EPISODE 霧の湖
文 「この辺にいるのはー」
??? 「お、飛ばしているなあ」
チルノ 「そんなに急いで何処に行くのさ」
文 「大きなネタを探して急いでいるのですよ。大きな」
チルノ 「なんで、大きな、を強調するのよ」
文 「大きいネタを探しているのです。
この花の異変もある程度はネタを集めてくれるでしょう」
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EPISODE 妖怪獣道
文 「この辺には良い店がある時もあるのよねー」
??? 「かーらーすー何故鳴くのー」
ミスティア 「カラスの民意でしょう〜」
文 「あ、居た居た。今夜は屋台は出さないのですか?」
ミスティア 「今夜は花見なの」
文 「そう。夜桜の下でお酒が飲めれば良かったのですけれど」
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EPISODE 幽明結界
文 「雲の上にある、この門ですが。これが開くことはあるのかしら?」
??? 「あ、どこかで見たことがある奴だ」
リリカ 「何処で見たんだっけ?」
文 「あ、プリズムリバーさんの一番下の方。
今日は取材じゃないですよ?」
リリカ 「あ、そう。そう言えばあんたはマスコミだったわね」
文 「ここの門が開くときは、本当の大異変が起きたときでしょう」
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EPISODE 白玉楼階段
文 「久しぶりのあの世です。でも、ここはいつも通りなんですね」
??? 「あれ?」
妖夢 「天狗さんですね。
まさか、また幽々子さまが何かやらかしたとか」
文 「やらかすかも知れないと思って来たのですが、見当が外れました」
妖夢 「あの世はいつも通り、平穏なままです」
文 「って、攻撃しても仕様が無かった。
なんか決闘癖が付いちゃったかな」
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EPISODE 幻草原
文 「これは、せせこましすぎて没……これは、嘘っぽいから没……」
??? 「あら、」
咲夜 「ブツクサ言いながら何処に向かってるのかしら」
文 「思い返してみるとつまらないネタばかりです。
この辺で挙動の不審な人間とか居ないかな」
咲夜 「独り言が多いと霊を呼ぶわよ」
文 「あれ、考え事をしていたら
いつの間にか人間に出くわしていたみたいね」
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EPISODE 迷いの竹林
文 「思ったより、記事になりそうなネタはないですね……」
??? 「ネタ売るよ〜ネタ売るよ〜」
てゐ 「一ネタ一円だよ〜」
文 「何時からそんな商売が成り立つようになっていたのかしら」
てゐ 「需要があるところに商売は生まれる。
ネタを探している人がいれば、売る人もいるのよ」
文 「さ、一円分は楽しんだでしょう?ネタを教えてくださいな」
てゐ 「実は一円のネタより、もっと良いネタがあるんだけど……
こっちは二円」
文 「高すぎます……」
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EPISODE 迷いの竹林
文 「ネーター、ネーター」
??? 「天狗?」
霊夢 「天狗が悩んでるなんて珍しいわ」
文 「あ、こんな所に居たなんて!巫女はネタの宝庫です。
こういう騒がしいときは、巫女に限ります」
霊夢 「もしかしてなんか馬鹿にされてない?」
文 「さあさあ、貴方の好きなように行動して良いですよ?」
霊夢 「もういいや。今日はなんだか勘が冴えないし」
文 「もー、何、弱気を言っているのですか。
巫女が腑抜けじゃ、私が花を元通りにしちゃいますよ?」
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EPISODE 永遠亭
文 「しまった。ネタを求めてたら、うっかり家の中でした」
??? 「うっかり、って、」
鈴仙 「うっかりしてる奴多すぎよね。ほんと」
文 「で、何かうっかり記事になりそうなネタはないのでしょうか?」
鈴仙 「家の外は花だらけじゃないの。その記事でも書いたらどう?」
文 「花のことは、何となく原因が分かっています。
これは普通の異変ではないのですよ」
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EPISODE 6 迷いの竹林
文 「みんな騒いでいるけど、花に浮かれている
だけで目的が殆ど無いのですね」
??? 「そうだな」
魔理沙 「確かにみんなおかしいぜ。
あちこち飛んでいるけど目的がないみたいで」
文 「あ、泥棒さん。貴方は目的があって飛んでいるのですか?」
魔理沙 「ど、泥棒!?誰のことを言っているんだ?」
文 「ああ、魔法使いさんでしたね。で、目的は?」
魔理沙 「目的は珍しい花探しだ。花じゃ無くてもいいがな」
文 「これだけ花が咲いていたら、珍しいもへったくれもないです」
魔理沙 「なんだよ。お前、天狗なんだろう?
天狗だったら、面白いもんいっぱい持っていそうだな」
文 「泥棒に貸す様な物は、何一つ持っていないのです。
貴方も、小ネタ程度の事件しか起こしそうにないですね……。
仕様がないです。私がこの花の真相を曝いてしまいましょう」
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EPISODE 7 無名の丘
文 「風が止んだわ。ここの丘は風が吹いていない。
気持ち悪いから突風でも吹かそうっと」
??? 「ちょい待ちな!」
文 「まずは烈風から、と」
メディスン 「風が吹かないのは毒が撒き散らなくて丁度良いの」
文 「貴方は?」
メディスン 「最初からここに住んでました。むしろ私が聞きたいわ」
文 「あ、遅れました。私は新聞記者の射命丸文です。
今は休暇兼取材中なのです」
メディスン 「仕事なの?遊びなの?
