VSメディスン(無名の丘) Episode 7
咲夜:
いつもは絶対来ない山に入ってみたけど……
こんな所に鈴蘭畑があるなんて初めて知ったわ
これは薬に良いかもしれないわね。
???:
薬ですって~?
毒薬でも作ろうと言うのかしら。
咲夜:
あら誰か居たのかしら。
メディスン:
そうねえ。今は鈴蘭が咲き放題だから
毒薬も作り放題だわ。
咲夜:
鈴蘭ってそんなに毒ありましたっけ?
メディスン:
毒はね。
強すぎるとすぐにはき出されてしまう。
でもほんの微量の毒は気が付かないうちに
全身にまわるの。
一番怖い毒は、少しずつ体を蝕んでいく毒、
精神を蝕んでいく毒。
咲夜:
そんなこと言ったら、お酒なんか一番の
毒なのかしら?
メディスン:
うふふ。
貴方は幸運ね。
こんな鈴蘭畑で眠れるなんて。
咲夜:
さっき幸運の兎を見つけたからね……って、
そういえば、何か眠くなってきたわ……
メディスン:
こんな微弱な毒で覆われた鈴蘭畑。
本来花は毒を持つのよねぇ。
咲夜:
昨日ちょっと遅くまで起きてたからかしら?
これは早めに勝負をつけないと……
ってなんで、貴方はこの毒が平気なの?
メディスン:
あは、見て判らないのー?
私は生き物でも死に物でも無いもん。
私は捨てられた人形なんだから。
私にとって毒なんて化粧品でしかない!
勝利
咲夜:
ここは危険だわ……
早くここから離れた方が良いわね。
メディスン:
ああもう……
躰の修復に時間がかかりそう。
咲夜:
やっぱり、微弱な毒より、即効性の毒の方が
強いんじゃないかしら?
メディスン:
うーん。そうかも。
じゃあこれ飲んでみて?
咲夜:
何かしら。
メディスン:
ベラドンナドリンク。
咲夜:
誰が飲みますか。
敗北
メディスン:
そのまま……ゆっくりと……
躰に、心に毒がまわるわね。