A.P.239/2/28
ゼノ : ……十年前の話?
なんだよ藪から棒に。
まあいいや、えーっと……
: 十年前と言えば、あれだな。
オレが師匠に出会った頃だな。
いやー、師匠はすごかったぞ……
>じっと見つめる
ゼノ : ……ああもう、わーってるよ。
ちゃんと話すからそう見つめるな。
師匠に睨まれてるみたいだ。
>メルランディアの名を出す
ゼノ : ……その名前
本人から聞いたのか?
つまりは、そっちの話か。
ゼノ : つっても、十年前の話ねえ……
: おっ、ちょうどいいところに
おいエコー、エコーちょっと来い。
エコー : 何よ、ゼノ。
あたし、やらなきゃいけない
事務手続きがあるんだから、手短にね。
ゼノ : お前さ、十年前のこと
何か覚えてるか?
エコー : 十年前のこと?
ゼノは研修をよくサボってて
怒られまくってたわね。
ゼノ : なんでそういう余計な事ばっかり
覚えてるんだよお前は。
ま、いいや、サンキュな。
エコー : はいはい。
今度の打ち合わせはサボらないでよ。
きみもゼノを反面教師にしてね。
ゼノ : ま、十年前の記憶なんてあんなもんだ。
正直、オレもよく覚えてないぜ。
こう、霞がかかってる感じでな。
: ただ、忘れられないこともある。
オレと、ゲッテムハルトにとって
絶対に忘れられないことだ。
: 十年前に現れたダークファルスと
一度交戦してるんだよ、オレたちは。
市民救助の手伝い中に、な。
: つっても、当時のオレは狙撃担当。
正直言えば、一番安全な場所にいた。
: ……そこで、仲間が倒れていくのを
見ていることしか、できなかった。
: 結局、生き残ったのはオレと
ゲッテムハルト、それに当時まだ
子供だった、メルフォンシーナさ。
: ……あ、そうか。
お前さんはもう聞いてるんだよな。
メルランディアって言った方がいいか。
: ゲッテムハルトと、戦場に迷い込んだ
メルランディアを逃がすため
姉のメルフォンシーナが犠牲になった。
: あとは、知っての通りさ。
オレは銃を捨てた。ゲッテムハルトは
おかしくなっちまった。
: そして、メルランディアは
メルフォンシーナになろうとした。
: 以上、先輩の過去語りでした。
ちゃんちゃん、ってな。
面白くもなんともない話だろ?
: ん? その時対峙した
ダークファルスについて?
: ……そう簡単に忘れやしねえよ。
すさまじい威圧感の、バケモノだ。
: 子供みたいな容姿をして
ふざけた振るまいしてたくせに……
尋常じゃなかったぜ、あれは。
: どうしてそんなびっくりしてるんだ?
子供の格好をしたダークファルスなんて
いまさらだろ?
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