Stage5 穢き世の美しき檻
「穢き所に、いかでか久しくおはせん。」
そういうと閉ざされた扉は一枚残らず開き――
???:
遅かったわね。
全ての扉は封印したわ。
もう、姫は連れ出せないでしょう?
魔理沙:
おう。
長くて暗い廊下だったな、アリスよ。
アリス:
取り敢えず、相手にしてやったら?
目の前の奴。
鈴仙:
って、何?
あんた達……、地上の人じゃないの。
こんな夜中に何の用?
魔理沙:
こんだけ長ければ、いくら掃除の達人でも
一日が雑巾掛けだけで終るな。
アリス:
魔理沙の家の掃除よりは、時間も手間も
少なくて済むと思うけど。
って、いい加減相手にしてやったら?
鈴仙:
もう、変なのが紛れ込んできたわね。
うちは今忙しいの。
こそ泥以外の用が無いならさっさと帰る。
魔理沙:
真夜中に忙しい奴なんてのは、まっとうな
生き方してない奴だけだ。
なぁ同業者よ。
アリス:
魔理沙が本題を言わないなら、私が言うわ。
歪な月の異変は、あなたかその仲間の
仕業でしょう?
鈴仙:
そうよ。
魔理沙:
さぁ、大人しく元に戻すか、
一悶着あった後に元に戻すか、
どっちかを選びな!
アリス:
美味しい所だけ持っていかないの。
永琳:
あの月は、まだ戻す訳にはいかないわ。
こうしている間にも、月の民との関係は
悪くなりつつあるの。
もうこのまま、地上を大きな密室にする
しか姫を逃す道は無い。
魔理沙:
ああ?何もんだ?
アリス:
魔理沙、危ないわ。
こいつの力は今まで感じた事が無い……。
永琳:
あなた達は古代の力のコピーを使用して
いるみたいね。
まだ人間が居なかった時代の無秩序な力。
あの頃が懐かしいわ。
能力にも特許を認めるべきかしら。
まぁ取り敢えず、
ウドンゲ、ここはお前に任せたわ。
間違っても姫を連れ出されないようにね。
鈴仙:
お任せください。
閉ざされた扉は一つも空かせません。
魔理沙:
なんだぁ? ベラベラ喋るだけ喋って
逃げるなんてなぁ、
後で倒しに来てくれ、
って言ってる様なもんだぜ。
アリス:
そう言ってたのよ。
でも、後で倒しに行くかどうかは、
異変の犯人かどうかで決まるの。
それを忘れちゃ朝になってしまうわ。
鈴仙:
あんたら、私を無視しすぎ。
いい?
この廊下、催眠廊下は私の罠の一つ。
真っ直ぐに飛べないお前達は、
私の力で跡形も無く消え去るのよ。
アリス:
それは魔理沙の台詞。
光の魔砲で跡形も無く消え去るがいいわ、
このぺんぺん草。
魔理沙:
美味しい所持っていくなよ。
鈴仙:
その台詞、月の兎である私の目を見ても、
まだ吐けるのかしら?
さっきのを撃ちに行く(FinalA)
魔理沙:
月は元に戻ったのか?
アリス:
いや、こいつじゃないわね。
やっぱりさっきの……。
鈴仙:
私に勝ったからって、師匠に敵うと
思ってるの?
アリス:
負けるはずが無いわ。
魔理沙:
なんだか、貧弱そうだったしな。
鈴仙:
今回は、力では私の負けを認めるけど……。
師匠は、月面一の頭脳の持ち主。
あんたらみたいな馬鹿共なんか勝負に
なるはずがないわ。
魔理沙:
あー?弾幕に頭脳?
馬鹿じゃないのか?弾幕はパワーだよ。
アリス:
そういうこと言うから馬鹿扱いされるのよ。
弾幕はブレイン。常識よ。
あたりかまわず撃ちに行く(FinalB)
魔理沙:
月は元に戻ったのか?
アリス:
いや、こいつじゃないわね。
ほら、あそこ……。
魔理沙:
判ってるぜ。あの扉だけ少し開いている。
あんなに強い妖気は初めてだ。
鈴仙:
ああ、そこは。
アリス:
火薬庫かしら?
魔理沙:
火薬庫だな。
アリス:
それは行くしかないわね。
異変の元凶の火薬庫なら。
魔理沙:
そうだな。
そこに行けば全てが解決する火薬庫だし。
鈴仙:
ああ、師匠に怒られるぅ。