Stage6 八苦を滅した尼公 (法界)
早苗:
ここは一体……
さっきまでの禍々しさが嘘の様だわ
一体、どんな人がここに封印されている
のかなぁ
???:
ああ、法の世界に光が満ちる
貴方がこの世界を解放してくれたの?
早苗:
あ、居た
あのう
私を元の世界に帰して欲しいのです
???:
はあ
そんなこと簡単そうですが……
ここの封印を解いてくれた人にしては
欲のない要望なのね
早苗:
ええ、気が付いたらこんな処に居まして
ところで貴方は?
白蓮:
私の名は白蓮
遠い昔の僧侶です
貴方は見たところ巫女の様ね?
早苗:
ええ、妖怪退治をする巫女です
白蓮:
妖怪退治……?
早苗:
ええ、人間を苦しめる妖怪を
退治しているのです
白蓮:
……人間は変わっていない
早苗:
はい?
白蓮:
私は、人間に虐げられていた妖怪を憂えて
いるのです
人間と妖怪が平等に暮らせる世界
それを目指し、尽力して来ました
しかし、それを拒んだ人間によって
封印されてしまったのです
早苗:
人間と妖怪が平等に?
白蓮:
ええ、神も仏も、妖怪との違いはない
それなのに何故妖怪は退治され、神様は
信仰されるのか
それは、人間の都合でしかない
早苗:
神様と妖怪が同じですって?
そんな訳有るもんですか!
白蓮:
貴方は妖怪退治を正義とするのですね?
早苗:
ええそうよ
そうしないと平和は訪れないわ!
そう神奈子様も言ってたもん!
白蓮:
そうですか、私は既に人間を辞めた者
貴方から見たら妖怪と言えるでしょう
早苗:
では退治させて頂きます!
白蓮:
私が寺にいた頃と人間は変わっていないな
誠に浅く、付和雷同であるッ!
いざ、南無三――!