博麗神社。
霊夢と早苗が空飛ぶ船と白蓮達の話をしていた。
そこに魔理沙が慌てて飛び込んでくる。
魔理沙「霊夢、大変だ!」
霊夢 「何よ騒々しい」
早苗 「何かあったのですか?」
魔理沙「いっぱいばらまかれたUFOに、やっぱり何か乗っていたぜ!
この目で見たんだ!」
魔理沙が、偶然手に入れたUFO型の飛倉の破片。
それには不思議な秘密があった。
霊夢 「でもあのUFOって、飛倉の破片だったんでしょ?
空飛ぶ倉だから、破片になっても空中を漂うって白蓮に聞いたわ」
魔理沙「飛倉の破片はこっちだ!」
魔理沙は、古くてボロボロになった木片を取り出して見せた。
早苗 「何ですか? そのボロボロの板きれは」
魔理沙「ほらよ」
そういって、魔理沙は木片を早苗に投げた。
慌てて受け取ろうとした早苗の手は空を掴んだ。
何と木片は空中に留まり、決して落ちてくる事は無かったのだ。
早苗 「宙に浮いている……?」
霊夢 「確かに、UFOよりこっちの方が飛倉の破片、っぽいわねぇ。
でも、白蓮達はUFOを飛倉の破片だって……。
どうしたの? この宙に浮く木片」
魔理沙「実は、ちっちゃなUFOをこじ開けてみたんだ」
霊夢 「そうしたらこれが入っていたとか?」
魔理沙は首を振った。
魔理沙「違う違う。
中に入っていたのは小さな蛇だったんだよ。
しかも蛇から鳥になったりする蛇だ!
しかもその生き物を取り除いたら、UFOが木片に変化したんだ」
早苗 「全く意味が判りません。
で、その蛇は何処に行ったのですか?」
魔理沙「蛇は、逃げるように空に向かっていったよ」
早苗 「空に……?」
魔理沙「余りにも驚いたんで、もう一度白蓮に聞いてみたんだ。
『飛倉の破片って一体何なんだ』って。
『何でUFO型をしているんだ』って。
そうしたら、なんて言ったと思う?」
霊夢 「なんて言ったの?」
魔理沙「『UFO型ってどういう形ですか?
これはただの板きれですが』って。
どうやら、彼奴らにはUFOの形には見えないらしいんだ。
最初から、そこに浮かんでいる木片の様に見えていたらしい」
早苗 「???」
魔理沙「つまりは、飛倉の破片がUFOに見えていたのは
私達だけと言う事だ」
霊夢と早苗は言葉を失った。
早苗 「人によって見え方が違うなんて……」
霊夢 「……それってどういう事?」
魔理沙「それ以上の事は私にも判らん。
でも何か、裏に潜んでいる気がするぜ。
得体の知れない何かが」
その謎を追うために、三人は再びUFOをこじ開け、
逃げた蛇の後を追う事にした。
正体不明の飛行物体。それは一体何なのだろうか。