ウルク : やっ、○○
見てくれたかな?
アークスシップの新しい装いを。
: これ、わたしプロデュースなんだ。
やっぱ、リフレッシュというなら
見た目から変えていかないとね!
: 次はなにやっちゃおうかなー?
あれもいいなー、これもいいなー。
テオドール : ……アークスの設備や運営について
シャオ君から一任されてからは
ウルクはずっとこんな感じですよ。
: 権限を越えないレベルでやりたい放題。
毎度毎度付き合わされるこっちは
もうくたくたです。
>大変だね
テオドール : はは、まったくです。
……でも、彼女は笑ってるから
これでいいんだと思います。
>楽しそうだね
テオドール : そう見えますか?
……そうですね。彼女も笑ってるし
きっと、これでいいんだと思います。
テオドール : 笑っている彼女と一緒にいれば
……僕も、楽しいですからね。
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テオドール : ○○さん
どうも。
: ウルクは今、アークスシップ内の
設備改良について相談に行ってます。
: そろそろ戻ってくるとは思いますが……
多分、その後もすぐにどこかへ
飛び出して行っちゃうと思いますよ。
: なにせ、今の彼女は
水を得た魚のように
生き生きしてますからね。
ウルク : なになに二人とも、わたしの話?
でもごめん、次の予定も決まってて
資料整理とかしなきゃいけないの!
テオドール : ……そういうと思って
資料はもう整理しておいたよ。
医療チームの稼働状況についてでしょ?
ウルク : おっ、さすが!
察しがいいねテオ!
: 福利厚生をきちんとするのも重要だけど
それを支えるチームのフォローも
しっかりやらないと、だからね!
テオドール : そうやって、みんなのために
頑張るのはいいけど、過労とかに
なったらどうするの?
ウルク : んー……過労かあ……
テオやあなたは、今のわたしが
倒れそうって思う?
>まったく思わない
テオドール : ……まあ、実はぼくも
同じ意見なんですけど。
>ちょっと危ないかな?
テオドール : ……うーん、ぼくの見立てだと
まだ大丈夫なようには
見えますけど。
ウルク : なら、まだ大丈夫でしょ。
: 確かに、わたしはちょっと
無理しちゃうことが多いけど
テオが大丈夫と思うなら、大丈夫だよ。
: 逆に、二人が「危ない!」って思ったら
わたしもしっかり休むからさ。
それまでは、頑張らせてほしいかな。
: だから、テオも
○○も
わたしのこと、ちゃんと見ててよね?
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テオドール : ……あ
○○さん。
奇遇ですね、こんなところで。
: 僕はちょっと、自主的に
調査していることがありまして。
ここならあるいは、って……
マリア : ……残念だけど、ここにも
アンタが望んでいるような情報は
ないみたいだよ、テオドール。
テオドール : ……マリアさん。
僕が望んでいる情報を
ご存じなんですか?
マリア : 大方、デューマンからニューマンに
戻るための方法、とかだろう?
そんなの、目を見りゃわかるよ。
: いいじゃないか、デューマン。
死ぬわけでもないんだし、能力も高い。
一体何が不満なんだい?
テオドール : ……ウルクが、時々寂しそうに
僕を見るんですよ。
: 僕がニューマンのときには
見せなかったような、顔で。
マリア : アークスのえぐい真実を知っても
顔色一つ変えなかった
あの嬢ちゃんが……ねえ。
テオドール : それに……ほら、僕は
他のデューマンの人とは違う
後天的な存在ですから……
: やっぱり、その……みんな
不気味なんじゃないかな、って。
マリア : ……はー、なるほど。
その後ろ向きさを見切ってるんだね
あの嬢ちゃんは……
: おいテオドール。
キャストがどうやって
生まれてるか、知ってるかい?
