神霊廟 - 東風谷早苗 Stage... 1 2 3 4 5 6 Ex
STAGE 1 死してなお、愉しく 夜桜の冥界
桜に紛れて漂う幽かな神霊は一体なんなのだろう
神霊は死ぬ寸前でのみ活性化する
早苗:冥界って生きた人間がホイホイ入って良かったのかしら。
幽々子:あらあらお客様? ちょっとまってね。お茶の用意をしてくるから。
早苗:いえいえお構いなく。で、用件ですが。
幽々子:夜分失礼します、くらいは言っても良いんじゃないの?
早苗:突然、神霊が湧いて出るようになったのですが、それについて何か知っている事はありませんか?
幽々子:んー、神霊ねぇ。神霊について何か知りたいの?
早苗:よろしくお願いします。
幽々子:だったら勝負よ! 私を倒してみせなさい!
幽々子:じゃあ、神霊の何について知りたいの?
早苗:(戦う必要があったのかしら?)
幽々子:何か?
早苗:いや、まあなんで急に現れたのか、霊に詳しい人なら判るかなと。
幽々子:神社で有効利用したいのね?
私にも判らないわ。霊は霊でもお寺の墓地に集まっていく神霊の事なんて。
早苗:え?
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STAGE 2 門前の妖怪、習わぬ経を読む 命蓮寺参道
亡霊の不思議な導きで命蓮寺墓地を目指す
そこに待ち受けていた者は神霊と関係あるのだろうか
早苗:さっき朝のおつとめをしている方を倒して来ちゃいましたが……まだみんな寝ているでしょうし問題ない、か!
響子:問題あるよ! 人間だと思って油断してたわ。
早苗:あ、大丈夫だったんですね。良かった良かった。それにしてもお寺の朝は早いんですね。
響子:まあね。これも勤行(ごんぎょう)なのよ。お陰でそらでお経を唱える事が出来る様になったわ。
早苗:それは良かったですね。
響子:ついでに人間を襲うのも勤行のうち。
早苗:え?
響子:人間の悲鳴でお寺の朝を迎えるの! 素敵ね!
響子:やーらーれーたー!
早苗:何という大声……!
響子:不肖ヤマビコ、まだまだ修行が足りないわ!
早苗:あのー。
響子:何?
早苗:もしかして妖怪さんでした?
響子:え?
早苗:良かったー。僧侶と戦っているのかと思ってたから。
響子:(本気でこれがお坊さんの勤行だと思ってたのかしら?)
早苗:さてと、お寺の墓地って言ってたわよね。行ってみましょう。
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STAGE 3 直線の楽園 命蓮寺墓地
墓地に潜む者、それは人か幽鬼か妖怪か
皆が神霊と呼ぶこの霊は何故墓地に湧く?
早苗:あら、貴方は……。
小傘:あ、良いところに来たわね。この先に見た事のない奴が番をしているのー。
そいつにいくら撃ち込んでも、いつもタイムオーバーで負けるんだ。ねえ、何とかしてよ〜。お願い。
早苗:あら? 妖怪同士の喧嘩かしら。丁度良いわ! まとめて倒してあげる!
早苗:小傘さんが言っていた妖怪って何処に居るのかしら? そもそも妖怪なのかしら? 相手が人間だったら嫌ねぇ。
芳香:ちーかよーるなー! これから先はお前達が入って良い場所ではない!
早苗:来た!
芳香:我々は崇高な霊廟を守るために生み出された戦士(キョンシー)である。
早苗:キョ、キョンシー?
芳香:そうだ。やんごとなき霊魂に命を吹き込まれたのだ。
早苗:知ってます見てました。テンテン可愛かったですよね。
芳香:何の話だ?
早苗:そうかー、キョンシーって最近聞かないと思っていたら幻想郷(こんなところ)に居たのねー。
芳香:何の話か判らないが、我々を知っているのなら判るだろう!
我々の弾幕でやられれば、お前もキョンシーになるのだ!
