Stage5 魔界の赤黒い封印 (魔界(法界上空))
ナズーリン:
おや?
君も魔界まで来たのかい?
早苗:
あ、ネズミだわー!
船長が探していたわよ?
何処ほっつき歩いているのかって
ナズーリン:
え? そう? 実は船長達に内緒で
別の探し物を頼まれてたんだ
探し物は、君が偶然手に入れた飛宝と
もう一つは、この毘沙門天の宝塔
古道具屋で眠っていたのを、やっと見つけたよ
随分と吹っ掛けられたがね
早苗:
ふーん
あ、思い出した
貴方、人間を食べるとか言ってたわね
ここで成敗してくれるわ!
ナズーリン:
面白い人間だ。この宝塔はご主人様の物だが
どの位の光が出るのか試してみよう!
早苗:
こんな世界があるのですね……
船が何処を通ってきたのか判らないけど
何か、不穏な感じがする場所ね
ここはもしかして、魔物の棲む世界……?
???:
そうです
ここは魔界です
早苗:
え? 魔界?
???:
魔界は、その妖気の酷さから殆どの
生き物が住むのに適さない世界です
しかし、一部の妖怪はここで修行し、人間は
魔法を覚える事が出来るのです
早苗:
貴方は一体?
星:
私は毘沙門天の代理
聖の信仰を一身に受けていた者です
ナズーリンが持ってきたこの宝塔と
貴方の持ってきた飛倉の破片が揃えば
ここの封印を解く事が出来ます
聖への恩を返す事が出来るのです
早苗:
聖ってのは誰なの?
星:
聖は聖ですよ
私の知る限り、最も慈悲の心を持ち
最も秀でた人間でした
聖は魔界の力に手を出したが為に、愚かな
人間達によって封印されてしまったのです
さあ、私と一緒に封印を解きましょう
早苗:
むむ、このままなし崩し的に封印を解く事に
なるのかしら?
……
ちょっと気になるわね〜
その聖って人がどんな人か
でも、その前に……
貴方が信用出来る妖怪とは限らないわ
封印を解くのは私がやるわ
その宝塔とやらも、私が奪ってやる!
星:
そうですか、封印が解ければそれでも
良いでしょう
ただ、もし貴方に邪心があるのであれば
魔界に有りてなお輝き続けるこの法の光――
この毘沙門天の宝塔の前に
ひれ伏す事になるでしょう!
星:
負けた……
貴方は間違っていない
早苗:
よし!
貴方の宝塔を貸して!
星:
一時的にですよ?
持っていったりしないでくださいよ?
早苗:
これとこれでこうやって……
……
って、どうやって封印解けばいいの?
星:
そこはですね〜
ここをこう捻るのです
早苗:
わ、封印が消えていく……
星:
ああ、数百年ぶりに法界に風が吹くわ!