Stage1 蛍火の行方
蛍の灯りはいつもより激しく見えたのは気の所為か。
今宵は永い夜になるだろう。
妖夢:
さあ、出て来い!
そこに隠れる闇に蠢くものよ。
幽々子:
妖夢、おいてかないでよー…
妖夢:
何言ってるんですか、夜は短いのですよ!
早く敵を見つけて斬り潰すのです。
幽々子:
いや、そうじゃなくて……。
???:
斬り潰すって……
リグル:
斬るか潰すかどっちかにしてよ!
妖夢:
さぁ、斬られる前か潰される前に、
どこに行けば良いのか言いなさい!
幽々子:
妖夢のそれは、夜明けのテンションよ。
おいてかないで、って言ったじゃない。
まだ夜は始まったばっかよ。
リグル:
なんなのよ、こいつら。
幽々子:
あれ?
目の前に大きな蛍が居るわよ。
妖夢:
気付いて無かったのですか……
幽々子:
蛍見も良いわね。
妖夢、寄り道していかない?
妖夢:
今のどこにそんな時間があるのです!
虫なんてこの楼観剣で……
リグル:
そうやって話している時間が一番長い!
蛍様が出て喜ばない奴なんて、
久しぶりに見たよ!
妖夢:
幽々子さまは、狙いを定めないから
敵を討つのに時間がかかるのです。
幽々子:
あら、急がば回れ、って言葉知ってる?
妖夢:
あぁ、急いでるんでしたね。
結局、次はどこに行けば良いのでしょうか?
幽々子:
どう?
この枝が倒れた方に進んでみない?
妖夢:
そんなんでいいんですか……。
って、そんなに傾けてたら、手を放す前に
倒れる向きが決まっていますよ。
幽々子:
くるくるくる~、っと。