東方天空璋 – 射命丸文 – Stage6

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STAGE 6 開けるなかれ、見るなかれ 後ろの扉に秘天あり
Hidden Star in Four Seasons (後戸の国)

文:
さっきの二人にもっと話を
伺いたかったのですが

何とも不思議な世界ですねぇ

地蔵の背中からこんなに
世界が広がっているなんて……

隠岐奈:
あっはっは
これは面白い!

後戸の国に天狗とはな!
世も末か

本来、私達は天狗と同じ障碍(しょうがい)を司る者だが
住むべき場所は違う

文:
天狗と同じ……?
貴方は一体何者ですか?

隠岐奈:
私は摩多羅 隠岐奈

後戸(うしろど)の神であり
障碍(しょうがい)の神であり

能楽の神であり
宿神(しゅくしん)であり、星神である

文:
色んな二つ名があるんですねぇ

隠岐奈:
ふっふっふ
まあ天狗のお前なら判るだろう

こんなに多くの神格を持っている
筈なんて無いと……

文:
と言いますと?

隠岐奈:
嘘を吐いているはずだと
思っているだろう?

文:
ええ、まあ

あるいは、嘘は吐いていないけど
本質は隠されている匂いがします

隠岐奈:
まあ絶対の秘神、これが
本質かも知れないね

文:
障碍の神……秘神……
あ、思い出しました!

障碍の民の祖は二つに分かれ
一つは山に棲み、天狗となった

もう一つは仏の後ろに潜み人里に棲んだ
それが障碍の秘神……

もしかして貴方は……!

隠岐奈:
何度も言っている
私がその障碍の神そのものである

色々な二つ名が存在するが
一番本質を突いているのは何だと思う?

文:
さっき、秘神が本質だと
仰ってませんでした?

隠岐奈:
障碍の神とは天狗除けの神
という意味でもある

つまり私は
天狗をこの世から消す神だ

だから最初に笑ったんだよ
天狗が、天狗除け(うしろど)の国に入ってきたんだから

まさに烏滸(おこ)の沙汰!
愚直に退け! 天狗改め天愚(てんぐ)の記者よ!