ついてないところとか……」
 霊夢 「浮いてるあんたに言われてもねぇ。
      あんたは、私のことをどう思う?」

 天子 「うーん、器かな?」
 霊夢 「器? 何よそれ」
 天子 「器物(道具)は用途が決まってるでしょ?
      鍋は煮炊きの器、靴は保護の器。巫女は神の器。
      本当に信仰心を集めたいのなら、器のままでは無理だわ。
      『器』を使いこなせる『人』にならないとね。君子は器ならず
 霊夢 「器ねぇ……懐なら寒いけど」
 天子 「大きすぎて冷えてるだけよ。
      貴方は器としては最高なんだから。器としては」
 霊夢 「何それ、褒めてんの?」



子曰く、君子は器ならず。

                    ── 『論語』 為政篇


 弟子の子貢が言った。
「先生、私の御批評をお願いします」
「お前は器だよ」
「器、ですか?」
「瑚lだよ」

                    ── 『論語』 公冶長篇