VS映姫(無縁塚) Episode Final
文:
大分ネタが集まったわ。
もう記事に出来そうな感じね。
解決するのは私の仕事じゃないから、
私は帰って記事にしようっと。
って、何で?
何で私はあの桜の方に向かっているのかしら?
???:
紫の桜は罪を集め、花を咲かす。
誰にも言えない罪も、本人が自覚していない罪
でも、桜の前では関係ない。
紫の桜は、全ての罪を見てきているのです。
文:
あのー、どちら様でしょうか?
???:
どうしました?
ここの桜は貴方の好みそうな過去の宝庫です。
殺人、密室殺人、連続殺人、うっかり殺人、
ここにはあらゆる事件が眠っていますよ?
文:
事件は殺人しか無いのでしょうか?
殺人の記事は余り書きたくないのですが……
映姫:
私は霊の罪の重さを量る者、
そう、閻魔です。
文:
え、閻魔様ですって!?
何でこの様な片田舎に?
映姫:
外の世界の死者は、たまに大幅に増えるときが
あります。
大体六十年に一度くらいの周期で増えるのです
丁度、今年がその時期なのよね……
文:
そうなんですか……
そういえば季節外れの花が咲いた事って、
過去に何度もあった気もしますね。
でも、六十年周期じゃ、
昔過ぎて忘れても仕方がないわね。
映姫:
貴方は、罪を咲かす紫の桜に引き寄せられた。
天狗は好奇心が旺盛だから、
ネタには敏感なのね。
でもね、好奇心が事件を誘発している
事もあるの。
そう、貴方は少し好奇心が旺盛すぎる。
文:
……
映姫:
新聞で事件を知らしめることは、新たな事件を
生む種になる。
事件を追っているつもりが、自分が事件を
誘発している。
貴方の罪は、貴方が誘発した事件の罪も
含めると……
貴方は地獄に堕ちるでしょう。
文:
えぇ~
私は公明正大に、偽りなく記事にしています~
映姫:
本当に真実を書く事は不可能な事です。
何故なら、そこには記事を読む人が居る
という事実を含む事が出来ないからです。
記事を書けば、事実が変わる。
事実が変わったのを見て記事を変えれば、
また事実が変わる。
貴方は、事件を誘発する覚悟で記事を
書かなければいけない!
敗北
映姫:
ここの桜の霊達は、
記事に書かれたがっているわ。
罪を認め、解放されたいのでしょう。