EPISODE 無名の丘
メディスン 「スーさん。今年のスーさんはちょっと咲きすぎかしら?」
??? 「あははー」
ミスティア 「屋根まで飛んで壊れて消えたー♪」
メディスン 「毒にやられたね?鳥は毒が羽に付きやすいから」
ミスティア 「はらほろてぃあ〜」
メディスン 「今年は飛ぶ鳥を落とす勢いで咲いている。
スーさん少しやり過ぎね」
|
▲
EPISODE 無名の丘
メディスン 「今年のスーさんは、ちょっと気が早いわね?」
??? 「鈴蘭カットの頭を叩きゃ〜、」
リリカ 「文明開化の音がする〜」
メディスン 「ほら、上を飛んでいるだけでおかしくなってしまう」
リリカ 「文明開化は開戦のつぼみ〜」
メディスン 「凄いわ。これだけ毒が強ければ世界も征服出来るわよ」
|
▲
EPISODE 3 無名の丘
メディスン 「もしかしたら、私が季節を間違えているのかしら?」
??? 「鈴蘭の解毒屋〜、鈴蘭の解毒屋〜」
てゐ 「鈴蘭の解毒は要らんかね」
メディスン 「またピンポイントな詐欺商売ね。
解毒剤なら自分に使いなさい自分に」
てゐ 「ああ、痺れるわ〜」
メディスン 「ねぇスーさん。何で今年はそんなに強いのよ」
|
▲
EPISODE 無名の丘
メディスン 「力が漲ってるわー」
??? 「おお、」
魔理沙 「毒ガス事件の現場か?これはきつい」
メディスン 「毒の霧。瓦斯と霧じゃ大きく違う」
魔理沙 「一緒だ一緒。吸うと痛い」
メディスン 「霧は液体で、瓦斯は気体。気は水に溶け、その力を吸収する」
|
▲
EPISODE 無名の丘
メディスン 「どうなのかなぁ。少し毒が強すぎないかなぁ」
??? 「ああ!もう」
霊夢 「何よこの辺。ここは匂いがきつすぎるわよ!」
メディスン 「あ、人間よ?人間。スーさん、やっちまいな!」
霊夢 「変なのもいるし。
いいよ、ここは花の異変と関係ないって事で!」
メディスン 「人間ってこんなに弱かったっけ?
スーさんが強すぎるのよね」
|
▲
EPISODE 無名の丘
メディスン 「これだけスーさんの力があれば、他にも仲間を作れそうね」
??? 「凄いわ」
鈴仙 「これだけ毒のある花が揃っているなんて、師匠に教えなきゃ」
メディスン 「何を!ここの鈴蘭は私の物よ!」
鈴仙 「ああ、早くも毒が体に回る……」
メディスン 「これだけスーさんが長持ちする事なんて、
あり得ないんだからね!」
|
▲
EPISODE 6 無名の丘
メディスン 「うーん。なんだかちょっと自身が出てきたよ?
これもスーさんのお陰ね」
??? 「わあ、凄いわね」
咲夜 「これだけの毒があれば、美味しいお茶が作れそうね」
メディスン 「美味しいお茶。変わった人間ね」
咲夜 「あら、私が飲むんじゃないのよ」
メディスン 「そう。人を殺す為のお茶なのね」
咲夜 「いや。毒のあるお茶の方が喜ぶ者も居るのです」
メディスン 「なんだか、そろそろこの地を離れても
大丈夫な様な気がしてきました!スーさん」
咲夜 「引きこもり?」
|
▲
EPISODE 7 太陽の畑
メディスン 「あれ?ここも咲いているねぇ。
向日葵は気持ち悪いから余り好きじゃないんだけどね」
??? 「ふーん。こんなに可愛いのにね」
メディスン 「私が?」
幽香 「向日葵が。むしろ向日葵の種が」
メディスン 「そう。さっきから見つけた奴は
みんな毒で倒してきたんだけど、貴方も倒される?」
幽香 「何で貴方に攻撃してくるか判る?貴方は匂うから」
メディスン 「え?な、何言ってるのよ!」
幽香 「そんなに毒の匂いをまき散らしては駄目よ。
それは逃げたくもなるもの」
メディスン 「毒?ああ、毒。それは私の命だもの。それは譲れないわ」
幽香 「しっしっ」
メディスン 「やっぱり攻撃を仕掛けてくるのね?」
幽香 「仕掛けて欲しいのね?仕様が無いわ」
メディスン 「ふうすっきりした。生き物を倒すのって気持ちが良いわ」