テオドール : ……え、それは
生まれつき身体の弱い子を
生き残らせるために……
マリア : はー……アンタバカか。
フォトナーが、その程度の理由で
新しい種族を作るわけないだろ。
: 確かに、身体の弱いヤツのために
利用することもあるだろうが……
それも才能があればこそ、だ。
: 基本的には、生来のフォトンの才に
身体が耐えきれないヤツが
キャストに、なってるんだよ。
: アークスが、遺伝子レベルで
身体を弄くり回されているのは
周知の事実。
: 時々、というか結構な割合で
とんでもない才能を持った子供も
生まれてきてたんだよ。
: その才能が強すぎて、身体の方が
持ちそうにないって子供もたくさんね。
: だから、肉体が耐えきれないと
わかった時点で、機械の身体に
移し替えて、才能を効率的に利用する。
: 肉体を移し替えることで
多少、才能の減衰はあっても
戦力になるのなら、それでよし。
: ……それがキャストの始まりだ。
わかるだろ? これだって
やってるのは後天的な種族変更だ。
: さて、ここで質問その2だ。
テオドール、アンタ、アタシら
キャストを不気味に思うかい?
テオドール : ……いえ。
そんなことは、まったく。
マリア : なら、アンタも同じだ。
だからもう気にするんじゃない。
: あの嬢ちゃんはね、アンタが
そんなことでウジウジしてるから
ずっと心配してるんだよ。
: そんなくだらないことを
気にしてるヒマがあるなら
あの嬢ちゃんのそばにいてやりな。
: 身体がどれだけ強かろうが
才能がどれだけあろうが
結局の所、心が一番重要なんだ。
: わかったね?
わかったなら、駆け足で戻る!
マリア : ……ああいう、ウジウジとしてて
女心を解さないヤツを見てると
どうしても、説教したくなるね。
: ま、アタシの知る
最大最強の朴念仁に比べれば
まだまだ全然マシってところだけど。
: 誰のことかって?
……さてね、それはアンタの
想像にお任せするよ。
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テオドール : あ、どうも、こんにちは。
○○さん。
……すみませんが、声は控えめで。
: もう少しだけ
寝かせておいてあげたいんです。
: 部屋に戻って寝ればいいのに
「誰か相談に来るかもしれない」って
言って聞かなくて……
: それで、ちょっと目を離したら
このとおり、ですからね。
: やることを決めたら、一切迷わずに
突っ走ってみせる。
ほんと、昔から変わらないですよ……
: ……時々、申し訳なくなるんです。
僕の弱気が、彼女の足かせに
なってるんじゃないか、って。
: 彼女は、僕にあわせるために
何か我慢をしてしまってるんじゃ
ないか、って……
>そんなことはない
ウルク : ……なるほど、テオは
そんなことを考えてたんだね。
>直接聞いてみればいい
ウルク : ……なるほど、テオは
そんなことを考えてたんだね。
テオドール : って、う、ウルク!?
いつから起きてたの!?
ウルク : ……わりと最初から。
くっだらないこと考えてるなーって
心の中でため息つきながら聞いてたよ。
: 我慢するのなんて当たり前じゃん?
テオはわたしじゃないんだし
わたしだって、テオじゃないもの。
: いろいろ我慢しながらも
それ以上に一緒にいたいって思うから
一緒にいるんだよ? わかる?
テオドール : それぐらいは、わかってるけど……
ウルク : いーや全然わかってないね。
そんなわかってないテオのために
もっとはっきり言ってあげよう。
: わたしはね、テオと
一緒にいたいから、一緒にいるの。
: よろしい? わかる?
これ以上のことを女の子に
言わせたら失格だよ?
テオドール : ……う、うん。
十分、わかった。
ウルク : まったくー、あんまり
人前で恥ずかしいこと
言わせないでよ。ねえ?
: ……ま、一番我慢してたのは
今さっきなんだけどさ。
テオドール : え? ウルク、何か言った?
ウルク : なーんでーもなーいでーす!
さ、テオ、行くよー!
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