Radical   Discovery 



  
虎の尾を踏む

                       ── 『書経』 君牙篇

  「虎の尾も踏まれっぱなしじゃ、
    いつ怒れば良いのか判らないわ」




 天子 「まーた弱いものいじめして」
 チルノ 「なんだよ、あたいはカエルと遊んでやってるの」
 天子 「もう春も近いんだから、貴方も見の程を弁えなさい。
      そろそろ大蝦蟇様も、冬眠から目覚める頃よ」
 チルノ 「あたいに適う奴なんていないよ!」
 天子 「妖精は恐れない」
 チルノ 「最強だからね」
 天子 「すぐ忘れちゃうから、何を恐れていたのかも判らない。
      うーん、たしかに最強かもしれない」
 チルノ 「なにをー! やるかー!」
 天子 「やりません。それより貴方、自分の足下を見てみなさい」
 チルノ 「……うわわっ!」

 天子虎の尾を踏む氷精、春の氷を突き破る。
      明日には、天狗の良いネタにされそうね」



周の穆王は、自らの地位を、こう言い表した。
「虎の尾を踏み、春の氷を渉るが如し」

                       ── 『書経』 君牙篇