REVENGING STAGE 秘神の真の姿 Hidden Star in Fifth Season
(後戸の国)
舞:
何だ、また来たのか
里乃:
貴方のせいで私達が怒られたわ
舞:
即刻立ち去れい!
薄汚い天狗めが!
文:
やあやあ
我こそは疾風の鴉天狗、射命丸文なり!
この度は天狗の未来を賭けて
再び勝負を挑みにきたものである!
障碍の神、 隠岐奈よ!
出てくるがいい!
???:
この間の天狗か
隠岐奈:
再び姿を現すとは
良い度胸だな
文:
この間は卑怯な罠で逃げられたけど
今度は逃がさない
隠岐奈:
逃がさない?
何をいう、逃げ帰ったのはお前だぞ?
背中の魔力を返して貰ったら
お前は手も足も出せない状態で
お前は季節の扉に入って
元の世界に帰ったんだ
逃げたのはお前だよ
文:
……少しだけそんな気もしてました
貴方と戦っていたはずが、いつの間にか
幻想郷に居たんでね
私が集めた季節の魔力は
貴方に全て奪われて強制解放された
それ自体が強制退出の罠だと
気付かずにね!
隠岐奈:
そうだ、だからお前に勝ち目は無い!
何度やっても同じだよ
文:
ふっ、そこまで判っていて
私が無策でここに来る訳が無いでしょう
隠岐奈:
ほう?
策、とな
文:
私の背中の季節を見よ!
隠岐奈:
ほう……なるほど!
お前は季節の隙間の魔力を集めてきたのか!
文:
そうです
季節の変わり目の魔力だけを集めました
四季の生命力がもっとも失われ、
この世の魔が顕れる季節の隙間よ!
隠岐奈:
ふふふ、それを私が吸収して
解放すれば天狗の魔によって自滅すると
黙っていれば判らなかったかも
知れないのに、何故教える?
文:
神ともあろう方が気付かないわけがない
と思ったからです
それに貴方を滅しにきた訳では
ございません
卑劣な罠に掛けたいのではなく
貴方の罠を封じたいだけですから
隠岐奈:
ふっふっふ
正々堂々と勝負したいという訳か
良いだろう、その勇気に敬意を払って
季節の魔力は使わないでやる
文:
正々堂々と戦いたいというか
取材をしたいだけなんです
天狗と祖先を等しくする障碍の神に
世間から疎外されてきた
河原者の歴史と、これからを
隠岐奈:
良いだろう、お前が勝ったら
取材でも何でも受けてやろう
幻想郷の縁起は我々、障碍の者を
抜きにしては語れぬ
見よ! 聞け! 語れ!
これが障碍の秘神の姿だ!
文:
はあはあ
まだやるか!
隠岐奈:
見事だ!
もう十分、お前の強さは判った
勝負は私の負けだ
文:
……いいえ、私の負けです
背中の魔力無しでは
到底勝つことは出来ませんでした
そしてこの力は貴方の力です
背中の魔力を使う事
前提の戦闘を見て
最初から貴方の掌で踊らされている
かのようでした
隠岐奈:
確かにいつだって背中の扉を封じたり
別の魔力を呼び出す事も出来た
だが、私がそれをしなかったのは
お前の勇気に敬意を払ってのことだ
私の掌の上だろうと
お前の勝ちは変わらない
堂々とするが良い
文:
ですよねー
私の勝ちでいいんですよねー
じゃあ約束通り私の取材を
受けてもらいます!
隠岐奈:
う、うむ
文:
この度は
何故こんな事をしたのですか?
あ、こんな事ってのは四季異変の事ね
隠岐奈:
うちの二童子もそろそろ
解放してやりたくてね
その後継者を探していたんだ
可能性ありそうな奴らを広域で
引っかけるために
ありとあらゆる奴の
潜在能力を引き出させたのさ
妖精や精霊たちの潜在能力によって
季節が少しおかしく見えただけ
文:
なるほど、それで後継者は
見つかったのですか?
隠岐奈:
まだだね
いくつか候補はいるけど
でも、幻想郷全域に背中の扉を
使うのはこれっきりにしておくよ
もう、十分伝わったと思うから
文:
??
では次の質問です
隠岐奈:
ちょっと待って、質問ってどの位あるの?
文:
いくらでも出てくるわよ
隠岐奈:
今は闘いの直後で疲れている
また今度にしてくれないか?
そうだ、今度は天狗の元に
行ってやる
お前を見ていたら
今の天狗に興味が湧いてきたよ
天狗さえ良ければ
平和協定を結ぼうじゃないか
文:
はあ、良いですが
ただし約束してください
私以外の取材を受けないでください
こんな大きなネタ
他の人には渡しませんから
隠岐奈:
う、うむ