Stage5 穢き世の美しき檻
「穢き所に、いかでか久しくおはせん。」
そういうと閉ざされた扉は一枚残らず開き――
???:
遅かったわね。
全ての扉は封印したわ。
もう、姫は連れ出せないでしょう?
咲夜:
貴方の仕業かしら?
この月の異変は。
レミリア:
怪しい感じね。
特にその挑戦的な見た目とか。
鈴仙:
あら、羽付きのあなた程ではないわ。
ところで、こんな夜中に何の用?
咲夜:
それはもう凄い用よ。
この月の異変は、貴方近辺の仕業でしょう?
嫌な臭いは元から断て、ってね。
私は掃除が得意なのよ。
鈴仙:
月の異変?
うーん、この術によく気が付いたわね。
地上に這いつくばって生きるだけの、
穢き民のくせにね。
レミリア:
あいにく、空に月と星しか見たことが無い
汚れた生き物なんでねぇ。
月に変化があれば嫌でもわかる。
咲夜:
お嬢様は夜型、ですものねぇ。
レミリア:
さっさと地上に満月を戻すのよ。
鈴仙:
まだ、術を解くわけに行かないの。
永琳:
あら、お迎えかと思ったら、
ただの迷い妖怪?
まぁ、お迎えが来れる筈が無いけど。
咲夜:
誰?
レミリア:
咲夜、悪いのはこいつよ。
一発で判ったわ、この悪党面で。
永琳:
酷い言われ様だわ。
確かに、この地上の密室は私が作ったわ。
でも、これも姫とこの娘の為。
咲夜:
そうと決まれば、倒さないわけには
行かないですわ。
永琳:
うーん、でもまだ駄目。
ウドンゲ、ここはお前に任せたわ。
間違っても姫を連れ出されないようにね。
鈴仙:
お任せください。
閉ざされた扉は一つも空かせません。
咲夜:
何事にも順路という物があるって訳ね。
レミリア:
面倒ね。いつもの咲夜みたいに、
道を外れて見ない?
咲夜:
順路通りに進んで、尚且つ力で圧倒する。
これが文句を言わせないコツですわ。
鈴仙:
ふふふ。
順路は貴方の後ろ方向。
でも、引き返すのも出来ない。
レミリア:
引き返さないわよ。
鈴仙:
月の兎の罠に嵌っているのに気が
付いていないのかしら?
そう、右も左も、上も下も……。
貴方はもう方向が狂って見えている。
貴方は、真っ直ぐに飛んでいるつもりでも、
フラフラに飛んでいる。
私の目を見て、もっと狂うが良いわ!
まっすぐ進む(FinalA)
咲夜:
お嬢様、順路通り進みましょう。
出口はもうすぐですよ。
レミリア:
咲夜、さっきの奴はこの先に居る。
でも、ちょっと……。
気をつけた方が良いわね。
咲夜とだから大丈夫だと思うけど。
鈴仙:
師匠は私なんか比べ物にならない程強いのよ。
私に勝ったからって、師匠に敵うと
思ってるの?
レミリア:
圧倒的に。
咲夜:
さぁ、夜が明ける前には決着を
付けましょう。
鈴仙:
そうか、夜を延ばしていたのはあなた達
だったのね。
私はてっきり……。
咲夜:
?
まっすぐ進まない(FinalB)
咲夜:
お嬢様、順路通り進みましょう。
出口はもうすぐですよ。
レミリア:
咲夜、さっきの奴はこの先に居る。
でも、その前に。
あそこに見える扉に入るのよ。
咲夜:
何かあるんですか?
鈴仙:
ああ、しまった。
まだ封印が間に合ってない扉があったのか。
レミリア:
あそこの先に本命が居るわ。
私の目はごまかせないわ。
鈴仙:
ああ、師匠に怒られるぅ。