芳香:ぐあぁぁあぁ! やーらーれーたー。
早苗:(今日は断末魔を聞く事が多いわね)
芳香:しかし、この世に生がある限りゾンビは滅せぬ。
早苗:あー。あーでもねー。
芳香:何?
早苗:キョンシーは既に幻想だけど、ゾンビは人気者ですよ?
芳香:それは良かった。気分が良いぞ、何用だ?
早苗:ここを通してくださる?
芳香:仕方が無い。ちょっとだけ眠りにつくぞ。
早苗:……さようなら。今度こそ永遠の眠りになると良いですね。
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STAGE 4 加速する嗜欲 夢殿大祀廟の洞窟
神霊はか細き光の筋となり洞窟の奥を目指す
それはこの世の物とは思えない光景だった
早苗:出来たばっかのお寺の下から、こんな異教の施設が……? 不穏だわー。
青娥:いらっしゃい。あら、貴方は人間のようね。
早苗:貴方はさっき……。
青娥:この先は大道士の霊廟です。異教の人間が立ち入るような場所じゃないわ。
早苗:あらら、道士って事は、さっきのキョンシーは貴方の?
青娥:察しが良いですね。あの娘、いま何処にいるのかしら?
早苗:(やっつけちゃった……どう報告しよう)
芳香:おはよう!
青娥:あら、すぐ隣に居たなんて。
早苗:あれ? 生きてたの?
青娥:死体は死なないのよ。素敵でしょ?
さあさあ、もう一戦交えます? 廟に集まる神霊を吸収したこの娘と。
早苗:あ、え、出来れば遠慮したいのですが。
青娥:残念でした。この娘も怨みがあるみたいですし。
青娥:見事だわ。貴方、普通の人間じゃ無いわね。
早苗:判りますー?
青娥:で、貴方みたいな人間が大祀廟に何か用かしら?
早苗:んーと。何が起こっているんですか?
青娥:え? そ、そうね。もうすぐ凄いお方が目を覚ますの。
この霊達は、そのお方の威光に惹かれて自ら集まってきてるのよ。
早苗:はあそうですか。
青娥:そんな話を聞きたいんじゃなくて?
早苗:よく呑み込めていないのですが。取り敢えずこの扉の先に行ってみましょうか。
青娥:そう、改宗します? 貴方ならいい仙人になれますよ?
早苗:うーん、仙人にはなりたくないです。
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STAGE 5 隠然たるモノの血 夢殿大祀廟
扉の向こうには巨大な遺構が隠されていた
ここに何が眠るのか神霊達は知っているのだろうか
早苗:幻想郷は不思議よねー。まだまだこんな建物が埋もれているなんて。
布都:ああ、ついにこの日が来たのか。
我が復活を祝福する者よ、何者ぞ。
早苗:あ、人が居た。
布都:何者かと訊いておる。
早苗:ええ、幻想郷で神様をしております傍ら、巫女の真似事もしております。
布都:神様だと? そうか、我を天界に迎え入れようというのだな? 一度死んでみた甲斐があったというものだ。
早苗:いえ、そんなつもりはないですが。
布都:……では何用だ?。
早苗:それが私にもよく判らないのですが、何となく不穏な空気でしたので、ちょっと様子を見に……。
布都:迷い子という訳だな?
良いだろう。その迷い断ち切ってやろう。物部の秘術と道教の融合、おぬしで試してみるか!
布都:くっ! おぬしは何者だ?
早苗:ですから、神様をしております傍ら……。
布都:まあいい。我が復活した理由が判ったよ。
凶悪な敵の存在が近衛兵たる我を目覚めさせた。そういうことだろう?
早苗:凶悪な敵、って失礼ね。というかさー、この神霊達は何なの? それを調べてるのよ。
布都:神霊だと……?
む、おぬしの周りを漂っているのは……低俗霊か!?
