VS映姫(無縁塚) Episode Final
リリカ:
そういえば、桜の音はまだ聴いていなかったわ
花の異常さに惑わされて、春の花をすっかり
忘れてたわー
???:
彼岸桜に彼岸花。
いつもは静かな無縁の塚に
同時に咲かない花が咲く。
彼岸花は死の悼みを訴えるでしょう。
彼岸桜は断罪の曲を奏でるでしょう。
こんな所に珍しい程、はっきりした騒霊達が
現れたものね。
リリカ:
また、達ってー
今日は一人だってば。
???:
あら、じゃあ後ろの二人は何なのかしら?
???:
あ?
言っちゃ駄目じゃないの~
???:
折角、隠れてついてきてたのに……
リリカ:
って!?
姉さん達何時の間に後ろに!?
ルナサ:
最初からずっと見ていたわ。
メルラン:
面白そうな事してたから内緒でね。
???:
ほら、かしましい三人の霊達。
こんな墓場でもライブを行うのですね。
リリカ:
何よー
付いてきてるんなら最初から
言ってくれれば良いのに!
ルナサ:
危なくなったら出るつもりだったわよ。
メルラン:
そうそう。
今みたいにね。
リリカ:
今みたいに?
???:
ここの霊は外の世界の人間の霊。
今は花を拠り所とする。
貴方達は生まれつきの霊。
拠り所だった物は既に無い。
そう、貴方達は少し自己が曖昧過ぎる。
リリカ:
……
???:
このままでは、貴方達は暴走するか、
消えてしまうかのどちらかでしょう。
貴方達を裁くことは無いかもしれないけど、
見捨てるのも可哀想……
ルナサ:
貴方は一体?
映姫:
私は死んだ者の罪を裁く者、
そう地獄の裁判長。
貴方達はこれからももっと演奏を楽しみ
たいのであれば、
私の忠告を聞くしかないのですよ。
リリカ:
何を言ってるのかしら。
姉さん、こんな奴の事聞く必要もないよ。
メルラン:
そうそう。
忠告とか言って、何かの詐欺か宗教だからね!
ルナサ:
そう、ね。
映姫:
拠り所のない霊は非常に不安定です。
貴方達は楽器を拠り所にしているようで
実は違う。
貴方達の拠り所は貴方達を生んだ人間。
そして、その人間はもう居ない。
消えたくなければ、
まずは、自分の存在理由を考え直すのです!
敗北
映姫:
後ろの二人は攻撃に迷いがあるようね。
ならば、少しは可能性があるという物です。
この世は迷いの世。
その迷いが繋ぎ止めることになるでしょう。