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小人閑居して不善を為す

                       ── 『礼記』 大学篇

  「小人閑居して不善を為す。
    誰の目が無くとも、天はお前を見逃さない」




 天子 「ねえ、何してるの?」
 魔理沙 「お……何だお前か。ご覧の通りだぜ」
 天子 「ふーん。私には泥棒のようにしか見えないけど」
 魔理沙 「失礼な。私は本を借りに来たんだ」
 天子 「それで、こんな裏口から入ろうとしているのね」
 魔理沙 「ここは兎の目が厳しくてな。
       でもここが裏口だなんて、お前の決め付けでしか無いだろう?
       ここは正面だ。私を拒まない、開かれた扉がここにある。
       だから私は正面口から堂々と入る。本を借りに来ただけだからな」

 天子 「君子独りして必ず慎むが、小人閑居して不善を為す。
      お前は他人の目が無いと、すぐに悪い事を考えてしまうね。
      独りで居るときも変わらず慎み深く。それが君子の備えだよ」
 魔理沙 「君子? 何だそれ美味いのか?」
 天子 「でも、貴方は普段から変わらなさそうね……。
      こんな大胆な泥棒は、お天道様もびっくりだよ」
 魔理沙 「だから本を借りに来ただけだって。
       お前も、暇潰してないで仕事でも探せよ」
 天子 「暇を持て余すと、ろくなことをしない。
      いつから、この言葉はそんな意味になったのかなぁ」
 魔理沙 「紫に『楽をするな』って言われたからな。
       私はあえて茨の道を行くのだ」
 天子 「まあ、貴方の場合、独りのときの方が善行を積んでそうね。
      良いのよ? もっと自分を出して」



君子は独りでいる時に必ず慎み深くするが、
小人は他人の目がないと悪い事をする。

                       ── 『礼記』 大学篇