幽香 「だから一人歩きした道具は危ないと……
花畑に物を捨てる愚かな人間は一体何を考えてるのかしら?」
|
▲
EPISODE 8 再思の道
メディスン 「わー。わーわー。この辺も毒の花で一杯だー。
たまには出歩いてみるもんね。珍しくラッキーよ!」
??? 「捨てられた道具か……」
小町 「確かに人形のような道具は人の霊が宿りやすい。
でも、そんなに自在に体を動かす人形となると見たこともないな」
メディスン 「うふふ。凄いでしょ?私が自在に体を動かせるのも。
自在に物を考えるのも。毒のお陰なの。スーさんの毒の」
小町 「道具であるのならば、死神の出番ではない。
ここは少し危険だから取り込まれる前に去った方が良い」
メディスン 「やだよ。折角こんなに毒の花が
咲いているところを見つけたんだから」
小町 「毒の花?ってあれー?彼岸花が咲いているー?」
メディスン 「って気が付いていなかったの?」
小町 「う、うむ。これはちょっと不味い」
メディスン 「ここの毒をちょっと貰って行くから攻撃したければどうぞ」
小町 「あー。攻撃されたいみたいだな?しょうがない。
力ずくで追い出してやるから、追い出されたらすぐに帰れ!」
メディスン 「ああ、躰が毒で満たされていく」
小町 「変な人形だねぇ。頭まで毒に犯されているんじゃないの?」
メディスン 「そりゃもう、満たされてるさー。ねえ、スーさん」
|
▲
EPISODE FinaL 無縁塚
メディスン 「さー彼岸花の毒も満喫したしー。そろそろ帰ろうかなー
って思っている筈なんだけど……何だろう。
毒じゃないけど、この紫色の桜は吸い寄せられる……」
??? 「危ないですよ?貴方は気が付いていないけど、その桜からは……」
映姫 「無数の手が伸びて貴方を手招きしている。貴方を掴んでいます」
メディスン 「えええぇ。それは嫌だー」
映姫 「仕様が無いのです。貴方は人形という道具なのですから。
貴方がどう思おうと、使用者は一方的に
愛情を込めたり憎しみを込めたりする。
時には名前を付けられ、時には形を変えられ、
全て使用者の意志で道具は使われる。
そう、道具は、人間の思いを一方的に押しつけられるのです」
メディスン 「そうそう。良く判ってるじゃないの」
映姫 「今の無縁塚は死んだことに気付いていない霊が多いのです。
だからこんな所に貴方のような道具が来てはいけない。
その不安定な意志に、貴方は取り込まれてしまいますよ?」
メディスン 「いや、ならば戦うまで……
人形の地位向上を目指すなら人間と戦うまでよ!」
映姫 「貴方の頭にも毒が回ったかしら?
鈴蘭は心の毒、彼岸花の毒は鈴蘭とは違う躰の毒。
その両方を浴びれば、もう貴方は毒の塊と言っても良いでしょう」
メディスン 「いや、前々から思っていたの。
そろそろ人形解放に向けて立ち上がる時だと!」
映姫 「貴方は、毒の作用に気が付いていない。
少し頭を冷やす必要がある。
人形が解放されたら、誰が人形を創る?
貴方以外の人形が、貴方の小さな心に
付いてくると思っています?
そう、貴方は少し視野が狭すぎる」
メディスン 「……」
映姫 「小さな鈴蘭畑からどの位出たことがあったのかしら?
人間もそう。貴方みたいに小さな所にずっと引きこもっていると……
他人が見えなくなる。自分の心だけが毒で攻撃的になる。
貴方は典型的な人間と同じ、小さな心の持ち主です」
メディスン 「そ、そんなこと無いわよ!
確かに、鈴蘭畑を出たのは今日初めて……って、何で
私が鈴蘭畑で暮らしていることを知っているの……」
映姫 「他人の協力を得られないと、三途の川を渡る事は出来ず、
途中で川に落ちるでしょう。他人の痛みが判らない魂に、
協力してくれる魂など無い。貴方は、たとえ人形解放を
叫んだとしても、誰も助けてくれない事に絶望を抱くでしょう。
死んでも私の元に来ない人形だからこそ、今ここで貴方を裁く!」
|
▲