Stage4 聖輦と不吉な船長 (聖輦船内部)
霊夢:
うん
よし、船の中は何もない
調査終了で良いわよね
つまらないし
大体、ただ船が飛んでいるだけでまだ何も
起きていないわけだし
宝船じゃなければ何の価値もないし
ただの箱だしー
???:
誰か居るの?
人間……?
それとも貴方も人間を辞めた者?
霊夢:
む、見逃しがあったみたいね
妖怪がいたなんて! 退治すべき!
???:
そう、人間なのね?
だったら、貴方の持っている飛宝を置いて
今すぐ出て行った方がいいわ
この船はもうすぐ目的地に着く
そうしたら戻れなくなる
霊夢:
目的地?
あんたは一体……
ムラサ:
申し遅れました
私は村紗、この聖輦船の船長です
霊夢:
船長だって?
ムラサ:
この船はこの地を離れて聖が封印されている
別天地を目指します
そこで聖を復活させ、みんなで悩みを忘れて
生きるのです
排除される者が居ないこの世の楽園に……
妖力を自由に発揮できる解放的な未来に……
それが聖輦船の目的地
それが聖の考える理想なのです
ですから、この世界に未練がある方の乗船は
お断りさせて頂いていますが、貴方は?
霊夢:
何を言っているのか判らんけど
これが宝船じゃない事だけは判ったわ
妖怪が巣くう魔の船なのね
これは見逃せないわ
ムラサ:
見逃せないとは?
霊夢:
ここで船長を倒してこんな船
落としてやるわ
ムラサ:
言い忘れましたが、別天地に向かうに当って
どうしても必要な宝があるのです
貴方が持っている空を飛ぶ不思議物体
それが、その宝の破片です
霊夢:
そんなもの集めていたっけ?
ムラサ:
ですから貴方は協力者かと思ったのですが
……残念ですね
貴方を乗せていては船は沈みかねない
呪われた水を浴びて船から落ちるが良いわ!
ムラサ:
これが数多の妖怪を葬ってきた力なのか
霊夢:
そうよ!
だから悪い事はやめるのね!
ムラサ:
何も悪い事していないんですけどね
霊夢:
まあ、妖怪っていうだけで悪いんじゃん?
ムラサ:
妖怪を辞めるのは無理ですわ〜
霊夢:
しかし、この船は止まらないわね
船長が何もしていないのに
ムラサ:
自動操縦ですから
霊夢:
宝船じゃないと判ってから興味を
失っていたけど
やっと、この船の正体が気になってきたわ
何処に向かっているのか確かめなきゃ