EPISODE 霧の湖
鈴仙 「湖の上なら、少しは妖精が少ないみたいね」
??? 「そうは問屋が、」
チルノ 「凍死するよ!」
鈴仙 「そうでもないみたい。結局、妖精は騒ぎ放題ね」
チルノ 「こんなに花が咲いているんだもん。60年に一度のお祭りさ!」
鈴仙 「妖精が暴れ回るのも仕方がないわ。
この異変は恐怖も感じないし、おかしいもの」
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EPISODE 妖怪獣道
鈴仙 「何処に向かえばよいのやら、
この辺は人攫いが多いって聞いたけど……」
??? 「すすめ〜すすめ〜」
ミスティア 「兵隊すすめ〜♪」
鈴仙 「人攫いの正体は貴方ね」
ミスティア 「兎は攫っても面白くな〜い」
鈴仙 「音の波長を調整すれば……
ほら貴方の声なんて聞こえなくなりました」
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EPISODE 幽明結界
鈴仙 「風が気持ちいいわ。体に染みついた花の匂いも取れそう」
??? 「ああ、聞き慣れない音が〜」
リリカ 「あなたが発する音は波長が独特すぎて頭が痛くなりそうよ」
鈴仙 「なんかよく分からないけど失礼ね」
リリカ 「光の波長を弄れば幻視。音の波長を弄れば幻聴なのよ〜」
鈴仙 「あー、五月蠅かった。
雲の上なら妖精も少なくて静かだと思ったのに」
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EPISODE 白玉楼階段
鈴仙 「ここに来るのは初めてね……」
??? 「誰かしら」
妖夢 「あら、随分と早くお亡くなりになったことで」
鈴仙 「死んでないってば」
妖夢 「死にに来たのかしら」
鈴仙 「ここの花は普通なんですね……何か意味があるのかしら」
鈴仙 「折角だから倒してみたけど、深い意味は無いですよ」
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EPISODE 迷いの竹林
鈴仙 「あの子は何処に行ったのかしら?
良く勝手にどっかに行っちゃうんだから」
??? 「兎西向きゃ尾は東〜」
てゐ 「って、ああ!」
鈴仙 「見つけたわ。勝手にほっつき歩いて何をしていたの!」
てゐ 「いやまぁほら……逃げ出した兎を追っていたの」
鈴仙 「嘘おっしゃい。どうせ花を見て浮かれていたんでしょ?」
鈴仙 「花のことは私に任せて、貴方はお家で大人しくしていなさい」
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EPISODE 迷いの竹林
鈴仙 「竹林ですら花だらけね」
??? 「そうやって花を見ているところを見ると、」
霊夢 「どうやらあんたも探っているみたいね」
鈴仙 「何を?花の異変の事?
さっぱり見当付かないからねぇ」
霊夢 「でも、私はもしかしたら判ったかも知れない」
鈴仙 「そう、私が勝ったから貴方の情報を頂くわ」
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EPISODE 迷いの竹林
鈴仙 「竹の花かぁ、そういえば前に咲いたのは
何時の話だったかしら。思い出せない……」
??? 「竹の花かぁ」
魔理沙 「天然物が一斉に咲いたのは初めて見るぜ」
鈴仙 「それは、60年に一度と言われているのですから」
魔理沙 「長生きしないとな」
鈴仙 「ここは私達の土地。地の利がある私に勝てるはずが無い」
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EPISODE 6 幻草原
鈴仙 「花も一斉に咲くと、風流でも何でもないわね」
??? 「あら、これはこれで面白いのよ」
咲夜 「植物を使ったお菓子やお茶なんかも作り放題だし」
鈴仙 「そう、植物を使った毒薬も作り放題ね」
咲夜 「そうそう、使い放題ね」
鈴仙 「毒性のある花も少なくないわね。
これは異変とは関係ないと思うけど」
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EPISODE 7 無名の丘
鈴仙 「あらこんなところに鈴蘭が咲いているなんて、
家に帰ったら師匠に教えるわ」
??? 「鈴蘭の毒は心の毒」
メディスン 「毒薬でも作るつもりなのかしら?」
鈴仙 「誰?毒薬も作ると思うけど」
メディスン 「私はメディスン。ここに住んでいるの」
鈴仙 「こんな毒の強いところに住んでいるなんて、
そういうマニアかなんかなのね」
メディスン 「肉体に何で毒が効くか判る?
それはね。躰は毒の命令で動いているからよ。
毒も少量のうちは、命令通りに動く。
でも大量の毒を喰らうと、命令が暴走して自滅していく。
躰は毒で出来ていると言っても過言ではないわ」
鈴仙 「そうなんですか。その辺は私の師匠の方が詳しそうですが」
メディスン 「生きているだけで罪だとよく言われるのは、
躰が毒で出来ているからなのよ。
だから私は穢れのない生を手に入れた!」
鈴仙 「はあ、それはどういう事でしょう?
