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招かれざる客

                       ── 『易経』 需卦

  「これを敬すれば終には吉なり。
    神との交渉は、日常の中で突然始まる」




 咲夜 「大きな桃がどんぶらこ」
 天子 「おっと、気づかれたか」
 咲夜 「どこかの誰かさんみたいなこと言わないの。
     残念だけど、鬼退治の時間は訪れない。永遠にね」
 天子 「順番、逆じゃない?」
 咲夜 「桃を切って人が出てくるわけがないじゃない」
 天子 「その常識が、お前を悪魔の犬たらしめている証拠よ。
     桃という神を見抜いた老婆。喋る犬を信じた翁。
     大きな富を手にする者は、みな神との交渉に応じている」
 咲夜 「貴方は牛頭天王?」
 天子 「貴方は蘇民将来」
 咲夜 「そう、何泊でもしていきな。墓なら空きが沢山あってよ!」

 咲夜 「うう、強い……」
 天子 「さあさ、きびだんごをお食べ〜」
 咲夜 「最近、貴方も何処にでも現れるわね。
     貴方みたいに突然現れて、変なこと言って去っていく奴、
     もう一人知ってるわ。貴方、きっと監視されてるわよ」
 天子 「ああ、そいつこそが牛頭天王よ」



思いがけずに訪れた人に対して、
敬虔な心をもって接すれば、
最終的には良い結果となる。

              ── 『易経』 需卦