Extra Stage 地獄のラブリービジター (守矢神社)
早苗:
あら、この寒い中参拝に来たのですか?
うふふ私もここでの挨拶の仕方を学びました
この幻想郷では常識に囚われてはいけないのですね!
魔理沙:
やっぱ冬山は寒いぜ
冬はこうでないとな
パチュリー:
(あー暖かい家の中で
暖かい紅茶を飲む午後は最高ね)
魔理沙:
お前、喧嘩売ってるな
大体、何で地上なのに
お前と通信しないといけないんだよ
パチュリー:
(冬山は素人には危険だから
無闇に登らない方がいい)
魔理沙:
はん
灼熱地獄の方が遥かに危険だったぜ
パチュリー:
(何にしても、あの地獄鴉の言う事が
本当なら)
(核融合の力は山の神様に頂いたと
いう事になる)
???:
あのーちょっと良いですか?
この神社の人を誰か見ませんでしたか?
魔理沙:
見たっけ?
パチュリー:
(さあね、私は本を読んでたわ)
魔理沙:
そっか、見てないな。悪いけど他当たりな
私はこの神社は詳しくないんでね
???:
そっか、それは失礼しました
もしかして留守なのかなぁ
魔理沙:
本殿の方も見てきたのかい?
???:
うん
もぬけの殻だったわ
魔理沙:
だってさ、パチュリーどうする?
パチュリー:
(ふーん、居ないなら仕方が無いねぇ)
???:
貴方も山の神様に何か用事があって?
魔理沙:
ああ、ちょっとな
???:
もしかして、貴方も力が欲しくてこの神社に来たの?
魔理沙:
力だと?
???:
山の神様に会えば、究極の力が手に入るって聞いたわ
パチュリー:
(およ?
何でそんな話が広まってるの?)
こいし:
お姉ちゃんのペットに聞いたもの
おくうは、山の神に強くして貰ったって
魔理沙:
おくう? お姉ちゃん?
何か嫌な予感がするぜ
パチュリー:
(……嫌な予感
魔理沙)
(私は少し午後の休憩を取るわ
後は頑張って)
魔理沙:
おいおい
こいし:
貴方達も山の神様の力が欲しいの?
魔理沙:
ああ、成り行きだがそういう事になった
こいし:
だとしたらライバルね
ライバルは全て潰さないと自分の望みは
叶えられないってお姉ちゃんが言ってた
貴方には恨みはないけど、
ここで野垂れ死ぬ未来をあげるわ
大丈夫大丈夫、死体は猫に運ばせるから
一生私の家で暮らせるよ!
こいし:
うへぇ強いわー
てっきり人間だと思ってたら違ったのね
魔理沙:
人間だぜ
こいし:
うっそーん
そんなに強くて人間だなんて……あっ
もしかして貴方最近、地霊殿に遊びに来なかった?
魔理沙:
地霊殿?
ああ、そんなとこも行ったかもな
こいし:
やっぱり?
貴方みたいな強い人間が何人もいる訳ないものね
私は古明地こいし
その地霊殿に住んでいる者よ
パチュリー:
(何だって? ……てっきりただの
人間の参拝客だと思ってた)
魔理沙:
お前の勘も鈍いねぇ
私には妖怪にしか見えないぜ
パチュリー:
(……貴方から妖怪の気配が
感じられない)
(それどころか……何の気配も
感じられない)
こいし:
私は無意識で動くもん
心を読む力を閉ざした事で、
何も考えないで行動する力を得たわ
パチュリー:
(無の境地……
坊さんが聞いたら泣いて喜びそうね)
魔理沙:
でも勝ってしまった訳だが
こいし:
貴方、本当に強いわね
どう? 家に遊びに来ない?
魔理沙:
まあ行ってやらん事もない
地底は遠いがな
パチュリー:
(貴方、さとりの妹?)
こいし:
そうよ
パチュリー:
(まさか妹がいるとは……
聞いてなかったわ)
早苗:
あら、まだ帰ってなかったのですか
魔理沙:
おや、早苗じゃないか
何処で何をしてたんだ?
早苗:
さっき会ったでしょう?
それで何の用件でしょう?
今、神奈子様も諏訪子様も出かけてますが
魔理沙:
えーっと何だっけ
おいパチュリー
神様に何か訊くことがあったんだろ?
パチュリー:
(さとりの妹……えーっと
どっかに資料が無かったかな)
(え? 神様に訊くこと?
うーん、核融合の話?)
早苗:
核融合……?
ええ、計画は順調に進行していますよ
魔理沙:
あん?
早苗:
聞いてませんか? 地底の灼熱地獄跡を
利用して河童達に産業革命を起こさせるのです
成功すれば、今の何倍も生活水準が上がりますよ
核融合は、外の世界でも実用まで至っていない
クリーンなエネルギー源です
私もこの目で地上の太陽の実現が
見られると思うとワクワクしますよ
魔理沙:
判らん
何を言ってるのか全く
パチュリー:
(核融合は河童達の産業革命の礎って
ことかしら?)
魔理沙:
何にしても危険は無いんだな?
早苗:
勿論ですよ
神奈子様はちゃんと説明してなかったのですね
ちょっと間欠泉が湧いたり、温泉が出やすくなる
といった変化は出るかも知れませんが
パチュリー:
(結局今回の異変って、山の神様の
説明不足に振り回されただけ?)
(私は疲れたわ……
もう休む)
こいし:
じゃ、私は帰るけど遊びに来てねー
約束だからねー
魔理沙:
ま、良いじゃないか
これで自由に地底世界に行く口実が出来たんだ
それでよしとしてやろう