STAGE 6 イドラデウス Idola-Deus (霊長園 墳墓内部)
磨弓:
生身の人間がこんなに
強い生き物だなんて!
夢のような現実だわ!
妖夢:
見たことも無い世界だわ
あの外見からは想像も付かない内部ね
ここの何処かに敵がいるのよね?
カワウソ霊さん
妖夢:
(……)
(霊長園と言えば
畜生界一美しい庭園だったのに……)
(噂には聞いていたが酷い有様だ)
???:
来客とは珍しい
もう私達に敵う者などいないと
悲しんでいたのに……
妖夢:
見つけたぞ!
畜生の理を破りし破壊神!
埴安神(はにやすしん)袿姫(けいき) !
お前の野望も潰えるときがきたぞ!
袿姫:
良いわねぇ
やっぱり動物は活きが良くないとね
お前から鬼傑組特有の
生臭い匂いがするわ
妖夢:
……!?
袿姫:
でも、見た目は人間みたいだけど……
一体、どういう卑怯な策を持ってきたのかしら
妖夢:
見た目は人間だけど
半分は幽霊です
袿姫:
なる程ね、人間に取り憑いて
騙して連れてきたのね
妖夢:
いやその、私は冥界の住人で
元々半分幽霊なのですが
袿姫:
鬼傑組の……お前はカワウソ霊かな?
人間を連れてきたからといって、それが何?
妖夢:
(……生身の人間を恐れない!?)
(吉弔様ー!
話が違うじゃないのー!)
袿姫:
ふっふっふ
冥界の住人よ
動物霊に騙されるな
妖夢:
えっ?
袿姫:
私は畜生どもから
人間霊を守る造形神(イドラデウス)よ
動物霊達は霊長園を奪う為に
お前を騙している
妖夢:
え?
何だって?
妖夢:
(騙されるな、冥界の剣士よ)
(こいつは人間霊から信仰を
吸い上げるだけの邪神だ!)
(こいつは動物の敵であり、人間の敵だ!)
妖夢:
や、やっぱりそうよねぇ
ここまで来たら動物霊を
信じないとおかしくなっちゃう
袿姫:
カワウソが本当のことを
言っていると思う?
妖夢:
そ、そりゃそうね
カワウソ霊! もう騙されないぞ
妖夢:
なんて優柔不断な奴だ……
袿姫:
ほんと、優柔不断なのは嫌よねぇ
一生後悔するわ……
妖夢:
(し、しまった!
この会話は罠だ、人間!)
(こいつの造形術が来る!
動物霊達(われわれ)は、皆これにやられたんだ!)
一旦退却だ!
逃げろ!
袿姫:
冥界から人間を連れてきておいて
敵前逃亡とは……!
失望したぞ
畜生は所詮、畜生だな
肉のお前を滅して
土と水で美しく造り直してやる!
半分幽霊、半分埴輪なんて
孤高の偶像(アイドル)になるぞ!
妖夢:
人間よ、よく耐えた!
まもなく応援が来るぞ!
もうこっちが強者だ!
孤独な邪神にトドメを刺せ!