VS霊夢(無縁塚) Episode Final
映姫:
ここの桜が散るには、もうちょっと時間が
かかりそうね。
なんだかんだ言っても、幻想郷の者達は、
外の者に比べると悪いところは少ない。
ここの桜に宿る者の罪は、外の世界の犯罪
とは無関係のものなのです。
法律は人間が決めた約束。
法で裁けない罪を私は裁くのです。
???:
あら、まだ全然じゃないの。
霊夢:
もうすぐ、もうすぐって言って。
何時になったら桜が元通りになるのよ。
映姫:
丁度良いところに来ましたね。
どうですか?
私の教えを理解して守っていますか?
霊夢:
だから、焼いて食べるようにしているわよ。
色々な物を。
映姫:
紫の桜の下は罪を持った霊でいっぱいです。
徳のある霊から順番に彼岸に帰すので、
ここの桜は一番最後になるでしょう。
いえ、ここに限らず最後まで残るのは桜の花。
霊夢:
そうなの?
桜の花が一番掃除が大変なのに……
映姫:
桜だけが残ったとき、初めて幻想郷は新たな
暦を読み始めるでしょう。
今年は六十年に一度訪れる「生れ変わり」の
年なのです。
言うなれば、幻想郷の「還暦」
そして桜の花は死と共に再生を意味します。
霊夢:
何で六十年に一度そういう年が
訪れるのかしら?
映姫:
よく干支なんかで言われることがありますが、
アレは後から人間が付けた当てずっぽうです。
六十年とは、本当は自然の状態を全て
言い表す数字なのです。
日、月、星の三精。
春、夏、秋、冬の四季。
木、水、火、土、金の五行。
三精、四季、五行をかけると
三×四×五=六十となり、
六十は自然の物を全て表す組み合わせの数と
なるのです。
つまり、自然は六十年で一度生まれ変わる。
幻想郷は今年で蘇生する。
霊夢:
そうなのかしら? 六十年前は生まれて
なかったから確かめようがないわ。
映姫:
洞察力があればすぐに判る筈よ?
六十年前にもこの異変を見た者は、余り大騒ぎ
をしていないでしょう?
霊夢:
大騒ぎしている奴も居るけどね。
映姫:
六十年は記憶も一巡してしまうのです。
それに、特殊な異変とかでは無いので
記憶から失われやすいのでしょう。
霊夢:
そうだったのね。
どうも危険を感じない異変だと思ったわ。
って、騙されないわよ?
花が咲いている理由はあんたらが
サボっているからでしょう?
映姫:
幽霊が増えた理由が、六十年に一回くらい
起こるのです。花はその結果です。
地震、噴火、津波、戦争。
何かは判らないけど……。
霊夢:
何にしてもあんたらが頑張れば元に戻るはず!
敗北
霊夢:
さ、さっさと戻って幽霊を彼岸に送りなさい!