東方永夜抄 – 幽冥の住人 – Stage6B

シェアする

Final B 五つの難題

   解決不能な五つの難題。
   しかし、長い年月と幻想の力は、それらの問題を
   解くのに十分だった。

永琳:
ああもう。

こっちに来させちゃ駄目だって言ってるのに。

幽々子:
妖夢。
行くわよ。

妖夢:
ええ、行きますとも。


妖夢:
幽々子さま。
見てください、凄い満月ですよ。

???:
これが本当の満月。

貴方達は人間でも妖怪でもないみたいね。

何でこんな所に迷い込んできたのかしら。

幽々子:
妖夢。

あの月の顔を見るのは忌まわしい事よ。

今すぐに見るのをやめなさい。

妖夢:
え、えぇ、そうなのですか?

輝夜:
本当の月は忌まわしいもの。

地上人はその事を忘れて久しい。

貴方は懐かしい人ね。

いや、人だった者かな?

幽々子:
まだまだ人のつもりだけど。

でもね、この娘はまだ半分人なの。

半分だけでもおかしくなったら困るわ。

妖夢:
幽々子さま。
月を見ないであいつを見るのは無理です!

幽々子:
心の目で見るのよ。

その大きな半幽霊は何の為に付いているの?

妖夢:
心眼の為ではないですよ。

輝夜:
楽しいわね。

穢い人間でも妖怪でもない者か。

見ていて気持ちのいい位、何にもないのね。

妖夢:
幽々子さま、大変です。
目を瞑ったら真っ暗です!

輝夜:
少しくらいこの満月みて狂った方が
いいんじゃない?

幽々子:
見えなくても刀は物を斬れるでしょう?

輝夜:
で、今日はどうしたの?
幽霊が何の用なの?

幽々子:
珠はね、少しでも欠けると価値は無くなるの。

それは、永遠に丸のままではいられないからよ。

でもね、その傷が付いた珠も、転がしている
うちにまた珠に戻る。

そういうことでしょう?

妖夢:
あー、急に目を開けると眩しさに目が眩む。

輝夜:
そう、永遠とはそういうこと。
ワビの世界よ。

実は私、永遠を操る事が出来るの。

幽々子:
ってことは、今夜を止めていたのも
貴方かしら?

妖夢:
え?
幽々子さま、それはその……。

輝夜:
そんな酷い事をするのは私じゃないわ。

これは信じていいわよ。

幽々子:
まぁ、どうでもいいわそんなこと。

私は、幻想郷に満月が戻ればそれでいいの。

朝にはそのうちなるでしょうし。

妖夢:
良く言いますね。

幽々子:
妖夢、これは最後の命令よ。

目の前の永遠を斬りなさい。

輝夜:
あら、永遠は傷が付いても永遠よ。
さっきそう言っていたでしょう?

妖夢:
だから斬るんですよね!
この白楼剣で!

幽々子:
さっきはああ言ってたけど、夜を止め
ていたのはこいつの仕業よ、きっと。

妖夢:
いや、それは違うと……。

輝夜:
違うって言ってるでしょ?

まぁいいわ。
そんなに私と戦いたいのならやりましょう?

今まで、何人もの人間が敗れ去って
いった五つの問題。

貴方達に幾つ解けるかしら?


輝夜:
なんて事!

そう、夜を止めていたのは……、

貴方達だったのね。

貴方達が作った半端な永遠の夜なんて……

私の永遠を操る術で全て破って見せる。

夜明けはすぐそこにあるはずよ。

どう?
これで永夜の術は破れて、夜は明ける!