――桜舞い散る博麗神社。
いつもなら宴会の一つでも行われているであろう美しさだ。
しかし今年は違う。誰の姿も見えない。
魔理沙「暑いな」
霊夢 「どうしたのそんな格好して」
魔理沙「魔法の森は雪が降っていたんだよ」
魔理沙は真冬のような格好をしていた。
霊夢 「こんなに春めいているのにねぇ。花見でも開催しようかな」
魔理沙「それもいいが、桜が咲いているのはこの辺だけだぜ。
日当たりがいいんかな」
???「あら、桜が咲いてる……?」
現れたのは天狗の新聞記者、射命丸文だった。
文 「一度冷えてから暖かい日が続くと秋でも桜が咲くことがある
って聞いた事がありますが……」
霊夢「原因は判らないけど、ここ暫くこんな感じよ。
桜だけじゃ無くて、蕗の薹だって生えてきたわ」
文 「ふーん……。あ、急用を思い出したので帰ります」
文はそそくさと帰っていった。
魔理沙「なんだあいつ。何しに来たんだよ」
霊夢 「どうもここんところの異常気象。ただの自然現象じゃ無さそうね。
天狗が探っているとおり、これは異変なんでしょう」
霊夢が行動を起こしたときには、既に幻想郷は四季折々の彩りを見せていた。
暦上は真夏の話である。