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霜を履みて堅氷至る
── 『易経』 坤卦
「兆は微かにしてまず現る。
杞憂と退けたそれ、本当に大丈夫?」
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天子 「貴方が出てくると判りやすいわねぇ」
レティ 「私の季節がやってきたわ〜」
天子 「噂で聞いたけど、外の世界はもう判らないらしいわよ。
急に寒くなったり、夏が終わらなかったりするんだって」
レティ 「それって、くろまくが居るんじゃない?」
天子 「もちろん。必ず何処かに原因があるわ。
霜を履(ふ)みて堅氷至る。季節外れかどうかは関係ない。
大きな変化は、小さな変化の積み重ねで起きるもの。
尊大になった人間は、小さな事に目が届かなくなったのね」
レティ 「そうじゃなくて〜」
天子 「……ああ、異変ってこと?」
レティ 「私だったら、寒波も一発よ」
天子 「異変だって、突然起きるわけじゃないわ。
天女がどれだけ動いても、人間は地震なんて知らんぷり。
巫女だって異変が起きるまで動かなかった。鈍感ね」
レティ 「外の世界を馬鹿にできないね」
天子 「うーん、幻想郷も同じなのね。
でも、外の世界よりは賢いわよ。
貴方がここに居るのが、何よりの証拠」
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霜は陰のはじめて凝るなり。
その道を馴致すれば、堅氷に至る。
── 『易経』 坤卦
兆しを知るのは、それこそ神のようなものだ。
君子は目上の人と交わるにも親しくするが、へつらわない。
目下の人と交わるにも親しくはするが、侮らない。
このような態度でいるから、君子は兆しを知る。
小さな動きの中に兆しを見て、すぐに対策ができる。
── 『易経』 繋辞下伝
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