東方神霊廟 – エキストラストーリー

シェアする

博麗神社。
いつものようにのんびりと霊夢と魔理沙が会話していた。

霊夢 「でさー、あの神子達の家は凄く大きかったよ。
    キラキラしていて」

魔理沙「ふーん。どうやって忍び込めるかな」

そこに早苗がやってきた。
少し慌てているようだ。

早苗 「聞きました?」

霊夢 「聞いてない」

早苗 「どうやら命蓮寺に動きがあったみたいです」

魔理沙「動きだと? ついに変形したか?」

早苗 「どうやら最初から、あの場所が神子さんの霊廟の真上で
    あることを知っていて、命蓮寺を建てたようなんです」

魔理沙「ほう、それはまた何でだ?」

霊夢が黙りかねて口を挟んだ。

霊夢 「判るわ。
    白蓮は妖怪に与する者だもん」

魔理沙「だから何で……」

霊夢 「神子は聖人の権現だもの。
    必ず妖怪の敵になる奴って思ったんでしょ。
    それに布都は廃仏派で仏教を嫌っているし。
    宗教戦争だって起こり兼ねないわ」

魔理沙「ふーん。
    そうか、色々な意味で白蓮の敵だって事か。
    白蓮は何でそんな霊廟のこと知ってたんだろうな」

霊夢 「妖怪の間では話題になっていたのかもね。
    あそこにヤバイ奴が眠っているって」

早苗 「あのー」

霊夢と魔理沙が早苗の方を向く。

早苗 「それでですね。
    神子さん達が復活してしまったから、妖怪達が慌てて
    対抗策を採ったらしいんです」

霊夢 「対抗策?」

早苗 「何でも、『妖怪の切り札となるような』強力な妖怪を
    呼び寄せたとか……」

魔理沙「切り札だと?
    そりゃヤバいな」

霊夢 「どうせ妖怪の考える事よ。
    統制なんて取れないんだから、自分より強い奴を呼び寄せたり
    出来ないって。
    そんな事したら、自分が返り討ちに遭うかも知れないもん」

早苗 「何にしても何かアクションを起こしたのは事実みたいです」

霊夢 「まあ、こっちもアクションを起こすけどね」

霊夢はそういうと、すぐに出かける準備をした。
そこに現れたのは妖夢。

妖夢 「あら皆さんおそろいで」

霊夢 「何よ、今忙しいのよ」

妖夢 「いや、どうも神霊騒ぎから妖怪の方に波及したらしくて、
    命蓮寺に動きがあったみたいです」

霊夢 「知ってた」

妖夢 「流石ですね。
    何でしょう?
    復活感謝祭かしら? お呼ばれしていないですか?」

溜め息を吐く三人。

霊夢 「今から行くところよ」

魔理沙「お呼ばれされた奴も居るらしいぜ」

早苗 「一緒に行きましょうか?」

妖夢 「どうしようかなぁ。
    私も行こうかなぁ」

妖夢はのんきそうに言うと、宴会の想像をして顔をほころばせた。
これから死闘が繰り広げられるとも知らずに。

一方、命蓮寺では何やら妖精達が騒ぎ始めていた。
長旅を終え、海を越えてやってきた妖怪が一息入れていたのである。
その圧倒的な威圧感。
これならば神子達に対抗できる……
  (と、そう思っていた時期がありました。(響子談))