……ってどんどん具合が悪くなってきたかも」
メディスン 「私は捨てられた人形。ここは毒が充満した丘。
毒の躰を持っていない人形に毒は効かないのさ!」
鈴仙 「早くここから脱出しないと……」
メディスン 「あいたたた、もー。貴方は何をしにここに来たの?」
鈴仙 「さあ、花の咲いている場所を順に辿っていただけなんですけど」
メディスン 「ここの鈴蘭は渡しませんよ?」
鈴仙 「色々花を見ているうちに、異変なんてどうでも良くなってきたわ……」
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EPISODE 8 再思の道
鈴仙 「ここもまた……毒のある花が咲いているわね。
さっきの人形が言っていたように躰が毒ならば、
毒のある花は躰を意味する……のかもしれないわ」
??? 「こら!まだまだ死ぬには早すぎる!」
鈴仙 「誰か居たの?」
小町 「あたいは三途の川の一級案内人、小野塚の小町。
ここ無縁塚は、お前みたいな自ら命を絶とうという
愚か者が良く来て困るよ」
鈴仙 「誰が死にたがりですか。
私は花が咲いている場所を辿っているだけです」
小町 「無縁塚の花なんて……って、彼岸花が咲いている?
あー?何でー?季節はどうなっちゃったのー」
鈴仙 「今は一応春です。貴方は異変に気が付いてなかったのですか?」
小町 「そ、そう。じゃ、あたいは忙しいのでこれにて」
鈴仙 「待て、なんか知ってそうね」
小町 「いや、あたいは仕事に戻らないと……花が見つかると怒られるので」
鈴仙 「怪しすぎる……仕事に戻るのも説明してからにしてよ」
小町 「生きている妖怪の癖にうだうだ五月蠅い!
花は死んだ外の人間の苟且の躰。私の仕事は、
死んだ人間を彼岸に送ること。つまり、お前が
私の仕事を邪魔する事が花の異変に繋がるんだよ!」
鈴仙 「自分から出てきた癖に逆ギレされてもねぇ」
鈴仙 「仕事の邪魔って、貴方の方から出てきたんでしょう?
貴方は自分でサボっているだけじゃないの」
??? 「何サボってるの!小町!」
小町 「きゃん!」
鈴仙 「ほら、お偉いさんがサボっている貴方を叱りに来たみたいよ?」
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EPISODE FinaL 無縁塚
??? 「小町が何時まで経っても霊を運んでこないから
様子を見に来れば……妖怪とお戯れで、全く仕事をしていない。
それにこんな花が咲いてしまっている」
映姫 「あ〜あ。小町を最初に見たときは
もっと真面目な奴だと思ってたのに」
鈴仙 「って、貴方は何者ですか?」
映姫 「私は罪を裁く者、地獄の閻魔様よ」
鈴仙 「なんと閻魔様!閻魔様がわざわざ此岸まで来るなんて……
もしかして非常事態ですか?」
映姫 「非常事態?そんな大層なものじゃないわ。
小町から新しい霊が送られてこないから暇だったの。
小町は私の元に来る霊の案内担当よ。
そしたら幻想郷は幽霊だらけじゃないの。
ああ、小町がサボっていたのね、と」
鈴仙 「幽霊……ですか?そういえば花だけでなく幽霊も多いのかな?」
映姫 「後で小町にはお仕置きを与えるから、
そうすれば幻想郷は元通りになるでしょう」
鈴仙 「そうですか、では私はこれで……」
映姫 「うふふ、ちょっと待ちなさい。貴方には言いたいことがあるわ」
鈴仙 「あー、やっぱり閻魔様は……」
映姫 「何かしら?説教ばっかりとでも言うの?」
鈴仙 「判りました。聞きますって」
映姫 「貴方は大きな罪を負っている。仲間を見捨て、
見殺しにし、貴方は一人だけのほほんと暮らしている。
そう、貴方は少し自分勝手過ぎる」
鈴仙 「……」
映姫 「今のまま過去の罪を清算せずに亡くなると……
貴方は確実に地獄に堕ちるでしょう。
もし私が裁きを担当したとしても、貴方を地獄に落とします」
鈴仙 「地獄ですって!今は真面目に頑張っているって言うのに!」
映姫 「今頑張っても、過去の罪と向き合って居なければ
全く意味がないのです。時間だけでは罪を清算しない。
罪は裁かれて初めて精算できるのです。
その為に、私が居るのですよ」
鈴仙 「地獄には行きたくありません!何とかならないものでしょうか」
映姫 「反省だけでは駄目、後悔なんて以ての外。
罪を犯すとは、そんな生易しい物ではない。
罪は裁き以外では制裁出来ないのよ。
でも今からでも地獄に行かないようにする方法もあるわ。
その為にはまずここで裁かれよ!
月に置いてきた仲間の恨みと共に!」
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