それに新聞記者って、新聞なんてあったっけ?」
文 「あったのです。我々天狗の仲間内では」
メディスン 「そう、それで今は何の取材?それとも休暇?」
文 「貴方は……記事になるようなことをする妖怪でしょうか?」
メディスン 「ぐ、答えにくい質問ね。
するって自分の言うのも何だし、
しないっていうのも何だか癪な……」
文 「まあ良いです。記事にならないのなら
時間の無駄ですから次急ぎます」
メディスン 「ちょっと待ってよ!私の記事も書いてよ!
変なことはしないけど」
文 「私を脅したって事実と異なる事は書きません。
そもそも脅しになっていないですけども」
メディスン 「そうか、天狗は風なんだ。
道理で私の毒霧が効かない訳ね……」
文 「毒の使いすぎの方で記事にならないように
これからは気を付けるのですよ」
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EPISODE 8 再思の道
文 「私も無駄に時間を潰していた訳では無いのです。
そう、最も幽霊の多い所を探して飛んでいたのです。
この奥が最も幽霊の集まった場所。無縁の塚……」
??? 「自殺をする奴は、」
小町 「悟った賢者か、考えすぎた愚者だけだ。
九分九厘、後者だがな。愚者は、自殺を
正当化するという事が愚かという事に気付かない。
まぁ、天狗は少し考え過ぎるからな。
自殺に至る事もあるのかも知れない」
文 「誰が自殺するって言うのですか」
小町 「ここに来る奴はそういう愚かな者ばかりだ」
文 「自殺の記事なんて誰も喜ばないわよ。
そんなの読みたくも聞きたくもない」
小町 「記事にしてやれば自殺を踏みとどまるかも知れないよ。
ほら、ここらを飛んでいる幽霊だって……
って、幽霊!?何でこんなに沢山?」
文 「気が付いて無かったのかしら?今、幻想郷は幽霊だらけよ。
その幽霊が花を咲かせてると思うんだけど、
そのお陰で幻想郷は花だらけ」
小町 「何だって!?う、うむ。これはちょっと不味い」
文 「あ、スクープの予感」
小町 「そういう問題なのか?あたいはこれで仕事に戻らないとー」
文 「幻想郷一の俊足の天狗が逃すと思いますか?」
文 「凄く怪しいのです。貴方は三途の川の死神ですね?」
小町 「そうよ。そこまで判ってるんなら放しなさいよ」
文 「まあもう良いですわ。
今回の花の事件の全体像はあらかた判りました」
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EPISODE FinaL 無縁塚
文 「大分ネタが集まったわ。もう記事に出来そうな感じね。
解決するのは私の仕事じゃないから、私は帰って記事にしようっと。
って、何で?何で私はあの桜の方に向かっているのかしら?」
??? 「紫の桜は罪を集め、花を咲かす。
誰にも言えない罪も、本人が自覚していない罪でも、
桜の前では関係ない」
映姫 「紫の桜は、全ての罪を見てきているのです」
文 「あのー、どちら様でしょうか?」
映姫 「どうしました?ここの桜は貴方の好みそうな過去の宝庫です。
殺人、密室殺人、連続殺人、うっかり殺人、
ここにはあらゆる事件が眠っていますよ?」
文 「事件は殺人しか無いのでしょうか?
殺人の記事は余り書きたくないのですが……」
映姫 「私は霊の罪の重さを量る者、そう、閻魔です」
文 「え、閻魔様ですって!?何でこの様な片田舎に?」
映姫 「外の世界の死者は、たまに大幅に増えるときがあります。
大体六十年に一度くらいの周期で増えるのです。
丁度、今年がその時期なのよね……」
文 「そうなんですか……そういえば季節外れの花が咲いた事って、
過去に何度もあった気もしますね。でも、六十年周期じゃ、
昔過ぎて忘れても仕方がないわね」
映姫 「貴方は、罪を咲かす紫の桜に引き寄せられた。
天狗は好奇心が旺盛だから、ネタには敏感なのね。
でもね、好奇心が事件を誘発している事もあるの。
そう、貴方は少し好奇心が旺盛すぎる」
文 「……」
映姫 「新聞で事件を知らしめることは、新たな事件を生む種になる。
事件を追っているつもりが、自分が事件を誘発している。
貴方の罪は、貴方が誘発した事件の罪も含めると……
貴方は地獄に堕ちるでしょう」
文 「えぇ〜私は公明正大に、偽りなく記事にしています〜」
映姫 「本当に真実を書く事は不可能な事です。
何故なら、そこには記事を読む人が居るという事実を
含む事が出来ないからです。記事を書けば、事実が変わる。
事実が変わったのを見て記事を変えれば、また事実が変わる。
貴方は、事件を誘発する覚悟で記事を書かなければいけない!」
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