LAST STAGE 和を以て貴しと為す (神霊廟)
大量に集まった神霊はまるで星空のようだった
静かにその者の声が発せられるのを待っていた
早苗:
凄い数の神霊が……
さっきの人は低俗霊って
言っていたわね
……うーん
さっきの人の名前が物部(もののべ)、ねぇ
どっかで聞いた事があるような……
???:
物部氏は滅んだわ
私はその場に立ち会ったことがあるもの
早苗:
!?
???:
昔、物部氏と私は宗教的な理由により
対立していてね
それは神道と仏教の対立でした
表向きは……
早苗:
何の話?
???:
私は仏教派、と言われている筈ですが
それは私が用意した嘘の話
早苗:
あのー
どちら様でしょう?
神子:
私は豊聡耳神子(とよさとみみのみこ)
人は私を聖徳王と呼ぶわ
早苗:
聖徳、王!?
あの旧一万円札の?
神子:
いつの時代の話かしら?
早苗:
……なる程、判ったわ!
この神霊は大きな信仰に
繋がると思ってましたが
貴方みたいな伝説の人が復活すれば
そりゃ、勝手に集まりますよねー
ってそれじゃあ、私の信仰に不利じゃん
神子:
君から欲が溢れ出ているわね
私は君と戦う理由は無い
『和を以て貴しと為す』です
早苗:
でもまあ折角ここまで来たのに
手ぶらで帰るのはちょっと……
神子:
判っています
君の心の欲を見れば言葉など無用
私と闘い、打ち勝って功績を
上げたいのでしょう?
早苗:
ええ、まあ、でも
神子:
気にしなくてよい
私の復活にもそれが有利になるのです
早苗:
?
神子:
さあ私を倒して見せよ
それがこの世に和をもたらすのだ!