Radical Discovery - 比那名居天子の故事名言 - 異端










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異端

                     ── 『論語』 為政

  「異端をおさむるは害あるのみ?
    その忌避こそが真理を阻む限界よ」



 天子:あら、こんなところまで珍しい。
 妹紅:おや天人、珍しいのはお互い様だ。
    ここは河童の遊び場さ。貴方も下手に歩かないほうが良いよ。
 天子:最近、貴方が山をうろついているのは知ってるよ。
    もっと上まで来れば、幻想郷を一望できるのに。
 妹紅:そうしたいのは山々だけど、手続きが沢山いるんだ。
    貴方も知っているだろうが、ここは私が私になった山だ。
    禁忌に触れて、私は人間からも妖怪からも外れてしまった。
    今はここまで来ては、水の流れに罪を流しているだけさ。
 天子:ははぁ、心の手続きね。
    貴方はもっと、異端であることを誇りなさい。
 妹紅:……また突拍子もないことを言い出すな。
 天子:異端である特権は、まさに異端であることそのものよ。
    人妖の理から外れた者を異端視する歴史に揉まれて、
    本当に長く苦しんだことでしょう。
    それでも巫女は、幻想郷は貴方を受け入れた。
    貴方にしか立ち向かえない問題があるし、
    貴方にしか明らかにできない事がある。違う?
 妹紅:普通なら憤慨していたところだが、
    貴方にそう言われると、また話は違う。
    全く、無駄な貫禄だけは一級天人だな。
 天子:不良天人とでも言いたげね。
 妹紅:普通じゃないってことさ。
 天子:普通って何かしらね。
    でもそう。私は普通じゃないから、私なの。
 妹紅:ありがとう。私はきっと、この世界を一望してみせるよ。




異端を攻むるは、斯れ害のみ。

                    ── 『論語』 為政