これはもしや……太子様が復活なされているのだな! こうしてはおられまい。失礼するぞ。
早苗:あのー。中に入っても良いんですかー?入っちゃえ入っちゃえ。
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LAST STAGE 和を以て貴しと為す 神霊廟
太陽に集まった神霊はまるで星空のようだった
静かにその者の声が発せられるのを待っていた
早苗:凄い数の神霊が……。さっきの人は低俗霊って言っていたわね。……うーん。
さっきの人の名前が物部(もののべ)、ねぇ。どっかで聞いた事があるような……。
神子:物部氏は滅んだわ。私はその場に立ち会ったことがあるもの。
早苗:!?
神子:昔、物部氏と私は宗教的な理由により対立していてね。それは神道と仏教の対立でした。表向きは……。
早苗:何の話?
神子:私は仏教派、と言われている筈ですが、それは私が用意した嘘の話。
早苗:あのー、どちら様でしょう?
神子:私は豊聡耳神子(とよさとみみのみこ)。人は私を聖徳王と呼ぶわ。
早苗:聖徳、王!? あの旧一万円札の?
神子:(いつの時代の話かしら?)
早苗:……なる程、判ったわ!
この神霊は大きな信仰に繋がると思ってましたが、貴方みたいな伝説の人が復活すれば、そりゃ、勝手に集まりますよねー。
ってそれじゃあ、私の信仰に不利じゃん。
神子:君から欲が溢れ出ているわね。私は君と戦う理由は無い。『和を以て貴しと為す』です。
早苗:でもまあ折角ここまで来たのに、手ぶらで帰るのはちょっと……。
神子:判っています。君の心の欲を見れば言葉など無用。私と戦い、打ち勝って功績を上げたいのでしょう?
早苗:ええ、まあ、でも。
神子:気にしなくてよい。私の復活にもそれが有利になるのです。
早苗:?
神子:さあ私を倒して見せよ。それがこの世に和をもたらすのだ!
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EXTRA STAGE 反逆ののろしを上げろ! 命蓮寺
神子の復活で聖なる者の力が強く成り過ぎた!
今こそ妖怪は反逆を仕掛けなければならない!
ぬえ:あーあ、あんな奴ら復活させちゃってさ。今、妖怪界隈は大騒ぎだよ。
だから妖怪の切り札を呼び寄せた。お前はここで終わりだがな!
早苗:妖怪の切り札ねぇ。ガシャドクロかしら?
マミゾウ:そんな骨じゃないぞい。おぬしは何じゃ? 博麗の巫女か?
早苗:違います。一緒にしないで下さい。
マミゾウ:おおすまんのう。巫女っぽい格好に見えたんで。
早苗:貴方がぬえさんが呼んだという妖怪の切り札なの?
マミゾウ:いかにもそうじゃ。儂は佐渡の二ッ岩じゃ。
儂が来たからには聖人の好きにはさせんて。って、だからおぬしは何じゃ。
早苗:えーっと、私は幻想郷で巫女をしています早苗を申します。
信仰を集めようと思って、妖怪退治をしています。
マミゾウ:変わった奴よのう。妖怪の前でそんな事言うなんて。ならばいっちょ揉んでやるか。
早苗:私もそのつもりでした。化け狸さん。
マミゾウ:ふぉっふぉっふぉ。その余裕、いつまで持つかな。
さあ、弾幕変化十番勝負! 始めようじゃないか!
マミゾウ:おほん、ぅおっほん。ちょっと休憩させてくれんかのう。
早苗:私も休憩したいです。
マミゾウ:それにしても、おぬし強いのう。
早苗:そうでしょそうでしょ?
マミゾウ:儂は、この国の三分の一くらい(の狸)を統べる力を持っていたんじゃ。
それももう昔話か。こんな人間に負けてしまうなんてのう。
ぬえの奴は買いかぶっていたが本当はどんなもんだか……。
早苗:……。あのー、ちょっといいですか?
マミゾウ:なんじゃ。捕まえて鍋にでもするのか?
早苗:いやそんな野蛮な料理は食べたくないですが、弱気になってどうするのですか!
そんな自分が年寄りだと思い込んでいるから駄目なんですよ。ファイト!
マミゾウ:いや、まあその、しゃべり方は口癖であって年寄りだとは思っていないんじゃが。
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